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セブ・パシフィック航空、11月25日から福岡~マニラ線をデイリー運航に

12月1日から日本支社マスコットの愛称を募集。その正体は未公開

2018年11月15日 実施

セブ・パシフィック航空 日本支社のマスコットキャラクター、ネコではなくてワシ(モザイクあり)だが、名前はまだない

 フィリピンのLCCであるセブ・パシフィック航空は11月15日、東京都内で記者説明会を実施し、同社が現在週4便で運航している福岡~マニラ線を、11月25日からデイリー運航にすると発表した。

 また、同社の日本支社の公式マスコットを制定し、同時に愛称を12月1日から募集開始すると明らかにした。

2018年上半期の日本路線の売上は前年同期比51%アップと急成長中

セブ・パシフィック航空 日本支社 支社長 松本知彦氏

 セブ・パシフィック航空 日本支社 支社長の松本知彦氏は「5月に日本支社を設立してから、日本路線は好調に推移している。2018年の上半期の日本路線の売上は53.5億円で、前年同期比で51%アップとなっている」と述べ、日本支社を立ち上げて日本市場により力を入れ始めた成果を示した。

2018年上期の日本市場

 同時に、11月14日に発表されたばかりの2018年第3四半期(7月~9月)のセブ・パシフィック航空全体の決算についても説明し、全体で売上高は346億円となり、そのうち日本の売上高は25.7億円となったと述べた。これは前年同期に比べて、会社全体10%増、日本は58%増、そして日本市場の占める売上率は5%から7%へと上昇と、いずれも好決算になっていると述べた。

セブ・パシフィック航空の第3四半期決算

 そうした好決算となっている背景として松本氏は、「最大の理由は便数が2017年に比べて増えたこと。例えばセントレア(名古屋)路線は週4便だったのがデイリーになり、乗客数は倍になっている」と述べ、各路線で便数を増やしたことが大きく影響しているとした。

 2018年第3四半期の平均搭乗率は、セントレア路線が88%、関空(関西国際空港)路線が85%、福岡路線が80%、成田はマニラ路線が76%、セブ路線が79%であることなどが明らかにされた。成田の特にマニラ路線がほかの路線に比べてやや低めになっている点について松本氏は、他路線がA320型機などのナローボディ機で飛ばしているのに対して、成田~マニラ線はA330型機というワイドボディ機で飛ばしているためで、座席の絶対数が多いため、搭乗率がやや低めになっているということだった。

日本市場の平均搭乗率
ネットワーク

 そうしたセブ・パシフィック航空だが、松本氏によれば「現在のネットワークはフィリピンに37都市、国際線26都市に飛ばしており、フィリピン国内と国際線で毎日107便、毎週2950便を飛ばしている」と述べ、現時点でフィリピン最大の航空会社に成長しているという。

保有機材

 それに合わせて保有機体の拡充も続けており、現在エアバス A321ceo型機が6機、エアバス A320型機が36機、エアバス A330型機が6機、ATR 72-500型機が8機、ATR 72-600型機が11機となっているという。このうち、A321ceo型機の6機目に関してはフィリピン時間の11月15日7時に引き渡されたばかりということで、機体のチェックなどが終了後に投入される。現時点では11月22日のマニラ~クアラルンプール線に投入される予定とのことだった。

12月1日からの成田~セブ線のデイリー化に先立って、11月25日から福岡~マニラ線をデイリー化

機材計画

 松本氏によれば、セブ・パシフィック航空では、2022年までに新しく44機を導入する予定とのこと。具体的にはATR 72-600型機を5機、エアバス A321ceo型機を2機、エアバス A320neo型機を5機、そして現在の主力機となっているA320型機の代替としてエアバス A321neo型機を32機導入する計画だという。松本氏は、「A321neo型機は航続距離が最大で7400kmとなっており、エルゴノミクスシートなどの導入などにより総重量が軽くなるほか、エンジンの効率もよくなり、A320型機に比べて航続距離が飛躍的に伸びる。このため、マニラ~ニューデリー線、マニラ~札幌線、マニラ~パース(オーストラリア)線といった、これまでのA320型機ではカバーできなかった都市に就航できる可能性がでてくる」と説明した。なお、札幌路線の開設に関しては機材の問題もあるほか、マニラ側の空港に空きスロットがあまりない状況もあり、現時点では開設の時期などの見通しは立っていないと説明した。

成田~セブ線は12月1日から、福岡~マニラは11月25日からデイリー化

 短期的な日本路線の強化という意味では、既に就航している都市の運航便数を段階的に増やしていくという。これまで週4便だった成田~セブ路線は12月1日よりデイリー運航に変更することが既に発表されているが、さらに11月25日より現在は週4便の運航になっている福岡~マニラ路線も、以下のスケジュールでデイリー運航になることが明らかにされた。

セブ・パシフィック航空の福岡~マニラ線(2018年11月25日~2019年3月30日)

5J923便:福岡(18時35分)発~マニラ(21時40分)着、月・水曜運航
5J923便:福岡(20時05分)発~マニラ(23時00分)着、火・木・日曜運航
5J923便:福岡(20時05分)発~マニラ(23時10分)着、金曜運航
5J923便:福岡(21時10分)発~マニラ(23時55分)着、土曜運航

5J922便:マニラ(13時05分)発~福岡(17時30分)着、月・水曜運航
5J922便:マニラ(14時25分)発~福岡(19時00分)着、火・木・金・日曜運航
5J922便:マニラ(15時25分)発~福岡(20時05分)着、土曜運航、

 曜日によって出発時刻が違うのは「福岡空港のスロットがタイトで、その調整に苦労した結果」(松本氏)とのとおりで、混雑空港の1つとされている福岡空港のスロットのなかで調整した結果、曜日によって発着時刻が異なる運航スケジュールになったと説明した。

 松本氏は、「本社でも日本路線は注目しており、売り上げも順調に推移している。日本からフィリピンへ、そしてその逆も伸びている。2018年1月~9月の日本からフィリピンへの渡航者数は48万人で、前年同期比に比べて7.2%増。フィリピンから日本へは35.4万人で20.9%の増加なっている。このようにインバウンド(フィリピンから日本へ)の伸びが顕著だ」とし、今後もインバウンド需要に関しては伸びる可能性があると説明した。

ベース料金
アドオンサービス
環境保護への取り組み

 また、価格に関して、同社はLCCということもあり、ベース運賃と預け入れ手荷物(2300円/片道)などを組み合わせて購入する形だが、プロモーション運賃をセール期間に販売しており、2018年の例では、11月25日からデイリー運航になる予定の福岡線は片道4000円というオファーをしているとのことだ。

日本支社のマスコットキャラクターを導入、12月1日から名前募集

 松本氏は、「弊社はまだ日本での知名度が必ずしも高くない。このため、会社を身近に思っていただけるようなプロモーションをしたいと考え、日本支社のキャラクターを導入する。まだ名前が付いていないので、これから一般公募する予定。12月1日から募集を開始したい」と述べ、同社が日本支社独自のキャラクターを導入し、その名前を公募することを明らかにした。

 ただし、現在はモザイク入りの姿が公開されているだけで、キャラクターそのものは非公開。12月1日に公開する予定で、「フィリピンに生息する絶滅危惧種『フィリピンイーグル』と友達になりたい日本のワシの女の子」という設定ということだ。なお詳細は、12月1日から同社のFacenookページや、Twitterで順次公開されていく予定とのことだ。

 最後に松本氏は同社の事業体制を拡張していることを説明し、旅行代理店へのGDS(Global Distribution System)としてインフィニを導入し、さらにIATA(国際航空運送協会)のBSP(Billing and Settlement Plan)に関しても導入を開始し、旅行代理店などの利便性を向上させているという。それにより、一般の旅行者がより予約しやすい体制を作っていきたいとした。