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日本政府観光局、ラグビーワールドカップ2019開催に向けた自治体・観光担当者らによるミーティングを開催

試合は北海道から九州まで全国12都市で開催、キャンプは約50カ所に

2018年6月25日 開催

JNTOはラグビーワールドカップ2019日本大会を1年後に控え、各開催自治体との連携を深め、日本各地の魅力を海外に向けてより広く発信することを目的に「ラグビーワールドカップ2019 開催自治体 観光担当者ミーティング」を都内で開催した

 JNTO(日本政府観光局)は6月25日、「ラグビーワールドカップ2019 開催自治体 観光担当者ミーティング」を都内で開催した。

 ラグビーワールドカップ2019(RWC2019)日本大会を1年後に控え、各開催自治体との連携を深め、日本各地の魅力を海外に向けてより広く発信することを目的に行なわれた。

ラグビーワールドカップ2019日本大会は訪日してもらうよい機会

 冒頭の開会あいさつでは、ラグビーワールドカップ2019日本大会・2020年オリンピック・パラリンピック東京大会観光戦略推進室 副室長の鈴木敏文氏がマイクを持ち「6月23日に行なわれた日本とジョージア代表による試合は完封で勝利いたしました。また、サッカーのワールドカップも盛り上がっているなかですので、世界三大スポーツといわれているラグビーのPRにもちょうどよいタイミングかと思います」と述べた。

 続いて、「ご存知のように2017年のインバウンドは2869万人を数え、今年に入っても15%ずつ伸びを見せているので、政府が掲げている2020年までの訪日外国人旅行者数4000万人の目標は十分射程圏内に入っていると思います」と、訪日外国人旅行者数が伸びていることを紹介。もう一つの目標である消費額については、「2020年に8兆円という大きな目標があります。現状では1人当たりの消費単価が15万円ですので、これを20万円に伸ばせると、目標である8兆円に届く数字になります。現在、日本政府観光局としてもこの消費単価を上げるということに力を注いでいます」と話し、力を入れていく旨を語った。

 この目標達成のためには、滞在期間が長く、消費単価が高い欧米豪からの旅行者の拡大や、地方への誘客の促進に向けた取り組み強化が不可欠とし、来年行なわれるラグビーワールドカップ2019日本大会は絶好のPR機会であると話した。

日本政府観光局 ラグビーワールドカップ2019日本大会・2020年オリンピック・パラリンピック東京大会観光戦略推進室 副室長 鈴木敏文氏

ラグビーワールドカップ2019は12都市で開催

 続いて、ラグビーワールドカップ2019組織委員会 開催都市業務局 局長の加藤雅広氏が大会の概要や想定されることについて語った。大会は2019年9月20日から11月2日までの約6週間と長期にわたる。これは15人制の競技の性質上、休養期間をとる必要があるため。試合は全部で48試合あるが、当然試合が行なわれない日も含まれるので、来日したファンが観光をするのにはよいチャンスとなる。

 試合会場は北は北海道から南は九州まで、全国の12都市で開催され、キャンプは約50カ所で行なわれる。そのため、試合会場の移動などによる都市から都市への移動は日本をPRするうえでまたとない機会となる。また、ラグビーワールドカップをラグビー伝統国以外で開催するのは初めてのことだそうだ。

 ラグビーファンはイングランド、アイルランド、オーストラリアやニュージーランドから多くのファンが来ることが想定されるが、観戦スタイルはビールを飲みながらということが多く、以前日本で行なわれた試合では開始早々にビールが売り切れたこともあり、その辺りの準備もしっかりする必要があることも強調していた。

 10月27日に横浜の日産スタジアムで開催する「キヤノン ブレディスローカップ2018」(ニュージーランド代表 対 オーストラリア代表)では多くの外国人ファンが来日すると想定されるので、ぜひとも注目してもらいたいとも語った。

ラグビーワールドカップ2019組織委員会 開催都市業務局 局長 加藤雅広氏

JNTOが計画している今後のプロモーション活動と調査結果

 ラグビーワールドカップ2019を契機としたプロモーションについては、ラグビーワールドカップ2019日本大会・2020年オリンピック・パラリンピック東京大会観光戦略推進室の大庭重久氏が詳細を語った。

 まず、ラグビーワールドカップの基本情報を紹介。外国からの来場者数については、2011年にニュージーランドで開催された時は13万人、2015年のイングランド大会では42万人、今回の日本大会では40万人と見込まれている。また、テレビ観戦は5億、オンライン観戦は8億に達するなど、会場外においても注目度が高く、視聴されているとのことだ。

日本政府観光局 ラグビーワールドカップ2019日本大会・2020年オリンピック・パラリンピック東京大会観光戦略推進室 大庭重久氏
ラグビーワールドカップの基本情報を表示したスライド

 次にアンケート調査した内容を発表した。アンケートは2017年末から今年の1月にかけてイギリスでラグビーファンにアンケート調査したもので、サンプル数は1000。それと、今年3月にアイルランド、フランス、イタリア、オーストラリア、ニュージーランドでオンライン調査したもので、こちらは2000サンプルとなっている。そのなかで訪日意向については、イタリア、フランス、オーストラリア、ニュージーランドでは30%が非常に興味があると答え、やや興味があるも加えると62.3%と高い数字になった。一方、イギリスにおいては6%と低く、まだまだプロモーションの余地があるとのことだ。そのなかで訪日意向だと答えた人の9割近くが日本に訪れたことがない人たちで、ラグビーワールドカップが初来日になる。

 旅行の検討時期につていは、2018年6月から2019年1月にかけてが22%となっており、直前になってから計画する人は15%という数字が出ていた。このことからプロモーション時期に関しては、今年の年末から来年にかけて行ない、4月や5月にもPRすることで来日意欲を高めることができるのではないかとしている。

 同行者と滞在日数については、パートナーまたは配偶者とが36%ともっとも多く、続いて友人のグループが30%となっており、一人旅は6%と少ない。滞在日数は14~20日間とする人が35%ともっとも多く、7~13日間が25%で続いており、平均で2週間程度になると予測している。

 日本滞在中の活動意向につていは、日本が初めてという結果からも名所や史跡訪問、日本ならではの食体験などが関心を集めているとのことだ。

 ラグビーワールドカップに関する情報取得については、テレビを情報源と答える人が34%ともっとも多く、ファンの年齢層が高いということもあって新聞と答える人もいるそうだ。SNSについては、Facebookが60%弱となり、Twitterが30%ほど、Instagramが約10%となっており、Facebook上での広告やプロモーションが有効ではないかと考えているそうだ。

 今後のプロモーションについては、Webサイトの情報拡充やラグビーイベントに合わせた観光情報の発信、組織委員会と連携した情報発信で東京大会をきっかけとした訪日旅行の促進を図っていく。その一つとして、「VISITJAPAN 2019」でWhat's Newの充実を図るとし、Itineraries(旅程)についても各自治体の紹介ページにジャンプできるようにしていきたいとしている。そのほか、海外メディアの招請、レジェンドプレイヤーを活用したPR映像の制作、オンライン広告の配信、来日中のメディアに対するファムトリップ(現地視察ツアー)の開催、日本を象徴する建築物や場所の動画や写真を提供していく考えを示した。

今後のプロモーション計画