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自動で追いかけるスーツケース「Travelmate」が国内発表

2018年2月予約開始、4月発売へ。Sサイズ12万6000円~

2017年12月4日 発表

自走するスーツケース「Travelmate」

 トラベルメイト・ロボティクス(Travelmate Robotics)は12月4日、日本で記者発表会を開き、モーターにより自走するスーツケース「Travelmate」を披露した。内蔵するモーター、カメラ、そのほかセンサーを用いてユーザーを自動で追いかけることができ、ユーザーは手ぶらで旅行を楽しむことができる。

 サイズはS(55×20×40cm)/M(69×29×49cm)/L(75×31×52cm)の3種類あり、価格はそれぞれ12万6000円、14万9000円、17万6000円を予定(いずれも税別)。カラーバリエーションはブルー、ブラック、ピンクの3種で、公式ECサイトで2018年2月から予約を開始し、4月に発売する。

スーツケースの内部(Sサイズ)

稼働時間は最長4時間。自動でユーザーを追従

「Travelmate」は、クラウドファンディングで約80万ドルを集めた自走式スーツケース。専用スマートフォンアプリ(Android/iOS対応)を用いて、Bluetooth経由で設定や指示を行なうことで、内蔵バッテリとモーターにより車輪を回転させて移動する。直立した状態でも、寝かせた状態でも自走可能で、内蔵カメラやセンサーを活用し、ユーザーを認識して自動で追いかけたり、ユーザーがジェスチャーなどで指示したりできる。

ユーザーを追いかけて移動する

 アプリから解錠・施錠をコントロールできるほか、解錠のための鍵を家族・友人らとシェアする機能を備える。スーツケースに埋め込まれた1670万色以上発色可能なLEDライトを、アプリからさまざまなパターンで光らせるイルミネーション機能や、スーツケースの重量を確認できる機能もある。2ポートあるUSB端子は、スマートフォンなどの充電に使用可能。

イルミネーションをさまざまに光らせることができる

 GPSタグが付属しており、Bluetooth通信と併用することでスーツケースの現在地や最終把握位置を知ることも可能。さらにスピーカーも内蔵しており、ユーザー(アプリ)からの指示に音声で応答する仕組みになっている(多言語化も検討されているが、発売当初は英語のみの見込み)。

専用スマートフォンアプリから設定やコントロールが可能

 自走時の速度は最大9km/hで、最長4時間の連続稼働が可能。容量は23kgまで。内蔵するリチウムイオンバッテリの容量は9Ahとのことだが、販売時にはスーツケースのサイズバリエーションによってバッテリの容量も変わることになるとしている。

 バッテリの出力値も現在のところ不明で、航空機に持ち込めるリチウムイオンバッテリの制限範囲内に収まるかどうかは、現在細かい仕様を詰めている段階とのことで回答が得られなかった。また、段差を乗り越えることができるとしているものの、乗り越えられる高さは「シチュエーションによる」とし、数値は不明。耐久性に関しても詳細情報は非公開となっている。

Travelmateが持つ代表的な機能

 次にリリースされるTravelmateのソフトウェアの新バージョンでは、AI機能が搭載される予定とのこと。将来的にはこのAI機能を応用して、ユーザーの行動パターンなどを学習したうえで疾患の有無を検知し、病院に通知するといったヘルスケア機能の実装も目指す。そのほか、内蔵カメラで自宅の監視をできるようにするなど、さまざまな分野での活用を目指していきたい考えだ。

将来的には医療やセキュリティにかかわる分野への応用を目指す
来日したトラベルメイト・ロボティクスの代表 マックス・ミクシリアン氏。電話機から歴史的な進化を遂げたスマートフォンを例に、このTravelmateも旅行のスタイルを大きく変えうる製品だと話した