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大規模リニューアルした「すみだ水族館」に行ってみた。水盤を漂うクラゲが間近に見える「ビッグシャーレ」が登場!
2020年7月16日 13:25
- 2020年7月16日 リニューアルオープン
オリックス不動産が運営する「すみだ水族館」(東京都墨田区押上1-1-2)は、大規模リニューアルを施し、7月16日から新エリアを公開している。これに先駆け、報道向けの内覧会を行なった。
すみだ水族館は2012年5月に東京スカイツリータウン・ソラマチにオープン。今回は、9年目を迎えた同館初の大規模リニューアルとなる。
内覧会の冒頭、館長の中村雄介氏は今回のリニューアルについて「近づくともっと好きになる」というコンセプトを掲げ、来場者とすみだ水族館で暮らす生き物、そして飼育スタッフの距離がもっと近くなるような工夫を凝らしたと語った。
その特徴は2つ。1つは従来バックヤードで行なわれていた飼育スタッフの作業を公開したこと。もう1つは日本最大級となる直径7mの水盤形のクラゲ水槽「ビッグシャーレ」の設置するなど、クラゲエリアの大幅な拡充だ。
スペースを2倍に拡張し新たな水槽が登場したクラゲエリア
リニューアルの目玉「ビッグシャーレ」は大型の水盤形のクラゲ水槽。アクリル越しではなく水槽を漂うクラゲを直接観察できるので、ゼリーのような不思議なクラゲの質感を感じられる。色や強さが変化する照明に照らされた約500匹のミズクラゲは、すべてすみだ水族館生まれとのこと。
今回新設された水槽がもう1つ。3層の水槽がつながっている「ドラム形水槽」では、通常一緒の水槽で飼うことができないクラゲの色や模様、泳ぎ方をまるで1つの水槽で見比べているような感覚で観察できる。横から覗くと1つの水槽に入っているように見えるのも楽しい。
飼育作業を公開するエリア「アクアベース」
従来バックヤードで行なっていた飼育員の作業を来場者に公開するエリアが「アクアベース」。すみだ水族館で暮らすいきもののゴハンを用意する「キッチン」と、クラゲを飼育し繁殖作業を行なう「ラボ」の2つで構成する。
「キッチン」は文字どおり調理場だが、いきものの種類やそれぞれの体調などに合わせたきめ細かい調理が行なわれている。オットセイを例にとると、ここに暮らす4頭は量も内容もすべて異なり、アジやイワシを丸ごと食べるのが好きだったり、小さく切ったものが好みだったりさまざま。キビナゴを混ぜたり混ぜなかったりといった具合だ。また、実際の食事ではペンギンなどは一羽一羽に手渡しで行ない、その食べ具合なども細かくチェックしている。
キッチンは衛生上厳重に管理されており、キッチン内は外の音も聞こえず、匂いがもれないような構造になっているので、来場者と飼育員が直接コミュニケーションをとる機会は少ないが、その調理の様子に愛情をとても感じるスペースだ。
一方、クラゲの飼育や繁殖作業を行なう「ラボ」は卵から成体までの作業や観察が行なえるスペース。クラゲの種類によって赤ちゃんのころから形はもちろんごはんの食べ方や成長の度合いも違っていて、一匹一匹愛情込めて育てている様子が間近に見ることができる。なかでもミズクラゲは段階的に成長を見学でき、ここで育ったのち「ビッグシャーレ」に移される。
こちらはオープンカウンターのような形をとっているので、スタッフへ気軽に声をかけてほしいとのことだ。
なおアクアベースには、飼育スタッフが今水族館で起こっていることや生き物の状態などの情報を発信できるリングサイネージが設置されているので、見学の際はここの情報を参考にするとよいだろう。
クラゲをイメージした飲食メニューやオリジナルグッズも充実
リニューアルオープンに伴い、食用クラゲをトッピングした「勝手にクラゲシェイク」などの飲食メニューや飼育スタッフが描いたイラストをプリントした「すみだ水族館 プリントせんべい」などお土産にも最適なオリジナル商品が用意された。
日本は世界一水族館の多い国と言われていて、全国の水族館の来場者数は文部科学省に調査によると年間3000万人にものぼるとのこと。
そんな日本において、すみだ水族館は「子供たちの笑顔や眼差しにあふれているだろうか?」「人々の心を動かし知的好奇心を掻き立てているだろうか?」「人と生き物、人と人、人と地域をつなげる場になっているのだろうか?」など、館長や館のスタッフが自問自答し試行錯誤しながらたどり着いた今回のリニューアルオープン。一度足を運んで見てはいかがだろうか。
すみだ水族館
所在地: 東京都墨田区押上1-1-2 東京スカイツリータウン・ソラマチ5階~6階
営業時間: 平日10時~19時、土日祝9時~21時
休館日: 年中無休(水族館のメンテナンスやイベントなどによる臨時休業あり)