旅レポ

夏だ! 「JAL CAFE LINES」のアイスコーヒーだ!!

国内線のみで味わえる贅沢コーヒー

JALが5月1日からドリンクサービスメニューに加えた「JAL CAFE LINES」のアイスコーヒー

 JAL(日本航空)は5月1日より、機内ドリンクサービスにおいて「JAL CAFE LINES」ブランドでアイスコーヒーの提供を開始した。JAL CAFE LINESについては関連記事「ドリップ仕立てで圧倒的に美味しくなったJALの国内線コーヒーを飲んでみた」を参照していただきたいが、一言で言うと“機内で本当においしいコーヒーを”という取り組みだ(と、カップに書いてあった)。

 実際、JAL CAFE LINESになってからのJALのコーヒーは、香りや口当たり、そして肝心の味もグレードアップしており、素直に美味しいと思えるものに進化している。記者は単なるコーヒー好きだが、単なるコーヒー好きレベルでも明らかに分かるほどの進化だ。4月1日からホットコーヒーは、前述の記事のとおり今シーズンからドリップ仕立てとなり、味や香りが一段上のレベルに引き上げられている。

 ホットコーヒー取材のときに対応していただいたJAL 商品・サービス企画本部 開発部 客室サービスグループ リードキャビンアテンダントの池田さんの言葉で気になっていたのが、「アイスコーヒーは、昨シーズンよりクオリティアップしてお届けする予定です」という部分。5月1日よりアイスコーヒーのドリンクサービスが始まったことを知ったので、J-AIR(ジェイエア)が新導入したエンブラエル 190型機の取材で伊丹空港(大阪国際空港)を訪れた帰路にJALの伊丹~羽田便に乗って味わってみることにした。機内撮影を伴うため、別途JALに取材許可はいただいた。

まろやか&すっきり系の「JAL CAFE LINES」アイスコーヒー

 多くの人に利用されている伊丹~羽田便の飛行時間は約1時間。離着陸時間を含んでいるので、機内サービスを行なうことが可能な時間は30分あるかないかだろう。つまり、ドリンクサービスを受けることが可能なチャンスは少ない路線になる。

 幸い天候もよく、普通席の最後部に乗る記者のところまでドリンクサービスが回ってきた。「なにかお飲み物はいかがですか?」という問いかけに、「あ、アイスコーヒーください」と回答。無事CA(客室乗務員)の高橋さんから「JAL CAFE LINES」アイスコーヒーのサービスを受けることができた。

ホットコーヒーは、2016年シーズンからボーイング 737-800型機など多くの機材でドリップ仕立てとなったが、アイスコーヒーはあらかじめ抽出したものをパックで用意している。逆に言うと、どの航空機に乗っても同じ味を楽しめる
左はドリップ仕立てのホットコーヒー用の豆。2016年はホットコーヒー、アイスコーヒーともに新しいものに
カートの左奥に積まれているのがアイスコーヒー。左列が冷たい飲み物、右列が暖かい飲み物

 JAL CAFE LINESカップに注がれたアイスコーヒーは適度に冷えており、華やかに香りが広がるホットコーヒーとは異なり、しっかりとしたコーヒーの香りがする。飲んでみると、まろやか&すっきりといった感じで、ホットコーヒー同様飲みやすさに配慮されている印象を受ける。昨年と比べて美味しくなったかと聞かれれば、そもそも昨年も美味しかったので、ややすっきり&クリヤーな味になったかという印象だ。

 CAの松井さんに今シーズンのアイスコーヒーの人気を聞いてみたところ、暖かくなってからは注文が増えているとのこと。新しくなったからというより、季節要因で注文されているようだ。

松井CAにアイスコーヒーの評判を聞いたところ、注文は増えているとのこと
ドリンクサービス中の松井CA
記者の席では、高橋CAからアイスコーヒーをいただいた
まろやか&すっきりの飲み味が印象的な「JAL CAFE LINES」のアイスコーヒー。ちなみにJALは現在機内インターネットサービスの15分間無料サービスも行なっており、左上に見えるように解説パンフレットが各座席に備え付けられている

 この新しいアイスコーヒーについて、JAL広報部にいくつか質問してみたので、以下にその結果をお知らせする。

――2016年のアイスコーヒーの提供時期は5月1日からとのことだが、例年5月1日から提供されているのか?

JAL:昨年までは6月1日から3カ月間ご提供させていただいておりましたが、お客さまにご好評いただいていることから、今年は5月1日よりご提供させていただくことになりました。

――昨年までの豆と、今年の豆の違いについて。そのほか変更点などは?

JAL:今年は、エルサルバドルとコロンビアにあるレインフォレストアライアンス認証農園のコーヒー豆を50%ずつ使用したコーヒーです。詳細は、製造元のミカフェート社のWebサイトにてご確認いただけます(昨年は、ブラジル40%、エルサルバドル40%、コロンビア20%でした)。

――飲んだ感じが、まろやか&すっきり系だった。ホットコーヒーもすっきり系だったが、これは何か飲みやすさに配慮して調整されているのか?

JAL:ミカフェート社より、「感じていただいたとおり、口当たりがまろやかで、後味がすっきりすることにこだわり、調製している」とうかがっています。

――ファーストクラス、クラスJ、普通席で、提供するアイスコーヒーに違いはあるのか?

JAL:全クラスで同じ商品をご提供させていただいております。ファーストクラスでは、グラスに氷を入れてご提供しております。

――アイスコーヒーの提供時期はいつまでか?

JAL:8月末を予定しておりますが、ご用意できる数量に限りがございますため、在庫状況によっては繰り上げて終了させていただく場合もございます。

――アイスコーヒーの提供温度は?

JAL:計測はしておらず、また、サービス状況により差異はございますが、お客さまにご提供する時点では概ね10℃前後と思われます。

――アイスコーヒーが始まったことをあまり積極的に告知していないわけは?

JAL:2011年にミカフェート社のアイスコーヒーを初めて導入した際には、プレスリリースをさせていただきましたが、毎夏の定例となっておりますので、特段のご案内は致しておりません。機内でご覧いただくメニューカード上にはご案内させていただいております。

――国際線のアイスコーヒーの提供はいつからいつまで? また、豆などに違いはあるのか?

JAL:国内線のみのサービスであり、国際線ではご提供しておりません。


 これらの回答でとくに驚いたのは、アイスコーヒーが国内線のみで提供されていること。国内線、それも夏の時期だけに提供されるプレミアムなサービスになっていることだ。また、アイスコーヒーの提供時期が在庫状況によるというのも、ちょっとビックリ。改めて考えてみるとアイスコーヒーは季節商品のため、需要予測の下に豆の確保が行なわれているのかもしれない。

 いずれにしろ、この美味しくなった「JAL CAFE LINES」のアイスコーヒーを楽しめるのは、夏の時期の国内線だけ。JALの国内線に乗る機会があったら、ぜひ注文してみてコーヒーの深い味わいを楽しんでいただきたい。なお、アイスコーヒーが提供される路線は、ドリンクサービスが提供されている路線全線とのこと。もちろん天候要因でサービスが行なわれないこともあるので、その点は注意していただきたい。

伊丹~羽田便は、あっという間に羽田に到着。普通にコーヒーを楽しみながら飲んだら1杯が限度。しかしながら、その満足度は高かった

編集部:谷川 潔