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JR東日本、台風で被災した北陸新幹線の車両基地で浸水対策。設備のかさ上げや止水板、車両避難の指標など

2020年5月27日 発表

JR東日本は鉄道施設などの浸水対策を公開した

 JR東日本(東日本旅客鉄道)は5月27日、鉄道施設などの浸水対策を公開した。

 2019年10月に発生した台風19号の影響で、北陸新幹線の長野新幹線車両センターの施設や車両が浸水するなど各線区で甚大な被害を受けたことから、浸水対策の方向性についてとりまとめたもの。

浸水対策の基本的な考え方

 新幹線・在来線の鉄道施設の浸水対策は、水防法施行規則に規定する計画降雨(年超過確率数十分の1~200分の1程度)、車両の浸水対策は水防法に規定する想定しうる最大規模の降雨(年超過確率1000分の1程度)を想定して、車両避難の判断を支援する指標を整備、避難を行なう。

鉄道施設の浸水対策

長野新幹線車両センター

 運行への影響が大きい電気設備はかさ上げ、車両の検修車庫などは建家開口部などに止水板・止水壁設置、創業に必要な機器などは予備品の確保や他所での代替機能確保の必要が認められている。

長野新幹線車両センター以外の鉄道施設

 浸水による故障で運行に支障が出る設備を対象に、設備の重要度に応じた対策を検討。かさ上げや止水板の設置、予備品の確保や代替設備の活用などを計画的に講じていくとしている。かさ上げや止水板の設置などのハード面での対策を検討する対象は、発表時点で最大約400か所を想定し、今後精査する。

車両の避難

 ハザードマップなどを活用して、想定最大規模降雨による河川の氾濫などにより浸水被害が想定される車両留置箇所を抽出。各所ごとに車両避難の判断を支援する指標を整備する。

車両の避難の判断を支援する指標