ニュース

NEXCO西日本、酒井社長が平成を振り返る定例会見。民営化13年で「着実な目標達成が評価されている」

2019年4月24日 実施

会見する西日本高速道路株式会社 代表取締役社長 酒井和広氏

 NEXCO西日本(西日本高速道路)は4月24日、本社で定例会見を実施した。会見には代表取締役社長の酒井和広氏が登壇。

 酒井氏はまず、4月8日に関西国際空港連絡橋(E71)が被災から7か月で6車線完全復旧したことに言及し、(被災当時は)万博招致決定の投票を控えていたこともあり、関西の玄関口として早期に仮復旧させる必要があったと説明。また、6月にはG20(20か国地域首脳会議)が開催されるため、それまでに連絡橋を完全復旧させることが「我々の絶対的な使命だった」と話す(関連記事「関西国際空港連絡橋、4月8日6時に完全復旧」)。

 今回は平成最後の定例会見ということもあり、酒井氏はNEXCO3社が管轄する全国の高速自動車国道についても振り返った。

 この30年で全国の総延長は約4400kmから約8400kmにほぼ倍増。1日の利用台数は250万台から500万台と同じく倍増しており、「社会インフラとしての重要度がますます高くなった」と語る。特に近年は東日本大震災や熊本地震、西日本豪雨などの自然災害が相次いでおり、物流の確保や普及支援活動などで「高速道路が果たす役割の重要性が改めて認識された」と評価。

 料金収受の面では2001年のETC本格導入を皮切りに、現在では装着率が9割を超え、料金所での渋滞解消や各種ETC割引の実施、ETC専用のスマートICの設置などにより、「高速道路をより便利にご利用いただけるようになった」と述懐した。

 2005年の民営化によるNEXCO3社の誕生も大きなトピック。民営化の目的である有利子債務の返済、各社の機動性や柔軟性による道路の早期開通とコスト縮小、SA(サービスエリア)/PA(パーキングエリア)における店舗の多様性、サービスの向上など、「着実な達成が評価されている」と振り返った。

酒井社長が平成を振り返った

 このほか、同日発表ニュースリリースについて説明があった。

 2018年3月18日に神戸区間が全通した新名神高速道路(E1A)高槻JCT(ジャンクション)・IC(インターチェンジ)~神戸JCT間は、開通から1年が経過している。

 その整備効果については、名神高速道路(E1)と中国自動車道(E2A)の1日あたりの平均交通量が9万6400台だったところ、新名神の神戸区間開通後は7万5600台となり、約20%の減少が見られている。新名神自体の交通量は3万2700台であり分散が進んでおり、その結果、開通1年間の渋滞回数(5km以上)は、開通前791回に対して開通後は220回(うち新名神では25回発生)と約7割減少。いわゆる「宝塚渋滞」の劇的な解消につながったことが分かる。

 ニュースリリース(PDF)ではゴールデンウィーク期間中の該当区間の渋滞予測も掲載しているので、通行予定の方はご覧いただきたい。

 開通時に新設した宝塚北SAでは、ゴールデンウィーク期間中に地元アーティストのライブパフォーマンス、時価1億円という手塚治虫「リボンの騎士」のサファイア姫の王冠の展示を行なうほか、毎月第3日曜には元タカラジェンヌによるステージが開かれるなど、各種イベントを予定している。こちらも詳細はリリースで確認できる。

新名神の神戸区間開通による整備効果

 続いての説明は、同社管内のセブン-イレブンについて。4月26日10時に、山陽自動車道(E2)の瀬戸PA(下り)、八幡PA(上下)、沼田PA(下り)、松山自動車道(E11)の入野PA(上下)、長崎自動車道(E34)の今村PA(上り)、木場PA(下り)、大分自動車道(E34)の玖珠SA(上下)で10店舗が一斉に新規オープンする。また、同日に名神 草津PA(上下)など既存の20店舗がオープン1周年を迎える。これを記念してさまざまな商品の値引きが行なわれるほか、プレゼント企画なども予定している。詳細はニュースリリースをご覧いただきたい。

 さらに、4月26日から5月6日までのゴールデンウィーク期間中は管内のSA/PAの174か所で改元イベントなどを予定している。

4月22日から5月6日まで全国規模のスタンプラリーを実施中

 会見後の質疑では、前日の23日に大阪府警と阪神高速道路が発表したG20会期中の通行止めについて質問が上がった。本規制に伴うほかの道路への影響については国交省が予測を立てており、NEXCO西日本管内では近畿自動車道(E26)と中国道の一部で「平常の1.5倍程度の通行量になる」と見られているという。