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JAL、2127億円の赤字決算。2020年度通期予想は3000億円の損失
2021年2月1日 17:33
- 2021年2月1日 発表
JAL(日本航空)は2月1日、2020年度(2021年3月期)第3四半期の決算を発表した。説明を担当したのは、代表取締役専務執行役員 財務・経理本部長の菊山英樹氏。なお、同社は今年度から「国際財務報告基準(IFRS)」を適用しており、前年度実績もIFRSに基づいた値に組み替えている。このため、以前の指標でいう「営業利益」は「EBIT(利払前税引前利益)」に置き換えている。
新型コロナウイルスの影響を受けて、2019年度の第4四半期単独で再上場以来初めての赤字転落となってから、2020年度第1四半期は937億円の赤字、第2四半期(累積)は1612億円の赤字と続いている。第3四半期(累積)の売上収益は、前年対比7561億円減(68.0%減)の3565億円、EBITは2941億円の損失、純損益は2127億円の赤字となっている。
事業別に見ると、国内線は10月に東京がGo To キャンペーンの対象に加わったことなどから需要が増えたものの、12月の感染者数増加で反転。国内旅客数は前年対比66.7%減、国内旅客収入は同68.0%減の1369億円になっている。国際旅客数は同96.6%減、国際旅客収入は同95.3%減の188億円。
一方、貨物郵便収入については、乗客を乗せない貨物専用便(ベリー便)の積極運用によって引き続き伸長しており、同31.5%増の909億円となっている。
グループの連結業績予測については、新型コロナウイルス収束の見通しが立たないことなどから、これまでは幅を持たせた数値を挙げていたが、今回の発表で第4四半期までの予想を「売上収益4600億円、EBIT 4200億円の損失、純損益3000億円の損失」と改めて修正した。ただし、これは緊急事態宣言発出中という現状下での予約推移などに基づくもので、この先宣言の解除やGo Toの再開といったプラス要因がある場合は上振れする可能性もあるという。
11月に行なった公募増資によって自己資本は1兆171億円、自己資本比率は47.6%。有利子負債は4945億円だが、1年以内の返済額は615億円で、財務基盤は健全としている。なお、ボーイング 777型機の早期退役や社内での取り組みによって、固定費は当初掲げた削減目標600億円の2倍に当たる1200億円の削減が実現できる見通し。このほか、収入・供給連動費用は減収額の40%の費用削減、投資は900億円の抑制など、コスト削減に努めているという。