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ツーリズムEXPOジャパン、「第4回ジャパン・ツーリズム・アワード」受賞者を発表。9月20日に表彰式

大賞は豪雪地域のDMOによる「真白き世界に隠された知恵に出会う」。JALの「どこかにマイル」がICT活用特別賞

2018年9月20日 表彰式

「第4回ジャパン・ツーリズム・アワード」の受賞者が決定した(写真は2017年に行なわれた第3回の表彰式)

 JATA(日本旅行業協会)は8月24日、東京・霞が関の本部において定例会見を開き、ツーリズムEXPOジャパン推進室 ディレクターの野口英明氏が「第4回ジャパン・ツーリズム・アワード」受賞者について説明した。

「ジャパン・ツーリズム・アワード」は、ツーリズムの発展と拡大に貢献、日本最大の総合観光イベント「ツーリズムEXPOジャパン」とのシナジー効果に寄与した、国内外の団体・組織・企業の持続可能な優れた取り組みを表彰するもの。

 分野は「ビジネス部門」「地域部門」「メディア部門」の部門別を横軸に、「国内・訪日領域」「海外領域」の領域別を縦軸に募集を行ない、優れた取り組みに対し「大賞」(1本)、「優秀賞」(3本)、「入賞」(各部門1~5本)が与えられる。また、第4回から「DMO推進特別賞」「ICT活用特別賞」「UNWTO倫理特別賞」を新設している。

 ちなみに2015年の第1回は「瀬戸内国際芸術祭実行委員会/瀬戸内国際芸術祭の開催による地域再生の取組」、2016年の第2回は「飛騨高山国際誘客協議会/官民協働での外国人観光客の誘致・受入」、2017年の第3回は「株式会社阿部長商店 南三陸ホテル観洋/『震災を風化させないための語り部バス』による地域交流活性化の取組」が大賞となっている。

ツーリズムEXPOジャパン推進室 ディレクター 野口英明氏

 2018年は3月1日から5月31日まで募集、過去最高261件(2017年は239件)の応募があり、UNWTO(国連世界観光機関)駐日事務所 代表の本保芳明氏が審査委員長を務める選考委員会による審査を経て、第4回の受賞者が決定した。表彰式は9月20日の「ツーリズムEXPOジャパン2018」開会式に続けて行なわれる。

「第4回ジャパン・ツーリズム・アワード」受賞者

大賞

団体名:一般社団法人雪国観光圏(国内・訪日領域 地域部門)
取組名:地域連携DMOによる新たなブランドづくり「真白き世界に隠された知恵に出会う」
評価のポイント:
 日本版DMOの先駆的な存在として、雪国の新たなブランドストーリーを3県7市町村が連携して構築するなど、持続可能な地域経営の取り組みで、成果を上げている点が評価された。また、地域に根付いた暮らしや文化など新たな価値を創造し、マーケティングにより明確な顧客ターゲットを設定、顧客ニーズにマッチした商品開発、品質管理などを徹底している点も評価された。

優秀賞

団体名:株式会社旅籠屋(国内・訪日領域 ビジネス部門)
取組名:日本初で唯一の MOTELチェーン「ファミリーロッジ旅籠屋」の全国展開による、車社会のインフラ整備と新しい旅行スタイルの提案
評価のポイント:
 クルマを利用した旅行者が気軽に泊まれる宿泊施設は新たなマーケットの拡大が期待される取り組みとして評価された。また、宿泊に特化した施設のため、利用者が周辺施設で食事や買い物を行なうことで、地域経済の活性化に貢献している点も評価された。

団体名:株式会社JTB 個人事業本部 海外仕入商品事業部(海外領域 ビジネス部門)
取組名:ホノルルフェスティバル
評価のポイント:
 日本とハワイの交流の象徴的イベントとしておよそ四半世紀にわたり継続的に実施されている。プログラムは常に進化を遂げ、企業の営業の枠を越え、地域社会に完全に定着したことが評価された。

団体名:株式会社陣屋コネクト(国内・訪日領域 ビジネス部門)
取組名:陣屋コネクトの活用による旅館改革への挑戦
評価のポイント:
 低生産性の典型とされる旅館経営の改善のための ICTを駆使した画期的プログラム。生産性向上、お客さまの満足度向上、従業員の働き方改革を同時に実現した。そのメソッドがほかの宿泊施設にも伝播、宿泊業界の活性化に寄与していることを評価された。

エクセレント・パートナー賞

団体名:タイ国政府観光庁(海外領域 地域部門)
取組名:タイ12の秘宝(12 Hidden Gems)
評価のポイント:
 バンコクを中心にリピーターが8割の日本からの訪問客に対して、新たな12の旅行先を提案する取り組みで、文化や自然に溢れた未知の魅力を提供したことで、旅行客の増加につながった点が評価された。

DMO推進特別賞

団体名:一般社団法人秩父地域おもてなし観光公社(国内・訪日領域 地域部門)
取組名:日本版地域連携DMO
評価のポイント:
 日本版DMOの役割や機能を踏まえた多岐に渡る事業展開により、着実に成果を生み出すなど、日本版DMOのモデルとして評価された。

団体名:一般社団法人八ヶ岳ツーリズムマネジメント(国内・訪日領域 地域部門)
取組名:日本版DMOの先に見える観光地域づくり
評価のポイント:
 日本版DMOの基本的な役割や機能である関係者間の合意形成を高く意識し、持続可能で豊かな観光地域づくりに取り組んでいる点が評価された。

ICT活用特別賞

団体名:日本航空株式会社(国内・訪日領域 ビジネス部門)
取組名:どこかにマイル
評価のポイント:
 少ないマイルで、どこかに行ける。思いがけず行った先でも、食事や観光が楽しめる。新たな観光需要を生むことで、空の旅の楽しみを増やした企画が評価された。

団体名:Fuji-sankei Communications Group(国内・訪日領域 メディア部門)
取組名:GaijinPot Travel
評価のポイント:
 Webを活用して、日本の魅力である文化・伝統を紹介することで訪日客から支持を得ている。さらに LGBTのニーズにも対応した新しい情報発信で、メディアにより新たな需要を創造した好例となっている点が評価された。

団体名:京浜急行電鉄株式会社(国内・訪日領域 ビジネス部門)
取組名:多機能翻訳アプリ「駅コンシェル」による外国人のお客さまへのおもてなし強化
評価のポイント:
 海外からの玄関口を営業路線に持つ鉄道会社として、利用する外国人客に対し、アプリなどICT、IoTを活用し、全駅で多言語による案内対応を行なっている点が高く評価された。ほかの運輸機関にも拡大することを期待。

UNWTO倫理特別賞

団体名:佐賀嬉野バリアフリーツアーセンター(国内・訪日領域 地域部門)
取組名:高齢者・障がい者・外国人などを含むすべての人をおもてなしするバリアフリー観光の取り組み
評価のポイント:
 2年連続の受賞。旅行を望むすべての人々のさまざまなバリアを下げる取り組みは賞賛に値する。今後、各地において確実に対応が必要となる分野であるとともに、マーケットの拡大が期待される社会性の高い取り組みとして評価された。

団体名:合同会社ルーツ&フルーツ「富士山ネイチャーツアーズ」(国内・訪日領域 ビジネス部門)
取組名:富士山の知られざる魅力に出会う自然旅行「富士下山」
評価のポイント:
「富士山を下る」、まさに発想の転換。下ることで、高齢者や障がい者でも富士山の自然や文化に親しむことができるようになった。富士山を舞台に新たな需要を創造していることを評価された。

団体名:株式会社JTB 熊本支店(国内・訪日領域 ビジネス部門)
取組名:伝える 学びのプログラム(熊本版)
評価のポイント:
 熊本の震災体験を伝えることで防災学習に寄与するとともに、訪問客を増やし、ツーリズムによる復興への道筋をつけた。震災を風化させない取り組みとして評価された。

団体名:クラブツーリズム株式会社(国内・訪日領域 ビジネス部門)
取組名:クラブツーリズムのトラベルサポーター制度
評価のポイント:
 一人ではスムーズに旅を楽しめない高齢者や障がいを持つ人の旅行をサポートするプログラム。トラベルサポーターも料金を負担することで参加者同士の一体感を生んでいることも評価された。

団体名:株式会社エイチ・アイ・エス ユニバーサルツーリズムデスク(海外領域 ビジネス部門)
取組名:【車椅子・杖で行く旅】みんなでチャレンジ!バリアフリー・ホノルルマラソン&10Kラン&ウォーク
6 日間
評価のポイント:
 ホノルルマラソンに参加したいが、障害を持つためあきらめていた人たちへの夢を実現した。現地のバックアップ体制も充実。ツアーを継続することで、生きる目標を創造している。

団体名:ピッキオ(国内・訪日領域 地域部門)
取組名:軽井沢の自然を未来に残すエコツーリズムの実践【2年連続受賞】
評価のポイント:
 森のおもしろさや不思議さ、価値を科学的な視点を用いて解説するエコツアーを通じて、森を後世に残していこうとする自然環境保全の取り組みとして評価された。さらに野生生物との共存共栄の仕組みを築くなど社会性の高い取り組みとしても評価された。

「ツーリズムEXPOジャパン2018」概要

開催日:2018年9月20日~23日(業界日が20日と21日、一般日が22日と23日)
会場:東京ビッグサイト(東京都江東区有明3-11-1)の東展示棟(東1~6ホール)/会議棟/西展示棟(西3ホール)、東京コンファレンスセンター・有明(東京都江東区有明3-7-18)
入場料(一般日):前売り券大人1100円/学生600円、当日券大人1300円/学生700円 ※保護者同伴の小・中・高校生と小学生以下は無料
Webサイト:ツーリズムEXPOジャパン2018