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金魚鉢を芸術にした「アートアクアリウム専門美術館」内覧会。東京・日本橋に3万匹の金魚と水槽が織りなす日本の美

音声ガイドは斎藤工さん、広報大使は上戸彩さん

2020年8月28日 開館

8月28日に開館した「アートアクアリウム美術館」

 東京・日本橋エリアに8月28日、大小さまざまなアクアリウムを扱った「アートアクアリウム美術館」がオープンした。

 アートアクアリウムアーティストである木村英智氏が手掛ける作品はこれまで日本各地で展示されており、累計来場者数は1000万人を数える。作品展示から14年目を迎えた2020年は、過去最大規模である3万匹を超える金魚が舞う専門施設・常設展としてお目見えした。

アートアクアリウム美術館は東京メトロ 三越前駅のA1出口から徒歩2分
館内は暗闇の中にライティングされた水槽が浮かび上がるようになっており、幻想的な空間を演出している
入口では額縁型水槽の「ZENアクアリウム」が来場者をお出迎え。また、斎藤工さんがナビゲーターを務める音声ガイド(25分・600円)を借りることもできる
アートアクアリウム美術館(ART AQUARIUM MUSEUM)

開館日: 2020年8月28日
営業時間: 10時~22時(入場は閉館30分前まで)
休館日: 無休 ※不定期休館あり
所在地: 東京都中央区日本橋本町1-3-9
アクセス: 東京メトロ銀座線/半蔵門線 三越前駅 A1出口から徒歩約2分、銀座線/東西線/都営浅草線 日本橋駅 D4出口から徒歩約7分、JR総武線快速/横須賀線 新日本橋駅 5出口から徒歩約5分
入館料: 一般2300円(18時以降一般2000円、小学生以下は無料、大人1人につき小人2名まで)
Webサイト: アートアクアリウム美術館

 美術館は2階建てで、敷地面積は2132m 2 。その中を6つのエリアに分け、来場者を楽しませる数多くの作品が展示されている。

 まず、メインとなるさまざまなアートアクアリウムが数多く展示されている「水端」「浮世」「神秘」エリア。最初の水端は、水と戯れる非日常世界の始まりとして、所蔵作品から不定期に過去の人気作を展示する企画エリアになっている。額縁を模した水槽の「ZENアクアリウム」、水墨アートが映し出される映像を背景に黒い金魚が泳ぐ「床掛け金魚飾り」、色が変わるライトの中を金魚の模様や尾ひれの動きが万華鏡のように見える「カレイドリウム3D」と「カレイドリウム」、めずらしい金魚が見れる「金魚コレクション」などに加え、新作として茶室に設けられている丸窓を水槽にした「丸窓リウム」、枯山水の石庭をイメージした「セキテイリウム」が来場者の目を楽しませてくれる。

「床掛け金魚飾り」の両脇にはヴェネツィアンガラスアートのVeniniとの共同作品である「VENINI」を設置したコーナー
水墨を演出した映像を背景にゆっくりと黒い金魚が泳ぐ
六角柱の水槽「カレイドリウム3D」
壁に埋め込まれた「カレイドリウム」
水槽の中を優雅に泳ぐ金魚
新作の「丸窓リウム」
こちらも新作である「セキテイリウム」

 2番目の浮世エリアは、現代における江戸の花街を表現したアートアクアリウムの基本コンセプトを表現したもの。江戸のきらびやかな象徴であった花魁道中を、大小さまざまないくつもの花魁をイメージしたアートアクアリウムを使って展示し、豪華絢爛かつ儚い美を目にすることができる。そのほか、雪洞に見立てた「ボンボリウム」、行燈をモチーフにした「アンドンリウム」、手毬の中を金魚が泳ぐ「テマリウム」、天井に水槽を設けた「天井金魚」といった数々の作品が非日常的な世界を演出する。

アートアクアリウムを代表する作品「花魁」。もっとも大きいものは過去最大サイズとなる、高さ2.8m、最大直径2mとスケールアップ。両脇にあるのは「テマリウム」
さまざまな種類のレンズを通して金魚を鑑賞できる「リフレクトリウム」
天井に水槽を設けた「天井金魚」
雪洞をイメージした「ボンボリウム」
金魚をじっくり鑑賞できる「金魚品評」

 3番目のエリアである神秘は、大型のアートアクアリウムが展示してあり、その世界観を存分に楽しむことができる。「アースアクアリウム・ジャポニズム」は錦鯉が泳ぐ大型の球形水槽には世界地図が描かれており、宇宙から見た地球と日本の美を神秘として表現。等身大以上の水柱が森のように立ち並び、その中を金魚が泳ぐ「金魚の杜」はライティングの変化によってさまざまな幻想的な空間を体験できる。頭上には大型の3Dホログラムディスプレイが設置されており、宙に浮いているような不思議な感覚の金魚映像も合わせて楽しめる。

球形の水槽を地球に見立てた「アースアクアリウム・ジャポニズム」
高さのある円柱水槽を数多く並べた「金魚の杜」。七色に変わるライティングの中で多くの金魚が泳ぐ姿はファンタジー小説の一場面のようだ
大型の3Dホログラムディスプレイは、サイネージ広告事業を展開するLife is Styleの「3D Phantom」を95台使ったものだ

 建物の2階は軽食スペースである「老松」と「愉悦」、グッズを販売する「土産」エリアになっている。老松では、江戸時代に狩野派が描いたとされる文化財である老松、もしくは舞台で行なわれる伝統芸能のパフォーマンスを眺めながら、「水戯庵ラウンジ」で和菓子屋や抹茶、カクテルなどを楽しめる。

 愉悦エリアの「華魚繚乱」はカフェになっており、有名店とコラボしたスイーツや食事をいただける。土産エリアは、金魚グッズやお土産用のお菓子が販売されており、限定グッズも含めた豊富なラインナップから楽しみながら選ぶことができる。

バーカウンターもある「水戯庵ラウンジ」
スイーツや軽食を楽しめる「華魚繚乱」
金魚グッズが数多く並ぶ土産エリア

 美しく彩られた水槽の中を優雅に泳ぐ金魚を見て、日常を忘れてリラックスできるアートアクアリウム。新作も数多く展示されているので、今まで展示会に足を運んだことがある人も満足できる内容になっている。まだまだ暑さが厳しい時期だが、涼を求めて訪れてみるのもいいだろう。

上戸彩さん(右)がオープニング広報大使に就任。作家・総合プロデューサーの木村英智氏(左)と