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国交省、台風19号による新幹線車両被害を受け浸水対策とりまとめ

2019年12月24日 発表

浸水被害が想定される新幹線の車両基地と電車留置線

 国土交通省 鉄道局技術企画課・施設課は、台風19号の影響で長野新幹線車両センターにおいて多大な浸水被害が発生したことを受け、新幹線における車両および重要施設に関する浸水対策の考え方をとりまとめた。

 長野新幹線車両センターでは、留置されていた列車10編成が浸水被害を受け、北陸新幹線の運行に大きな影響が出ることになった。こうした事態を踏まえ、同省として浸水被害が発生した場合に影響が大きい施設の浸水対策の考え方をとりまとめることにした。

 全国28か所の新幹線車両基地および電車留置線について浸水被害の可能性を検証した結果、長野新幹線車両センターと鳥飼車両基地においては、計画規模降雨により浸水被害が発生する可能性があるとして、高所への移設や防水扉の設置など、運行への影響を最小化できるような対策を検討すべきとしている。

 また、長野新幹線車両センター、新庄運転区、鳥飼車両基地、博多総合車両所岡山支所、同広島支所および熊本総合車両所は、想定最大規模降雨により、地盤面から50cm程度以上の浸水被害が想定されるとして、車両の避難計画などの対策を検討すべきとしている。また、計画の策定にあたっては、避難の判断基準や避難場所、手順、運行再開手順などを決めておくべきとしている。

 同省では、各鉄道事業者に対し、具体的な浸水対策と実施目標時期を来春をめどに報告するよう求めていく。