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ソラシドエアと熊本大学、熊本県益城町の地元住民とクリスマスイベント開催

熊大が設立した秋津川運動公園の「ましきラボ」で航空教室、制服着用体験など

2016年12月25日 開催

航空教室を担当したスタッフと学生で記念撮影

 ソラシドエアは12月25日、熊本県益城町の秋津川運動公園において同社スタッフと熊本大学の学生が、地元住民を招待するクリスマスイベントを開催した。当日は、熊本大学が取り組む「熊本復興支援プロジェクト」によって設立された「ましきラボ」のコンテナスペースに周辺住民が訪れ、ものづくりコンテンツや航空教室、制服着用体験、さらにクリスマスプレゼントが用意されるなど、充実のイベントとなった。

秋津川運動公園に出現したコンテナ型のいこいの場

熊本県益城町にある秋津川運動公園に設立された「ましきラボ」
コンテナスペースのデッキ部分にはソラシドエアのバナーとクリスマスツリーが登場

 今回、クリスマスイベントが行なわれたのは「平成28年熊本地震」の震源となり甚大な被害を受けた益城町に熊本大学が設立した「ましきラボ」というコンテナ型スペース。ソラシドエアがイベントを企画し、熊本大学に打診してクリスマスイベントを開催することとなった。

 当日の会場では、子供向けに航空教室や制服着用体験と、親子で楽しめるコンテンツのほかに、大学生が中心となって、松ぼっくりによるクリスマスツリーづくりや、スーパーボールすくい、バルーンアート、わたあめプレゼントと、会場全体がお祭りのような雰囲気に包まれていた。制服着用体験では、照れくさそうな表情を見せる子供が多かったが、本物のCA(客室乗務員)や操縦士が声をかけると、うれしそうな表情で写真に収まっていた。

 どれか1つモノづくりコンテンツを体験をすると、プレゼント引換券が手に入る。そこからソラシドエアのサンタクロースが待つカウンターへ行き、じゃんけんに勝つとオリジナルアイテムが封入されたスペシャルプレゼントをゲットできる。ほかでは手に入らないアイテムとあって、子供たちも気合が入る。負けると再び別のコンテンツを体験し“今度こそは”とサンタにじゃんけんを挑む子供たちの姿が多くあった。

 会場内では、機内サービスで提供されている「あごゆずスープ」の試飲会も行なわれており、大人から子供まで「美味しい!」と好評。

「ましきラボ」のコンテナ内では、ソラシドエアの九州復興プロジェクト「My Best九州♡コレクション」の熊本バージョンとして、全国の九州ファンから贈られた写真が掲出されており、地元住民ではない旅行者目線の九州の風景写真が数多く展示されていた。そのほか、くまモンのモザイクアートが壁一面に貼られていたが、よく見るとその1枚1枚に応援メッセージが書かれていた。

わたあめのサービスに子供たちだけでなく大人も大喜び
スーパーボールすくい
松ぼっくりでクリスマスツリーづくり
学生の手によってさまざまな動物が作り出されていたバルーンアート
ソラシドサンタが待つプレゼント引換所。じゃんけんに勝たなければプレゼントをもらうことはできない
プレゼントは、ドーナツ棒(熊本県フジバンビ製・機内販売アイテム・500円)、今回のイベント用に制作されたクリスマスコースター、ひみつメモ、ステッカーと充実の内容
機内でサービスされている「あごゆずスープ」の試飲会
子供向けの制服着用体験。CAや操縦士だけでなく、整備士用も準備されていた
ソラシドエアの九州復興プロジェクト「My Best九州♡コレクション」の熊本バージョンが展示
くまモンのモザイクアート。1枚ごとに応援メッセージが書かれていた

航空教室で空のおべんきょう

 航空教室では、整備士、操縦士、CA、グランドスタッフそれぞれの仕事を知ってもらうためにスライドで説明しつつ、子供向けのクイズを出題し盛り上がる。

「ましきラボ」のコンテナ内で行なわれた航空教室
整備士の樋口聡一さんが、「ひこうきのお医者さんのおしごと」を説明
副操縦士の佐々木清介さんは、「ひこうきの飛ばし方」をレクチャー
CAの園田純子さんは、「ひこうきに乗る前からおきゃくさんが降りたあとまで」の業務内容を説明した
「グランドスタッフのおしごと」は、熊本空港勤務の中尾幸美さんが担当した

熊大OG社員も現地入りして後輩と交流

正午に近づくに連れて来場者は増えていった

 航空教室を担当したソラシドエアのスタッフ以外にも、九州出身の熊大OG社員もスタッフとしてイベントに参加しており、制服着用体験や後輩との交流で親交を深めていた。

熊本県出身の田中舞子さん(左)と、宮崎県出身の本部詩織さん(右)

 熊本県出身で総務部の田中舞子さんは、「仕事を通じて復興支援に参加できたことがうれしいです。普段は東京勤務ですので、地震発生時も離れている分、心配が募りました。今回のイベントで地元の方や大学の後輩とも交流できたことは貴重な体験です」と語ってくれた。

 宮崎県出身で人事部に所属している本部詩織さんは「母校の学生と交流することは、なかなか機会がありませんが、こうして一緒に復興支援活動ができることがうれしく思います。今後も続けていくために頑張りたいです」とコメントした。

後輩と一緒にパチリ

「ましきラボ」が気軽に立ち寄れるスポットになればいい

熊本大学大学院 先端科学研究部 柿本竜治教授

 今回の「ましきラボ」を設立するにあたり、指揮をとった熊本大学大学院 先端科学研究部 柿本竜治教授に今後の活用方法などを伺ったところ、「完成してみて、近隣住民や役場の職員の方々にとっても拠り所のような存在の場所となった気がしています。大学主導でつくりましたが、ソラシドエアさんのように企業さまや行政主体で活用していただくのもよいですよね。毎週土曜日は開放して、何かしらの展示や教室を行なっています。ちょうど益城町の復興計画プランも完成したので、住民の方々への説明する場所としても使用できるかと思います。来年もイベントなどに使っていただけるとよいですね。誰が主導で使用するのもアリで、かつ地元の方がフラッと立ち寄れる場所であればよいな、と思います」とコメント。

熊本大学 工学部建築学科 田中智之准教授

 設計を担当した、熊本大学工学部建築学科 田中智之准教授は「まず、場所の選定から始まり、この秋津川運動公園がよいと。そしてなるべくコストをかけたくなかったので、コンテナという案が生まれました。しかし実際に工事をはじめようとすると、基礎をキチンと打たなくては建てられないという法規の問題がでてきましたが、そこは粛々と進めました。公園の駐車場なのですが、掘り起こして土台を作りコンテナを載せました。じっさいにでき上がった姿を見て、“よい空間が作れたな”と感じ、開放的な雰囲気があると思います。公園のトイレが使用できないままでいるので、復帰すれば住民の方がもっと訪れると思います。現状でも、通り道にある公園ですし、立地的にも町の中心に近い場所にあるのもよいですよね」と話してくれた。

 ソラシドエアにとって熊本は第2の就航地ということで今回のイベントが企画された。多くの九州出身者が羽田勤務をしているとのことで、こうした現地での交流型イベントが息の長い支援活動につながっていくだろう。来年はソラシドエア創立15周年を迎えるとあって、これまで通り地元九州に寄り添う活動が期待される。