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ニューカレドニア観光局、「天国に一番近い島」を商標登録へ。「来れば天国を見つけられる」とモスラン局長
2019年3月6日 11:24
- 2019年3月4日 実施
ニューカレドニア観光局は3月4日、都内で会見を開き、「天国に一番近い島 ニューカレドニア」のキャッチフレーズを商標登録出願中であることを発表した。
原田知世の主演で映画化もされた作家・森村桂の旅行記「天国に一番近い島」。その舞台になったことをきっかけに、作品タイトルがそのままニューカレドニアのキャッチフレーズとして定着している。ニューカレドニア観光局 日本支局長の小早川薫氏は、日本で改めてブランディングを行なうのに際して、「まったく新しい言葉を使うと浸透に時間をかかるが、よく知られたこのフレーズならその心配がない」と理由を説明する。
新しいブランドロゴは、左側にフランス語で「nouvelle caledonie」と書かれた従来のロゴ、右側に日本語で「天国に一番近い島 ニューカレドニア」と書いた新しいロゴを並べて、組み合わせたものになっている。また、右側のロゴにはニューカレドニアに生息するブラックマンタとカグーのシルエットを描いた。
小早川氏はフレーズの選定理由について、そもそも「キャッチコピーとして認知度の高さ」があるという。アンケート調査では「ポジティブなイメージがある」という回答や、未訪問者でも「86.1%の人がこのフレーズを知っていた」こと、さらにフレーズ自体が「旅行のきっかけになった」といった回答が多かったことも選定理由になったと説明する。一方で、調査対象が20代以下になると「この調査で初めて知った」という人が3割超に増えることも指摘し、「マリンダイビングフェア」や「ツーリズムEXPO」など、ブランド普及のための活動も実施していくと述べた。
日本からニューカレドニアへの渡航者は、2017年がおよそ2万20000人。2018年は12月分の統計が出ていないものの、1月から11月までで約1万9000人となっており、暦年では2017年とほぼ同等の見込みという。局長のジャン=マーク・モスラン氏は、自然災害などで日本の空港でフライトのキャンセルがあったことも考慮すると、「これは大きな数字」だという。
本国における観光政策では「日本は重要な市場」であり、事実、訪問者数の1位は本国フランスだが、2位をオーストラリアと日本が毎年競い合っており、この状況をモスラン氏は「日本ではニューカレドニアの存在感は小さいかもしれないが、ニューカレドニアでの日本のプレゼンスは非常に大きい」と表現した。
世界中から訪れる旅行者について地元の人たちに聞くと、ほぼ間違いなく日本人に好印象を持っているそう。ニューカレドニアの主産業はニッケル採掘だが、明治・大正期にニッケル採掘のために日本人の移民があり、その子孫が今も暮らしているという歴史的な経緯もあって、地元住民に親日的な感情があるという。
モスラン氏は、「そんなつながりの深い日本人にもっとカレドニアに来てほしい。フランスとメラネシア(カナック)の2つの文化を持っているユニークなところや、手つかずの自然に触れてほしい」と述べ、キャッチフレーズについては「とても素晴らしいと思っている。天国からイメージするのは人それぞれ。ラグーン(礁湖)や自然など、来てもらえればそれぞれが感じる『天国』を見つけられるはず」と説明した。
また、首都ヌメアにあるホテル・ヒルトンが新しい2つのタワーを建設予定で、ヌメア郊外に新しいショッピングモールが完成するなど、「しばらく来ていない人なら変化に驚くはず。遠いイメージを持っている人もいるようだが、直行便で8時間、時差は2時間」として、フライトや時差が体力的に辛くないとアピールした。
会見の後半には女優の奈緒さんが登壇。NHKの連続テレビ小説「半分、青い。」でヒロインの親友役を演じており、4月14日に主演ドラマが放送される奈緒さんは、テレビの企画でつい最近ニューカレドニアを訪れたばかりで、そのときの写真を交えて印象を語った。
現地に到着したのは夜だったとのことで、朝起きてから部屋のカーテンを開いたときに見た「海に感動」したそう。「食べ物が美味しくて、現地の人も優しい。のんびりできた」と印象を話した。あまりにもくつろげたためか、「本当に天国はこういうところだと思うよ」という言葉がぽろっと飛び出したという。
そのときの模様は、3月31日15時からにBS12トゥエルビ「NEXT TRiP ~天国に一番近い島・ニューカレドニア編~」として放送される。