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松井知事が“トラブルではなくトラベルセンター”とPR。「Travel Service Center OSAKA」オープン

大阪駅に観光の総合相談窓口を開設

2017年3月22日5時 開通

Travel Service Center OSAKAの案内所部分

 大阪府、大阪観光局、JR西日本(西日本旅客鉄道)は3月24日、JR大阪駅1階中央コンコースに「Travel Service Center OSAKA」をオープンした。JR西日本の駅では初、全国でもほとんど例のない総合相談窓口として、観光、鉄道案内や旅行時の遺失物や迷子対応などのトラブル対応にも対応する。外国人旅行者への対応はもちろん、日本人も対応。案内窓口の営業時間は7時~23時で年中無休。

「Travel Service Center OSAKA」は、これまでの観光案内所などを統合したうえで機能を強化したもの。場所は、大阪駅の中央改札を出て正面。指定券対応の自動券売機が並ぶみどりの窓口があるが、その左隣となる。さらに隣の日本旅行TiS大阪支店の一部や、この一画にある荷持一時預かり所まで含めたものとなり、各種サービスを提供する。

「Travel Service Center OSAKA」はJR大阪駅1階中央コンコースにある
案内図

 観光案内所は大阪観光局が運営主体となって対応する。対応言語は日本語、英語、中国語、韓国語。さらに、鉄道案内所としてJR西日本のスタッフが鉄道の案内を行なう。こちらの対応言語は日本語と英語。

案内所。右側がJR西日本の鉄道案内、左が大阪観光局の観光案内所
大阪観光局の観光案内所はさらに左に広がっている
対応する人によってサービスに違いはないが、スタッフの対応言語が担当者の横の札に国旗で示される
JR西日本の鉄道案内のスタッフ

 さらに、日本旅行TiS大阪支店の一部も「Travel Service Center OSAKA」に含まれ、そこでは外国人旅行者向けのレールパスの販売や引き換えを行なうチケットカウンターと外貨両替所を設置し、当日の宿泊案内も強化するという。こちらの営業時間は8時~20時。

日本旅行TiS大阪支店内も一部含まれ、外貨両替所がある
外国人旅行者向けのレールパスの販売や引き換えを行なうチケットカウンターも日本旅行TiS大阪支店内にある
レールパスなど外国人向けにお勧めのきっぷを表示したり、チラシを配ったりしている

 また、国土交通省や観光庁が推進する「手ぶら観光」のためのカウンターとして、これまで日本旅行TiS大阪支店の先にあった荷物一時預り所のサービスを拡充。大阪市内提携ホテルや関西国際空港へのきゃりーサービス、宅配便取次なども行なう。手荷物預かりのサービスはこれまでも行なっていたが、預かり容量をこれまでの5倍の350個程度まで預かれるようにした。こちらの運営は佐川急便が行なう。営業時間は8時~20時。

大幅に機能強化された荷物一時預り所

大阪府の松井知事らが出席して開業式典

大阪府知事 松井一郎氏

 開業初日となる3月24日は、大阪府知事の松井一郎氏らが出席して開業式典が行なわれた。大阪府知事の松井一郎氏はまず、「間違わないでください。トラベルサービスセンターですから、トラブルじゃないですよ」と場を沸かしたのち、「大阪府は今、いい話が多いですが、メディアに取り上げられるのは、松井、トラブルばっかり起こしてるんちゃうか。会ったこともない、話ししたこともない方に、私、非常に嫌われておりましてね。トラブルを解消するためには、大阪府としてきちっとやります」と、自分が置かれている問題に自ら触れて、場を和ませた。

 明るい話題として、「なかなかメディアの皆さんは取り上げてくれませんけどね。3日前の新聞も見てください。全国で、地価が上昇しているベスト5が、それがすべて大阪でした。東京じゃないんですよ。それだけ大阪に人が集まってるということなんですよ」と強調した。

 Travel Service Center OSAKAについては「一昨年、官民一体で取り組みました。去年1年間、大阪に来てくれるお客さまは941万人。いよいよ1000万人が見えてきました。僕が知事に就任したころ。大阪に来られるお客さまはどのくらいだったかというと160万人だったんです。今や941万人に来ていただいている。5倍来てますよ! これが2020年には1300万人を目標に動いてる。そのためには整備しないといけない。その一つがト ラ ブ ル……いやトラベルサービスセンター、間違ってしまった(笑)」と関西らしいボケを交えて必要性を説明した。

大阪府知事 松井一郎氏と、隣のキャラクターは大阪府広報担当副知事もずやん。知事がボケるタイミングではしっかりと翼でツッコミをしていた

 さらに特徴についても、「役所仕事と言われないように、このセンターは朝7時から晩の11時までおもてなしの拠点となります。ぜひ、このセンターにお越しになるお客さまに精一杯のおもてなしをし、日本に来れば、大阪が拠点として、日本中、本当に楽しめる。そういう拠点になってもらいたい。大阪はサービス精神旺盛です。ト・ラ・ベ・ル ですから(笑)、トラベルセンターを利用いただいて、どんどん大阪を楽しんでいただきたい」と再度ボケを交えて希望を述べた。

公益財団法人大阪観光局 理事長 溝畑宏氏

 また、大阪観光局 理事長 溝畑宏氏は、「東京一極集中を真っ先に堰き止める関所が、この大阪駅やと思っております。西の最大のターミナルで、1日の乗降客数が250万人で、東京の名だたる主要駅を上回る勢いで、拠点性が高まっている。これから大阪は、2019年のラグビー、万博、IRで、アジアの拠点になるようがんばっている。そのなかでも、受け入れということで、総合窓口、両替、さまざまな機能が乗ったセンターがができるのは非常にありがたいこと」と述べた。溝畑氏は現在の大阪で開催のイベントにも触れ、「大相撲、甲子園、これから4月は桜が開花します。みなさん、大阪をおおいに楽しみ、そして、気持ちよく帰っていただけるよう、我々もがんばっていきたいと思う」と訴えた。

西日本旅客鉄道株式会社 代表取締役社長 来島達夫氏

 JR西日本 代表取締役社長の来島達夫氏は「バラバラの設備があったものを、すべてをここにまとめて、インバウンドのお客さまのおもてなしをしようと構想された」と経緯を説明、「JR西日本もインバウンドに対する専用チケットを、ここ数年充実させてきた。来年まで5年間かけて100万人の利用を予定していましたけど、すでに昨年達成しました。今年は、さらに2割5部増しの125万人を計画して、これからも、多くの方がリピーターで大阪に来ていただけることが大事ですので、センターをフルに活用し、リピーターで1回の方が2回、3回、4回と来ていただける都市にしたいなと。関係の各方面の方と一緒になって、精一杯のおもてなしをしたいと思います」と述べた。

国土交通省 近畿運輸局 局長 若林陽介氏

 また、来賓を代表して国土交通省 近畿運輸局 局長の若林陽介氏は、「国の観光行政の一端を担うものとして、このセンター開設につきまして、本当にお礼を申し上げたい。大阪府、JR西日本、大阪観光局が一丸となって勝ち得た、この素晴らしい施設」と褒め称えた。今後の路線増設にも触れ、「この拠点は、将来、なにわ筋線がきます。新大阪には、リニアもきます。北陸新幹線もきます。観光と一直線で結ぶラインがある。京都、奈良、神戸への速達性の高い場所。多くのインバウンドさんが行き交う、情報をえて、観光を楽しんでいただく拠点になる」と述べた。

テープカットを行なった。参列者は左から公益財団法人大阪観光局 理事長 溝畑宏氏、公益財団法人大阪観光局 会長 福島伸一氏、国土交通省 近畿運輸局 局長 若林陽介氏、大阪府知事 松井一郎氏、西日本旅客鉄道株式会社 代表取締役社長 来島達夫氏、株式会社日本旅行 代表取締役社長 堀坂明弘氏