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トリップアドバイザー、新機能を実装。企業や媒体が情報発信に参加してソーシャル化

2018年11月14日 発表

トリップアドバイザーが新機能を実装した。写真はトリップアドバイザー株式会社 代表取締役 牧野友衛氏

 トリップアドバイザーは11月14日、全世界で新機能を実装して公開した。トリップアドバイザーは宿泊施設や観光スポット、航空会社などの情報とユーザー/施設オーナーによる口コミ投稿を掲載する旅行サイトで、宿泊時の価格比較や予約なども行なえる。

 新機能では、同社が「パートナー」と呼ぶ出版社やブランド、インフルエンサーが情報発信できるようになり、日本国内ではアニメツーリズム協会や東京都交通局、楽天トラベル、ナショナルジオグラフィック日本版、地球の歩き方、るるぶ&more.といった45(発表時点)の企業/媒体/ブランドが認証済みアカウントとなっている。

 また、従来から存在している個人ユーザー/施設オーナーに加えて、これら認証済みアカウントは、SNSのように「フォロー」できるようになった。新機能「トラベルフィード」では、既存のクチコミと写真に加えて、フォローした認証済みアカウントの記事などをもとに最適化された情報をホーム画面に表示する。例えば「京都」といった目的地の名称を入力すると、パートナーが作成した記事や動画、トリップアドバイザーによるランキング記事、ユーザーが投稿したクチコミや写真などのうち、京都に関連するものだけを抽出する。

 発表会に登壇したトリップアドバイザー 代表取締役 牧野友衛氏は、現在の旅行者の傾向として「『検索で上位に表示された結果だから』という理由で参考にしており、決定的な情報源がなかった」という。一方で、参考にした情報の上位3位は「テレビや本、雑誌」「人から聞いた話」「オンラインの情報」となっており、ほとんどの旅行者が出発前に旅先で立ち寄る場所を事前にリストアップしていると指摘。

 そこでトリップアドバイザーの新機能には、前述のトラベルフィードで見つけた情報を「リスト」機能でユーザーごとに保存するという仕組みが加わった。リストは自分だけの非公開にしたり、一緒に旅行に行く知人と共有したり、一般公開したりすることもできる。すべての投稿には位置情報が付加されており、リスト化した観光スポットを地図上でピン表示して旅程を検討するといった使い方ができるという。

発表会で登壇したトリップアドバイザー の牧野氏
発表段階での45のパートナー

 会場には代表的なパートナーとして、小学館「和樂」、JTBパブリッシング「るるぶ&more.」、ダイヤモンド・ビッグ社「地球の歩き方」から編集長らが招かれた。和樂 編集長の高木史郎氏は、「弊誌とトリップアドバイザーの社会的使命が一致していた。検討の余地なく参加すべきだと思った」と参画の経緯を説明。なお、トリップアドバイザーとパートナーの間では、今回の取り組みにあたって金銭の報酬などは発生していないという。同社は「フィードに表示される記事には元記事へのリンクも用意するので、流入が増える効果があるのでは」との見解を述べた。

代表的パートナーとして紹介された株式会社小学館 和樂 編集長 高木史郎氏
株式会社JTBパブリッシング るるぶ&more. 編集長 竹地里加子氏
株式会社ダイヤモンド・ビッグ社 地球の歩き方事業本部 本部長 奥健氏