ニュース

韓国のLCC・チェジュ航空が関空~グアム線運航開始。就航式典にはミスグアムも登場

グアム旅行需要は回復傾向。夏休みに合わせて就航

2018年7月21日 就航

韓国のLCCであるチェジュ航空が関空~グアム線に就航

 チェジュ航空は7月21日、関空(関西国際空港)~グアム線に就航。関空発初便となる7C3172便の搭乗ゲート前で記念セレモニーを実施した。

 関空におけるグアム路線は2016年には週28便あった運航便が、2018年夏期シーズンには週14便へ減便。特に2017年に発生した北朝鮮問題の影響で、日本人の旅行需要が冷え込んだ。一方で、2018年夏シーズンにグアム線を大幅に減便したユナイテッド航空も11月から12月にかけて関空~グアム線の臨時便を運航する計画を発表。そのなかでのチェジュ航空の週6便運航により、それぞれ1日1便をデイリー運航するティーウェイ航空とユナイテッド航空の路線と合わせて週20便体制となる。しかも、夏休みの初日という、これから繁忙期を迎える時期に合わせた就航となった。

 ちなみに、そのほかの航空路線からも日本からグアムへの旅行需要回復は見て取ることができ、JAL(日本航空)が成田~グアム線の2018年夏期ダイヤでの期間増便を冬期も継続することや、ユナイテッド航空も冬期スケジュールで機材大型化やセントレア路線の週4便追加を発表するなど、全国各地とグアムを結ぶ路線の座席供給量も回復しつつある。

 運航は週6便で、機材はボーイング 737-800型機を使用。これにより同路線は月間で約5700席の供給座席数増となる。運航ダイヤは下記のとおり。

チェジュ航空の関空~グアム線(2018年7月21日~10月27日)

7C3172便:関西(10時10分)着~グアム(14時40分)着、月・火・水・木・土・日曜運航
7C3171便:グアム(15時40分)着~関西(17時55分)着、火・木・土曜運航
7C3171便:グアム(15時40分)着~関西(18時20分)着、水・金・日曜運航

チェジュ航空の関空~清州線(2018年7月21日~10月27日)

7C3172便:清州(07時00分)着~関空(08時40分)着、毎日運航
7C3171便:関空(19時20分)着~清州(21時00分)着、毎日運航

 今回の関空~グアム線は以遠権を用いたものとなり、同日就航した関空~韓国・清州線と合わせて、清州~関空~グアムという路線を開設し、関空においても旅客の取り扱いを行なう格好となる。以遠権を用いた運航はチェジュ航空としては初めて。同じ韓国のLCCであるティーウェイ航空が2015年から関空~グアム線を運航しているのと同様の仕組みとなる。

 チェジュ航空では、関空~グアム間については日本の旅客をメインターゲットにしているとしており、初便では、清州から関空までについては韓国発旅客がいるものの、関空からグアムまで利用するのは日本発の旅客のみとのことだ。

 片道運賃は通常6万円だが、7月21日時点で確認するとWeb販売による割引運賃は7月は1万4000円から、8月はおおむね2万円台から購入が可能となっている、また、就航発表からセールも頻繁に実施しているほか、グアム線については旅行代理店経由での販売座席数も多いという。

 予約率については、関空発初便は約96%。8月はおおむね80%台とのことで、LCCでは直前の予約も多いことから、引き続き販売を強化して90%台を目指す方針だ。

チェジュ航空は関空第1ターミナル4階のAカウンターを使用。2018年11月1日からは第2ターミナルへ移転する
関空発~グアム行き初便は6番搭乗口を使用
新規就航にあたってセレモニーや搭乗客への記念品配布が行なわれた
30分ほど遅れて清州からの7C3172便が到着。そのまま同じ便名でグアムへ向かう

 関空発~グアム行き初便の7C3172便は、清州からの到着が30分ほど遅れ、9時10分ごろに到着。その後、搭乗口でセレモニーが開かれた。

チェジュ航空 マーケティング総括責任者 常務取締役 カン・ソックン(KANG SEOKHOON)氏

 セレモニーであいさつしたチェジュ航空 マーケティング総括責任者 常務取締役のカン・ソックン(KANG SEOKHOON)氏は、「韓国でもっとも早く成長しているLCCとして、2009年3月に仁川(ソウル)~大阪(関空)線就航後、10年目を迎える、1日1便運航の10年前と違い、新たに就航するグアム線を加えて、大阪(関空)発は最大11便を飛ばすことになる」と、新規に就航するグアム線を説明。

 そして、「大阪路線を中心にさまざまな国と国の架け橋の役割を行ない、お客さまの期待に応えられるように新たな挑戦をしていく」との意気込みを語った。

グアム政府観光局 日本マーケティング委員会 会長 ウィリアム・デニス・ノルト(William Dennis Nault)氏

 続いて、来賓としてあいさつしたグアム政府観光局 日本マーケティング委員会 会長のウィリアム・デニス・ノルト(William Dennis Nault)氏は、「旅行そのものが、日本を含めて前向きな状況にあり、今回の大阪からグアム(の就航は)はグアムにとって非常によいこと。さまざまな経験や文化の共有ができるポジティブなことになると信じている」と就航への喜びをスピーチ。

 また、搭乗口前に集まった同便利用者に対して、「今回行かれる皆さまが思う存分楽しめるように、グアムでは皆さまを温かくお迎えしたい。いらっしゃった皆さまに感謝したい」と言葉を送った。

関西エアポート株式会社 副最高商業責任者(航空担当) 田中淳隆氏

 関西エアポート 副最高商業責任者(航空担当)の田中淳隆氏は、「グアムは、関空から約3時間半と、日本からもっとも近い南国のビーチデスティネーション。これから始まる夏休みシーズンに向け、家族や友人と一緒に旅行していただいて非常に楽しめる場所だと思う。魅力的なデスティネーションに就航いただけるのは空港としてもうれしい」と就航に対してコメント。

 続けて、「チェジュ航空の就航により、関空~グアム線は1日(最大)3便、週20便の充実したネットワークとなる。関西エアポートとしても、グアムが魅力的なデスティネーションとなるよう、関空からのお客さまを増やせるよう支援していく」との意向を示した。

 その後、登壇者を含めた関係者や、グアムから来日したミスグアムのアナンタ・グレース・パンゲリナン・ナウタ(Annania Grace Pangelinan Nauta)さんを交えての記念撮影や、同便に乗務するパイロットやCA(客室乗務員)への花束贈呈を実施してセレモニーは閉幕した。

関係者によるテープカットや、パイロットとCAへの花束贈呈が行なわれた
テープカットへの参加者。左から順にミスグアム アナンタ・グレース・パンゲリナン・ナウタさん、グアム政府観光局 日本マーケティング委員会 会長 ウィリアム・デニス・ノルト氏、チェジュ航空 マーケティング総括責任者 常務取締役 カン・ソックン氏、関西エアポート株式会社 副最高商業責任者(航空担当) 田中淳隆氏、グアム政府観光局 日本代表代理 金子宗司氏

 搭乗口では、搭乗開始までの間、ミスグアムと一緒に撮影できる時間が設けられ、家族連れやカップルを中心に、多くの人が記念撮影に集まっていた。そして、搭乗時には貝殻のレイや、初便搭乗記念品としてチェジュ航空のビーチボールをプレゼント。

 出発は到着の遅れをかなり取り戻し、10時15分ごろにスポットアウト。夏休みを楽しむ多くの家族連れらを乗せて、10時30分にA(06)滑走路からグアムへ向けて飛び立った。

ミスグアムとの記念撮影では、貝殻のレイをかけてもらって一緒に撮影できる
搭乗時にはチェジュ航空ロゴ入りのビーチボールを初便搭乗の記念品として配布。ミスグアムとの記念撮影をしなかった人にも貝殻のレイもプレゼント
初便搭乗記念のビーチボール
7C3172便の初便は189人乗りのボーイング 737-800型機、登録記号「HL7213」の機体を使用
この機体の垂直尾翼は、済州島の石をイメージしたデザイン
地上走行後、A滑走路から離陸。グアムへ向けて飛び立った