ニュース
ラトビア、建国100周年記念セミナー。「MAGNETIC LATVIA」のキャッチコピーでさまざまなイベントを予定
首都のリガはバルト三国一の大都市
2018年3月27日 17:06
- 2018年3月15日 開催
ラトビア共和国の貿易や観光プロモーションを行なっているラトビア投資開発公社は駐日ラトビア共和国大使館(東京都渋谷区)において、「ラトビア独立100周年記念セミナー」を開いた。
セミナーでは、同国の独立100年を記念して実施されるさまざまな文化イベントや、新しい旅行商材を参加者に紹介した。
セミナー開催に先立ち、特命全権大使であるダツェ・トレイヤ=マスィー閣下が「ラトビアにとって2018年は独立100周年という大事な年です。1991年からラトビアと日本の外交関係が始まりました。今年の1月にはラトビアの首都リガに安倍晋三首相が訪問しています。日本からの渡航者数は増えており、2017年には2万4000人が訪れてくれました。ラトビアでは外国からの観光客を歓迎しています。サマーシーズンだけでなく、どの季節でも楽しめます。首都のリガだけでなく、魅力ある郊外の町も存在します。また、バルト三国を旅するとバルト三国の文化だけでなく、ヨーロッパの文化も楽しむことができます。
経済においては、現在のラトビアはEUでもっとも成長している国の1つであることから、ビジネスのスタートアップにも最適です。とくにITインフラが整備されており、リガはヨーロッパの『Wi-Fiキャピタル』と呼ばれています。バルト三国は日本の皆さんにとっても新鮮で面白い旅行先となっています。ラトビアは日本の皆さんを歓迎しています」とあいさつした。
セミナーではまず、現在のラトビアについての概要が紹介された。日本からの旅行者は年々増えており、2017年には2万4576人となっている。また、宿泊者数も増えており、こちらは3万3103人泊となっている。従来はパッケージツアーでバルト三国を巡るといったものが多かったのだが、最近では個人旅行でラトビアに長期滞在する人が増えてきている表われではないかとのことだ。
公用語はラトビア語だが英語が通じ、通貨はユーロ、国土は4つの州に分かれ、全体の面積は北海道の6割ほどである。冬は寒冷であるが、夏は気温が20℃を超えるなど四季がはっきりしているのも特徴。街歩きのほか、郊外には古城や宮殿などもあり見どころは多く、伝統文化や伝統工芸、日本人の口に合う食事、夏は自然のなかでのアクティビティ、冬はスパ・サウナ(ラトビアでは「ピルツ」と呼ぶ)などもあり、日本人にも好評とのこと。
首都であるリガは、1997年に旧市街「リガ歴史地区」がユネスコ世界文化遺産に登録され、多くの観光客が訪れている。約1.2km×700mのコンパクトなエリアに、独立を記念した自由記念碑や、高さが121mある聖ペトロ教会、世界最大級のパイプオルガンを擁するリガ大聖堂や様式の異なる建築物が並んだ建築博物館など多くの観光名所があり、短時間で堪能することができる。都市から少し離れた場所にはヨーロッパでもっとも古くて広い敷地を持つ、ラトビア民族野外博物館などもある。
リガのあるヴィゼメ州の郊外には古城や自然豊かな渓谷があり、バスで1~2時間移動するだけでのどかで美しい景色を楽しむこともできる。ラトビアの西に位置するクルゼメ州には、歴史的建物が数多く残り、ドラマや映画のロケ地としても有名なクルディーガがある。
まだ日本にはあまり知られていない場所としてラトガレ州も紹介された。こちらの州はラトビアの南東に位置し、州都はダウガウピルスという街になる。聖地と呼ばれているアグロナ大聖堂で毎年8月15日に行なわれる「マリアの被昇天のお祝い」には、各地から何万人もの巡礼者がヨーロッパ各国から訪れるそうだ。2018年はローマ法王も訪問する予定になっており、注目されているとのことだ。
宿泊施設はマナーホテルや5つ星ホテル、農家のファームステイなどが数多くあり選択肢は多い。伝統工芸品としてはミトンの手袋が有名であり、日本からの女性旅行客にとても好評なグッズとして紹介された。昔は花嫁道具として何百組も持参し、模様もバリエーションが非常に豊富で、その模様で出身地が分かるなど、ラトビア文化の一つであるとのことだ。そのほか、最新の旅行情報は、ラトビア投資開発公社の観光案内サイトで紹介されている。
続いて現地の詳細な情報を、ラトビア投資開発公社の日本代表である、アリナ・アシェチェプコワ氏が紹介した。
ラトビアは1918年11月18日に建国されたが、その後は旧ソビエト社会主義共和国連邦やナチス・ドイツの占領下にあった。1991年8月21日に独立回復してからは、2004年にNATO(北大西洋条約機構)とEU(欧州連合)に加盟、2014年にはユーロを導入、2016年にはOECD(経済協力開発機構)に加盟し、2018年の今年は建国100年を迎える。
ハンザ同盟の都市の一つとして文化や貿易の町として発展してきた首都のリガは、800年の歴史を持つ伝統都市でもある。100周年イベントではさまざまな催しが予定されているが、2018年だけでなく、2021年まで3年間続くプロジェクトになるとのことだ。
リガはバルト三国でもっとも大きな都市であり、美術館や博物館が多いのも特徴。ラトビア国立博物館をはじめ、100周年イベントに関連して趣向を凝らした展示も見どころの一つ。また、アメリカの画家であるマーク・ロスコは生まれ育ったのがラトビアということもあり、マークロスコアートセンターではヨーロッパ随一の作品数を所蔵しているとのことだ。スポーツではリガマラソンが有名であり、毎年約3万人のランナーが集まって旧市街をさっそうと走り抜けていくとのことで、日本の皆さんにもぜひ参加してほしいとアピールした。
お祭りでは、オペラフェスティバルや夏至祭などがあり、変わったものとしてアーティストとサイエンティストがコラボしたネイチャーコンサートホールが紹介された。これは、自然を知るというコンセプトで、郊外の森や湖畔といった場所で音楽と趣向を凝らしたライティングをリラックスしながら楽しむことができる。そして、2018年もっとも大きなイベントとして「第26回 全国歌と踊りの祭典」があり、6月30日から7月8日までの間に全国から合唱団などが集まって市内は最高の盛り上がりになるそうだ。そのほか、リガ市の誕生を祝うリガ市フェスティバルが8月に、リガ市ライトフェスティバルが11月に予定されている。
ホテルについては、リーズナブルなホテルから5つ星ホテルまで揃っているので、さまざまなニーズに応えられるという。高級チェーンでは、「Radisson Blu」や「Rixwell Hotels」が人気であり、「Opera Hotel & Spa」や「Hotel de Roma」も評判になっている。最近人気になってきているブティックホテルとしては、「Dome Hotel & Spa」「Hotel Bergs」「Hotel Relais le Chevalier」「Hotel Neiburgs」が紹介された。
ラトビアの食事については、ロシアやドイツ、スカンジナビアの影響を受けており、燻製や煮込み料理が伝統的なものになっている。リガではヨーロッパ最大規模のリガ中央市場で新鮮な食材が揃い、伝統料理のほか、フレンチやイタリアン、和食など、レストランのバリエーションも豊富なので、嗜好に合わせてフレッシュで美味しい料理を楽しめると話した。また、コーヒーや紅茶を楽しむ習慣もあるので、おしゃれなカフェを観光がてら回ってみるのもよいとのことだ。
ショッピングでは、ラトビアの伝統工芸品や編み物や織物、手作りアクセサリーなどがあり、最近増えてきているモダンなリネンショップや食器ギャラリーなども人気とのこと。ファッションブティックも新しく洗練されたものが増えており、最近できたショップ「BOLD」ではバルト三国のファッションやアクセサリーが店頭に並んでいる。
セミナーの最後には、リガ国際空港内にオープンした「MAGNETIC LATVIA ビジネスセンター&ラウンジ」が紹介された。こちらはラトビアの情報や観光案内をはじめ、デザインやインテリアが展示されているショールームになっている。ラトビアに訪れた際は、ぜひこちらにも足を運んでもらいたいと話した。