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ジャルパックが企画したJ-AIRの「ボンバルディアCRJ退役記念チャーターツアー」。初日は伊丹空港にほど近い格納庫から
2017年12月27日 10:09
- 2017年12月26日~27日 実施
J-AIR(ジェイエア)は17年間運航したボンバルディア CRJ200型機を2016年から順次退役させており、2018年1月の残り2機をもって、9機すべてが退役する。それに先駆けて12月26日~27日の2日間、ジャルパックが企画した退役記念チャーターツアーが開催された。
ツアーは11月下旬に募集人数35名で発売され、初日は格納庫で機体見学、宿泊先でJ-AIR関係者によるトークショーを実施し、翌日は実際にCRJ200型機に搭乗。関西~大分間の往復を、名古屋・小牧空港上空や広島西飛行場上空など、ゆかりの地を巡りながらフライトするというもの。なお、ツアーチケットはわずか1時間でソールドアウトしたという。
格納庫で機体見学
その初日、伊丹空港にほど近い格納庫(大阪航空機整備センター)に駐機していたのは登録記号JA208Jの8号機で、2005年12月16日に登録されたもの。残るもう1機は登録記号JA209Jの9号機で、この両機が2018年1月に退役する。参加者は4班に分けられ、整備士とパイロットから機体内外の説明を受けていた。
関係者の説明で印象的だったのは、CRJ200型機は小さな機体のため、ウイングレットによる燃費削減効果はあまりないとのことだが、見栄えのよさなどもあって設けられており、しかも“もともとまっすぐな主翼を折り曲げてウイングレットにしている”という。近くで見ると、確かに主翼下側の湾曲とウイングレット外側のカーブは同じだ。
また、大型機は着陸時に主翼のスラットとフラップが展開して揚力を稼ぎ、低速で滑走路へ降りていくが、CRJ200型機にはスラットがないため、ある程度の高度まで機首を下げて“つんのめるような形で”滑走路へ降りていくという。そのため、大型機に慣れたパイロットがCRJ200型機の訓練を受けると、非常に面食らうそうだ。
ホテルでJ-AIR関係者によるトークショー
格納庫での機体見学を楽しんだあとは、翌日のチャーターフライトに備えて関空近くのホテルへ移動する。ホテル宴会場ではJ-AIR関係者によるトークショーのほか、賞品の当たるクイズ大会やじゃんけん大会が開かれた。
トークショーでは、機長の小堺康弘氏と荻嶋英一氏、CA(客室乗務員)の渡邉有美子氏と牛澤菜穂子氏、整備士の石丸勝久氏の、いずれもCRJ200型機に携わった経験を持つスタッフが登壇。「CRJの苦労話」「CRJの豆知識」「CRJの感動秘話」「CRJへの想い」をテーマにそれぞれがエピソードを披露した。
例えば、CRJ200型機はステアウェイ(ドアがタラップを兼ねている構造)なので、どこにでも着陸、乗り降りが可能で、飛行場が打撃を受けた東日本大震災でもCJR200型機は活躍したという。
そのタラップ関連では、オープンスポットで乗客の搭乗を待つ間、雨や雪の日は階段部分に水がたまり、ドアクローズ時にCAが水を浴びることがよくあるという。なれると「身をかわすタイミング」が分かるようになるそうだ。
寒い日のエピソードとしては、APU(補助動力装置)の排気口は通常、機体の最後部にあるが、CRJ200型機では右側面後部に排気口がある。雪の日などに機長が外部点検を行なう際、左前のドアから降りて時計回りに右側面後部に向かい、APUの排気口で暖をとってから続きの作業を行なっていると明かし、会場は大きな笑いに包まれた。