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ピーチ、2016年3月期決算発表し増収増益で「累積損失を一掃」

「財務的に自立し、次のステージへいち早く成長する」

2016年6月14日 発表

 ピーチ(Peach Aviation)は6月14日、2016年3月期決算を発表した。営業収入は479億3900万円(前年同期から107億9700万円増)、営業利益は61億8100万円(同33億1600万円増)、経常利益は47億5900万円(同31億6300万円増)、当期純利益は27億4400万円(同16億7600万円増)で、前年と比べて増収増益となり、3期連続で黒字と増収増益となったほか、2016年3月期の利益をもって計画どおり累積損失を一掃した。

Peach Aviation株式会社 財務・法務統括本部長 岡村淳也氏

 決算発表を行なった財務・法務統括本部長の岡村淳也氏は、「100億円強の増収」「利益が前期比で2倍以上の実績」「3期連続黒字、今期の利益をもって、創業以来の累積損失も一掃」を強調した。

 累積損失を一掃したことについては「LCCのファーストムーバーとしてただ単に安い運賃を提供するだけではなく、ビジネスモデルが収益事業として確立した。累積損失解消には大きな意味合いがあり、財務的に自立し、次のステージへいち早く成長する」と述べた。

 さらに、「平均搭乗率の86.7%は就航以来、毎年上昇した結果、増収につながったと考えている」とし、コストについては「原油価格の下落もあったが、その他の費用のコスト比率が年々低下。これは、事業規模の拡大による採算性の向上ということで、増収増益という結果になった」と説明した。

 運賃収入以外の取り組みとして、有料の機内食をはじめ付帯事業収入が約84億円ある。2015年度は全体の約18%で、前年よりも若干伸びた。岡村氏は「世界で成功したLCCは20%強の付帯事業収入が上がっている」とし、5年以内に20~25%程度まで伸ばしていく考えを示した。

Peach Aviation株式会社 総合企画部長 遠藤哲氏

 インバウンドについては、2015年3月期で乗客に占める外国人の割合が60%台だったものが、約70%まで上昇した。総合企画部長の遠藤哲氏は「日本を含めた北東アジア、東アジアについてはLCCのマーケットシェアがほかと比べて低位にあるので、当面は存在がマーケットの需要喚起につながっていくと考える」と述べ、競合を意識するよりも、拠点を増やし、そこから路線を拡大していくという方針を続けるとした。

 今後は2017年3月期も事業を拡大し、規模感として20%~30%増。収入、利益ともに連動して同様に伸ばしていくとした。ピーチが考える「次のステージ」は遠藤氏が説明、「現時点では機材は17機で年間450万人強を輸送する規模だが、20機前後にとどまることなく、2020年くらいまでには事業規模を倍くらいに伸ばしていきたい」という目標と、「来年度、仙台を拠点化し、それ以降も拠点を増やし、そこからの国際線、国内線を強化していく」という以降の予定を語った。

 仙台空港の拠点化については、岡村氏が「来年の夏に向けて、どのような路線にするか検討している段階」とし、詳細な日程は未定。「機体を複数機置くよりも、1機ずつ展開し、国内線、国際線の両方の路線展開が当初からできないか検討を進めている」と展開予定を説明した。