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NEXCO西日本、令和最初の定例会見。「宝塚渋滞」解消や高速バスの遅延軽減など、新名神 高槻JCT・IC~神戸JCT全通1年の効果を報告

2019年5月28日 開催

定例会見に登壇した、西日本高速道路株式会社 代表取締役社長 酒井和広氏

 NEXCO西日本(西日本高速道路)は5月29日、大阪の本社で令和最初の定例会見を実施した。

 代表取締役社長の酒井和広氏、取締役常務執行役員の芝村善治氏、執行役員 事業開発本部長の横田正文氏らが登壇し、10連休の振り返り、新名神高速道路(E1A)高槻JCT(ジャンクション)・IC(インターチェンジ)~神戸JCT間(延長約43.1km)の交通状況やストック効果(整備された社会資本が機能することによって継続的に中長期的に得られる効果)などについて説明した。

 過去に例のない大型連休となった2019年のゴールデンウィークに対し、NEXCO西日本管内では、10km以上の渋滞発生回数を137回(2018年は104回)、そのうち30km以上の渋滞回数を1回(2018年は1回)と予測していた。

 実際の10連休における1日あたりの平均断面交通量は、2018年と比べて13%の増加。10km以上の渋滞は2018年の104回から178回と大幅に増加するなど、「当初の予想を大幅に上回る」ものとなった。

 しかし、3月8日に全線4車線化が完了した高松自動車道(E11)においては、期間中の交通量が2018年と比べて約4割増えたものの、5km以上の渋滞が2018年の7回から0回になるなど、整備効果が確認される面もあった。

 4月の高速道路の営業状況は、通行台数が対前年同月比で4.7%増の310万2000台/日。料金収入が5.9%増の680億3000万円となった。SA(サービスエリア)/PA(パーキングエリア)の売上高は、飲食物販が5%増の84億7600万円、ガソリンスタンドが17%増の57億1100万円となり、SA/PA合計で9.5%増の141億8700万円となった。

4月の高速道路の営業状況は、通行台数が対前年同月比で4.7%増の310万2000台/日。料金収入が5.9%増の680億3000万円となった
SA/PAの売上高は9.5%増の141億8700万円となった

貨物車は名神から新名神に転換、高速バスの遅延が軽減、一般道の交通量も減少

高槻JCT・IC~神戸JCTの交通状況、ストック効果について説明する、西日本高速道路株式会社 取締役常務執行役員 芝村善治氏

 2018年3月18日に全線開通した高槻JCT・IC~神戸JCTの交通状況は、高槻~神戸間のダブルネットワークが完成したことで、高槻JCT・IC~神戸JCTで渋滞回数が約75%減少など交通の分散効果が見られ、中国自動車道(E2A)や阪神高速道路~名神高速道路(E1)ルートを利用していた貨物車の約8割が新名神経由の利用に転換。さらに新名神と並行する一般道においても交通量・最大渋滞長が減少しているという。

 ストック効果は、遠方から新名神沿線地域へ訪れる高速道路利用者が約5%増加。沿線の住宅地では人口が増加傾向にあり、箕面森町で約2.6倍、彩都で約1.7倍に増加。地価も上昇傾向にあるという。中国道、名神高速を利用する高速バスが新名神を迂回路として利用するようになり、遅延軽減による運行体制の改善なども見られるようになった。

2018年3月18日に全線開通した高槻JCT・IC~神戸JCT
高槻~神戸間のダブルネットワークが完成したことで、高槻JCT・IC~神戸JCTで渋滞回数が約75%減少など交通の分散効果が見られる
中国道や阪神高速~名神高速ルートを利用していた貨物車の約8割が新名神経由の利用に転換した
一般道においても交通量・最大渋滞長が減少している
中国道、名神高速を利用する高速バスが新名神を迂回路として利用するようになり、遅延軽減による運行体制の改善なども見られる

 新名神全通の効果について酒井社長は、いわゆる「宝塚渋滞」などの混雑が激減、あるいはほぼ解消され、移動の所要時間を読みやすくなったこと、ネットワーク全体として強靱化が図られ、交通サービスの質が向上したことを評価。さらに新しいコンセプトで整備した宝塚北SAが好評を博しているそうで、「成功事例」として今後ほかのSA/PAへ広めていきたいと意欲を見せた。

SA/PAで夏野菜を使用した新メニューやご当地限定のソフトクリームのキャンペーン

SA/PAでの施策について説明する、西日本高速道路株式会社 執行役員 事業開発本部長 横田正文氏

 NEXCO西日本と西日本高速道路サービス・ホールディングスは、NEXCO西日本管内のSA/PAで、「『夏のうまいもん』グルメフェア」を6月1日から開催。ナス、オクラ、キュウリ、トマトなどビタミン豊富な夏野菜を使用した新メニューを、管内55のSA/PAで提供する。

「『夏のうまいもん』グルメフェア」を6月1日から展開する
「『夏のうまいもん』グルメフェア」概要

開催期間: 2019年6月1日~8月31日
実施箇所: NEXCO西日本管内55のSA/PA
Webサイト: 「夏のうまいもん」グルメフェア

NEXCO西日本管内55のSA/PAで提供する「『夏のうまいもん』グルメフェア」のメニュー例

 さらに6月7日からは「初夏のご当地ソフトキャンペーン~食べて当てよう新鮮フルーツ!~」をスタート。

 対象となるご当地限定のソフトクリームを購入するともらえる応募カードにあるQRコードからアクセスしたWebサイトのアンケートに回答することで、抽選で40名に「二十世紀梨(鳥取県)」「アップルマンゴー(鹿児島県)」など「西日本のフルーツ」いずれか5000円相当がプレゼントされる。

「初夏のご当地ソフトキャンペーン~食べて当てよう新鮮フルーツ!~」を概要

開催期間: 2019年6月7日~7月10日
実施箇所: NEXCO西日本管内のSA/PAにある77店舗

対象となるご当地限定のソフトクリーム
抽選で40名に「二十世紀梨(鳥取県)」「アップルマンゴー(鹿児島県)」など「西日本のフルーツ」いずれか5000円相当がプレゼントされる(写真は賞品のイメージ)

 そのほか、宮崎自動車道(E10)山之口SAが上下線とも6月1日8時にリニューアルオープンすることなどが紹介された(関連記事「NEXCO西日本、宮崎道 山之口SA上下線を6月1日リニューアル。宮崎牛やブランド豚を使った高速道路初登場メニューも」)。