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日本旅行業協会、2017年度の事業骨子やGWの旅行先人気エリアなど発表
2017年度最初の定例会見
2017年4月13日 00:00
- 2017年4月6日 定例会見開催
JATA(日本旅行業協会)は4月6日に開いた定例会見において、2017年度の事業骨子と、ゴールデンウィークの旅行動向調査の結果などについて説明した。
JATA 理事・事務局長の越智良典氏は、年度最初の定例会見ということもあり2017年度の事業骨子について、旅行会社の団体としてあらためて「旅行会社の真価の発揮」という言葉を掲げ、取り組んでいくとした。
この背景には、2016年度と比べて国内外旅行の市場は復調傾向にあるものの、市場の伸びに対して旅行会社の取り扱い額の伸びが追い付いておらず、これはパッケージツアーなどから個人旅行へ流れていること、既存の旅行業界外や海外からの新規プレイヤーの参入などによる影響だと指摘。旅行会社ならではの魅力ある企画を立て、発信していかなければならないと、「旅行会社の真価の発揮」という言葉を選んだ理由を述べた。
海外旅行については、「アウトバウンド促進協議会」の新設で、旅行会社の企画や斡旋などを通じて旅行会社の「原点の力」の見直しを図っていく一方、送客の拡大や取り引きの拡大について覚書を交わしているタイ、マレーシア、オーストラリア、ハワイ、アメリカ、ウズベキスタン、フランスなどと協力して、日本人の海外旅行を促進していくとした。
中国は2017年に日中国交正常化から45周年になるが、政情不安などから中国側は大々的な旅行に関わる行事をやる雰囲気ではなく、「共産党の9月の人事が終わってからになると思う」とし、2018年が平和友好条約40周年にあたるので、2017年~2018年の2年というスパンで相互交流人口の増加を図っていきたいと説明した。
韓国については日本からの観光客は回復傾向にあるが、政情不安が続き、中国と韓国のミサイル配備問題もあり、中国人の観光客が韓国にほとんどいかなくなっている状況のため、その減った分を日本人観光客に埋めてほしいという韓国からの期待・要望が高い状態だとのこと。「韓国の政権が今後どうなるかは不透明だが、こういうときこそ民間交流が大事と思い、期待に応えるよう取り組んでいきたい」と話した。
国内旅行については、あまり大きいイベントがない2017年であるものの、プレミアムフライデーが始まったほか、年間を通じて日本遺産、国立公園など、観光庁でやろうとしているテーマに協力しながら、旅行商品を増やしていきたいとした。
オリンピック・パラリンピックについては、ロゴの使用規定が厳しいため、スポンサー以外の旅行会社としてはなかなか旅行商品にはつなげづらい状況とのこと。ただし、この契機に文化プログラム20万件の登録を目指して盛り上げていこうと、“日本文化の魅力を発信するとともに、2020年以降を見据えたレガシー創出のための文化プログラム”「beyond2020プログラム」が始まっているので、そこと絡めた形でつなげていける展望だと説明した。
旅行業界の人材確保については、業界内で「働き方改革」に関わるよい例を集めて表彰する、といった取り組みなどを検討しているとのこと。若い人材に志望してもらって、いきいきと活躍してもらうための環境づくりを進め、「インターンシップなどよい人材に来てもらうための仕組み、仕掛けを作り、入ったあともステップアップしていくための導入研修や、エリアスペシャリスト制度、管理者ブラッシュアップ研修などで、人材が育っていくようにしたい」と話した。
ツーリズムEXPOジャパンは開催3年を経て、2017年からは新しい3カ年に入り、JNTO(日本政府観光局)が共催に加わり3団体、観光庁・文化庁・スポーツ庁の3庁の連携もあり、三位一体による強化でさまざまな展開をしていきたいと語った。
ゴールデンウィークの旅行先で人気のエリアを発表
2017年のゴールデンウィーク旅行動向調査については、JATA 広報室の永由昌一氏から説明があった。この調査はJATA会員企業を対象に、ゴールデンウィーク期間の人気方面の調査を行ない、ランキングにまとめたもの。国内外とも2017年は暦の関係で4月より5月に集中している傾向にあるという。
海外では台湾とハワイが強く、全体的にも復調(前年比105.9%)。欧州も回復の気配が見えているとした。特にフランスの13位など、スペインやイタリアが復活してきているとのこと。
海外旅行の出発のピークは5月3日。旅行商品の傾向としては、夫婦や女性グループを中心に、プレミアムエコノミークラスやビジネスクラスなど上級クラスを使ったツアーが人気という。
JATAによる「ゴールデンウィーク旅行人気ランキング」(海外)
第1位:台湾
第2位:ハワイ
第3位:シンガポール
第4位:タイ
第5位:韓国
第6位:グアム
第7位:ベトナム
第8位:香港
第9位:アメリカ(本土)
第10位:オーストラリア
国内では沖縄と北海道が相変わらずの強さを発揮。2016年と比べると石川県(金沢)がひと段落して、京都が返り咲いた形とのこと。出発のピークは5月3~4日で、海外旅行以上に国内は全方面が好調(前年比112.3%)と説明した。
東京や関西に加え、名古屋の「LEGOLAND Japan」開業など、テーマパークを軸にしたものが人気のほか、明治維新・大政奉還150年に絡めた九州、中国方面や京都エリアの人気が上昇しているとのことだった。
JATAによる「ゴールデンウィーク旅行人気ランキング」(国内)
第1位:沖縄
第2位:北海道
第3位:東京(東京ディズニーリゾートを含む)
第4位:大阪
第5位:京都