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NEXCO西日本、定例社長会見。GW10連休で10km以上の渋滞は増加、30km以上は横ばい~減少と予測
2019年3月27日 19:54
- 2019年3月27日 実施
NEXCO西日本(西日本高速道路)は3月27日、大阪の本社で定例会見を実施した。代表取締役社長の酒井和広氏らが出席し、同日発表したニュースリリースおよびゴールデンウィークの渋滞予測などについて説明を行なった。
冒頭で酒井社長は、新たな橋桁の取り付けが完了して、対面通行が解消した関空連絡橋の現状について触れ、「4月上旬の完全復旧に向けて安全第一で最終工事を行なっている」と順調な進捗を報告。4月上旬に前倒しした6車線完全復旧は予定どおり進んでいると見通しを示した(関連記事「関空連絡橋、3月7日朝に4車線での通行確保。6車線完全復旧は4月上旬に前倒し」)。
また、平成30年7月豪雨で流出した高知自動車道(E32)の立川(たぢかわ)橋についても、すでに発表しているとおり「夏休み前の4車線化」に向けて工事を進行中であるとした(関連記事「高知道 新宮IC~大豊ICの4車線復旧時期は『2019年夏休み前』」)。
2019年のゴールデンウィークは、皇太子殿下が新天皇に即位するため5月1日が祝日(即位の日)になっている。また、即位の日が昭和の日(4月29日)と憲法記念日(5月3日)に挟まれることで、4月30日と5月2日も祝日となり、4月27日から5月6日までの10連休になることはよく知られているとおり。
ここまで大型の連休は過去に例がないが、同社の渋滞予測士 大國守道氏が4月26日を含む11日間の渋滞予測について説明した。NEXCO西日本管内の高速道路では、下り線は4月28日と5月3日、上り線は5月4日にピークが発生するとみており、名神高速道路(E1)や山陽自動車道(E2)では25km以上の渋滞を予測している。また、第二神明道路(E93)から阪神高速3号神戸線にまたがる渋滞も、ピーク時は25km以上の長さになると見込んでいる。
具体的には、5月3日9時ごろに名神 茨木IC(インターチェンジ)~大津IC間(上り線)で約30km(通過に約2時間)、5月2日と3日それぞれ10時ごろに阪神高速3号神戸線 西宮IC~第二神明 名谷IC間(下り線)で約31km(通過に約2時間)といった区間でひときわ大きなピークがあると例を挙げた。
NEXCO西日本管内の2019年の予測では、10km以上の渋滞発生回数を137回(2018年実績は104回)、そのうち30km以上の渋滞回数を1回(同1回)としている。ちなみに全国版の予測では、10km以上が432回(同328回)、30km以上が17回(同25回)となっており、いずれも10km以上の渋滞回数は2018年実績より増えると予測している。一方で、休日が増えることで利用が分散され、30kmを超えるような長い渋滞の回数は横ばい(西日本管内)か減少(全国)傾向にある。
時間帯で見ると、特に9時から13時に渋滞の約6割が発生する(西日本管内、10km以上の渋滞)と見込んでおり、早朝や深夜になるほど渋滞回数は減っていく。
こうした予測は過去のデータやトレンドから導き出しているが、その補強・裏付けとして、NEXCO 3社(東日本/中日本/西日本)では3000人規模のアンケートを実施。そのうち、約26%が「高速道路の利用が増える」と回答したという。ゴールデンウィークの連休も例年の7日から10日に(約3割)増えており、休日が増えた分、出掛ける回数が増えて、その結果渋滞回数も増えるというサイクルになっている。
データのなかで興味深いのは2018年の実績を示した折れ線グラフで、例年5月の連休の初日(5月3日など)に大きなピークの山が発生するが、2018年は前日の5月2日より低い山になっている。これは3日が天候不良だったことが要因だそうで、実際の渋滞は天候にも左右されることが分かる。出掛ける直前まで情報収集を行なう必要があるというわけだ。
同社ではWebサイト上で「渋滞予測ガイド」を配布しているほか、SA(サービスエリア)/PA(パーキングエリア)でも冊子の配布を行なう。また、「アイハイウェイ」(PC/スマートフォン対応)にアクセスすれば、リアルタイム(5分更新)で通行止めや交通規制、渋滞情報を確認することができる。
このほか、「高速料金・ルート検索」のページでは渋滞予測を考慮した所要時間の検索、「渋滞予測カレンダー」のページでは日付ごとに具体的な渋滞の発生区間とボトルネック箇所を確認できる。大國氏は、こうした情報を活用して渋滞を回避してほしいと説明した。
なお、本誌でもお伝えしたとおり、3月17日にはNEXCO中日本(中日本高速道路)管轄の新名神 新四日市JCT~亀山西JCT間が開通しており、愛知県から滋賀県にかけて北ルート(東名高速道路+名神高速道路、E1)と南ルート(伊勢湾岸自動車道+新名神高速道路、E1A)という大きなダブルネットワークが形成されているが、その開通効果は今回の渋滞予測には反映されていないとのこと。