ニュース

退役間近の青い「ジンベエジェット」が展示された「美ら島エアーフェスタ2017」

“ヒゲの隊長”こと佐藤正久 外務副大臣が視察

2017年12月9日~10日 開催

JTAの「ジンベエジェット」(手前)と、航空自衛隊のF-15J戦闘機(奥)は。このF-15J戦闘機のさらに奥にANAが旅客機を展示する予定

 那覇空港に隣接する、航空自衛隊 那覇基地(沖縄県那覇市字当間)は、航空祭「美ら島エアーフェスタ2017」を12月9日~10日に開催した。初日となる9日の模様は関連記事(ピンクの「さくらジンベエ」が展示された「美ら島エアーフェスタ2017」)で紹介したとおり。本記事では10日の日曜日の模様をお届けする。

 日曜日の天気は予報どおり晴れ。土曜日は午後に曇りとなったものの、当初の雨予報からは大きく天候が回復し、土曜日、日曜日とも大勢の来場客が訪れた。

JTAは約束どおり、青い「ジンベエジェット」を展示

 土曜日にピンクの「さくらジンベエ」を展示したJTA(日本トランスオーシャン航空)は、予定どおり日曜日に青い「ジンベエジェット」を展示。青いジンベエジェットは、ボーイング 737-400型機ベースの「ジンベエジェット」と、JTAが導入を進めているボーイング 737-800型機ベースの「新ジンベエジェット」とがある、展示されたのは前世代となるボーイング 737-400型機ベースのものだ。このボーイング 737-400型機ベースの「ジンベエジェット」は退役が決まっており、おそらく2018年の航空祭では見ることができないだろう。そういう意味でも大切な機会となっていた。

 この「ジンベエジェット」前には、JTAのスタッフが常駐。土曜日の2人から3人へとパワーアップしており、手書きのスペック表まで登場した。また、パネルもさくらジンベエからジンベエジェットのものとなっており、記念撮影対策も抜かりない。記念写真のお手伝いなど行なっていた。

写真撮影や機体解説を行なうJTAスタッフは、3名になってパワーアップ
手書きのスペック表が新たに登場した
お約束の正面ジンベエショット
各種アンテナ類
ジンベエジェットを撮影していると
土曜日は展示されていた「さくらジンベエ」が路線で就航中
青いジンベエと入れ違いで働いていた(?)ということか
こちらは「新ジンベエジェット」。土曜日と変わらず、北に東に活躍中

 日曜日はANA(全日本空輸)も展示を実施。午後から展示が開始された。

 また、海上自衛隊コーナーもパワーアップ。土曜日は、となかいさん1匹にサンタさん1人だったが、日曜日はサンタさんが1人増え3人体制に。こちらも顔ハメパネルや記念撮影のお手伝いなどを行なっていた。

海上自衛隊コーナーも、サンタさんが増えるなどパワーアップ
両手に花のトナカイさん

 かぶり物に関しては、那覇基地に所属する第304飛行隊の天狗様や、CH Jr.を見かけることができた。編隊飛行(走行)などを行なうブルーインパルス Jr.の知名度は上がっているが、CH Jr.は単独飛行を続けているためか、知名度はこれからだろう。ちなみに、CHとは陸上自衛隊が採用しているCH-47Jヘリコプターに由来するようだ。

「CH Jr.」と呼んでくれとのこと
こちらは展示飛行を行なうCH-47J
天狗様も登場。「天狗道」というのがあるらしい
ステージの軍楽隊コンサート。といっても、親しみやすさを意識してか、ポピュラーコンサートの雰囲気
エプロンにいるだけで、いろいろな飛行機の離着陸シーンを見られる
よく見るとパイロットが手を振ってくれている

土曜日はスクランブルが10回、最前線が感じられる航空祭

「美ら島エアーフェスタ2017」を視察していた佐藤正久 外務副大臣。多くの人から記念写真をリクエストされていた

 この「美ら島エアーフェスタ2017」を視察していたのが、“ヒゲの隊長”で知られ現在は外務副大臣を務める 参議院議員 佐藤正久氏(自由民主党 国防議連事務局長)。非常に知名度が高く、多くの人が一緒に記念撮影を撮っていた。

 JTA、ANAなど民間企業が展示などに参加することについては、「那覇基地の航空祭は、警察、消防、陸上自衛隊、海上自衛隊、航空自衛隊、海上保安庁とみんなで一緒にやっている。そこに多くの企業が参加してくれるのはよいこと。みんなでやっていくことが大切」と語った。

 この那覇基地の航空祭では、那覇基地が国内の主要空港である那覇空港と滑走路を供用するため展示飛行が少なくなっている。さらに、近年は日本の領空に国籍不明機が迫ることが増えているためスクランブル(緊急発進)が増加。かつては、北海道、北陸中心だったスクランブルが沖縄でも非常に増加している。これについては、「土曜日は10回のスクランブルが行なわれた。日曜日はすでに午前中に1回スクランブルを行なっている。そういう意味で、最前線が感じられる場所になっている」とのこと。実際、土曜日については、F-15Jの展示飛行は14時以降にしか予定されていなかったものの、朝から2機編隊でのスクランブルが頻繁に行なわれ、ほかのどの航空祭よりもF-15Jの離着陸が見られるものとなっていた。

 インバウンドの増加と航空路線の強化で観光需要が急速に伸びている沖縄ではあるが、一方でスクランブルも増加しており、民間機と戦闘機が交互に頻繁に飛び立つ状態は、日本のほかの軍民共用空港とも違うものだ。「美ら島エアーフェスタ2017」として、よりイベント性を増しつつあるが、その一方でいろいろ考えさせられる部分の多い航空祭となっている。