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ロイヤルブルネイ航空、成田~バンダル・スリ・ブガワン線就航。「20年来の日本~ブルネイの直行便が復活。日本は経済的に重要な国」とチャンドCEO

2019年3月15日 就航

ロイヤルブルネイ航空が成田~バンダル・スリ・ブガワン線を就航した

 ロイヤルブルネイ航空は3月15日、成田国際空港~ブルネイ国際空港(バンダル・スリ・ブガワン)線を新規就航した。週3便の運航で、機材は150席仕様のエアバス A320neo型機(ビジネスクラス12席、エコノミークラス138席)。

 1974年に設立されたロイヤルブルネイ航空は、ブルネイ・ダルサラーム国のナショナルフラッグキャリアであり、ASEAN諸国を中心にオセアニア、ヨーロッパなどへ定期便を運航している。今回の就航で日本とブルネイを直行便で結ぶ唯一の航空会社となった。

 ASEAN加盟国のブルネイは天然資源に恵まれた豊かな国であり、野生の猿が暮らすマングローブ林などの手つかずの自然を手軽に体験することができ、さらには治安のよいのんびりとした街並み散策も堪能できる魅力にあふれた国。首都のバンダル・スリ・ブガワンでは、壮麗な黄金のモスクや、ブルネイ川に浮かぶ伝統的な水上家屋など、見どころが満載である。

 その初便就航に際して、成田空港で記念式典が開催された。

ロイヤルブルネイ航空の成田~バンダル・スリ・ブガワン線(エアバス A320neo型機)

BI696便: 成田(11時45分)発~バンダル・スリ・ブガワン(17時10分)着、水・金・日曜運航
BI695便: バンダル・スリ・ブガワン(00時35分)発~成田(07時30分)着、水・金・日曜運航

「日本とブルネイの直行便復活は両国にとって非常に重要な出来事」とロイヤルブルネイ航空のカラム・チャンドCEO

 来賓として臨席したのは、国土交通省 東京航空局 成田国際空港長の石井靖男氏、成田国際空港 代表取締役社長の夏目誠氏、ブルネイ・ダルサマール大使館 臨時代理大使のアディアン・マイディン(Azian Maidin)氏。式典開始前には国教がイスラム教であることから、イスラムの慣習に則り、式典とロイヤルブルネイ航空の安全を祈願して、インドネシア大使館のアカマド・ムニール(Akhmad Munir)氏が祈りを奉げた。

ロイヤルブルネイ航空 CEOのカラム・チャンド氏と新規就航記念式典の臨席者たちの記念撮影
式典開始前の、インドネシア大使館のアカマド・ムニール氏によるお祈り

 主催者あいさつに立った、ロイヤルブルネイ航空のCEOであるカラム・チャンド(Karam Chand)氏は、「本日皆さんは、ロイヤルブルネイ航空の成田への就航を祝う立会人となります。成田はロイヤルブルネイ航空にとって24番目の就航都市です」と述べ、「今朝7時30分に120名のお客さまを乗せて、無事に成田に到着しました。本日の機材は、ブルネイ・ダルサマールの観光を象徴する特別塗装機です。機内ではA320neo型機の新しいキャビンをご体験いただけて、機内エンタテイメントは1000種類以上のプログラムをお楽しみいただけます。世界トップクラスのクルーによるおもてなしもご堪能いただけます」とコメントした。

 さらに、「本日の就航によって、20年来の日本~ブルネイの直行便が復活しました。これは両国にとって非常に重要な出来事です。直行便は週3便、そして6月からは週4便に増便し、両国の観光、通商、発展の一助となるとともに、両国の絆をより強固にすると思います。

 2021年までには、昨年(2018年)5400人だった日本からのお客さまを直行便、およびコードシェア便を通じて年間1万8000人まで増やしたいと考えています。またブルネイや、そのほかの乗り継ぎをとおして日本を訪れるお客さまの数も増やしていきたいと考えています」という。

「2021年までには日本からのお客さまを年間1万8000人まで増やしたい」というロイヤルブルネイ航空 CEO カラム・チャンド氏
テープカット
搭乗が開始されゲートを抜けていく乗客たち
搭乗ゲートから見えたA320neo型機
成田からバンダル・スリ・ブガワンに向かい飛び立っていったBI696便。特別塗装機の「BRUNEI」ロゴの下には「ABODE OF PEACE」と記されていた

「日本とブルネイは長い付き合い」とチャンドCEOがブルネイを紹介

 式典前のプレスカンファレンスでチャンド氏は、「ロイヤルブルネイ航空は創立45周年で、さまざまな地域に就航しています。ブルネイはボルネオ島にある小さな国で、主に石油や天然ガスが生産物であることから、日本と長い付き合いがあります。

 ブルネイは大変平和な国で、国土全体に自然のリソースがたくさんありますので、天然の資源を活用した観光が大きな魅力になると思います。人は優しくフレンドリーな国民性です。

 なぜ日本(への就航)かと言えば、ブルネイにとって日本は経済的に重要な国だからです。日本への渡航者も増えています。ブルネイから見ても日本は魅力的なデスティネーションですので、日本への直行便は非常に意味のあることです。飛行時間は約6時間、シンガポールや香港の乗り継ぎに比べて、大きく時間を短縮できることができました。費用面でもお客さまの利便性が高まるのではないかと思っています」と述べ、ブルネイの紹介と直行便の就航理由について話した。

「ロイヤルブルネイ航空はA320neoを7機所有していて、機材の平均使用年数は約2年と非常に新しいです。この時期の就航としたのは、新しい機材となったことや、日本の4月は桜が美しくブルネイでも桜を見たいと思うお客さまが多いからです」という。

「ブルネイは東南アジアのベニスとも言われ、水上生活者がいたり、自然にも恵まれています。ダイビングスポットとしても非常に透明度が高いので、よい体験ができると思います」と語るチャンド氏

 続いて登壇したのは、ロイヤルブルネイ航空の日本地区総代理店であるディスカバー・ザ・ワールド 代表取締役の根来勇人氏。

「昨年(2018年)9月から営業を開始して、予約は順調に推移、大手代理店やリテールショップから多くの予約をいただいています。本日の到着便もエコノミークラス138席、ビジネスクラス12席のところ、ビジネスクラスが5席、エコノミークラスが127席でしたので、ほぼ満席に近い形でスタートしました。今日の出発便では、ビジネスクラスが5席、エコノミークラスが117席のご予約をいただいています。

 特に3月からは日本の桜のシーズンもあり、インバウンドのお客さまもかなり入っており、3月と4月はほぼ満席に近い占有率となっています」と搭乗者数や予約状況などについて語った。

「日本からのお客さまについては、ブルネイという場所が新しいデスティネーションであり、この直行便の就航で多くのお客さまをブルネイに運んでいきたいです。われわれは平均で80%の搭乗率を目指しています。日本のマーケットで、ブルネイをどうやって認知させていくのかは、旅行代理店とのタイアップで多くの旅行商品を発売していただくことや、デジタルメディアを使ってブルネイとロイヤルブルネイ航空の魅力を、常に発信していこうと考えています」と、営業方針についてコメントした。

ディスカバー・ザ・ワールドの根来氏は「3つのSNSを通しながら、またはWebサイトでのプロモーションなどをプランしています」と話す
バンダル・スリ・ブガワンから就航するデスティネーションが記されたのぼり