旅レポ

統合型リゾートから世界遺産までいろいろな見どころがひしめく街「マカオ」を紹介(その4)

ポルトガル建築からバンジージャンプ、エッグタルトまで、楽しさが尽きないマカオ旅

 マカオ観光局が実施した視察ツアーのレポートも今回で4回目となる。これまで、コタイの統合型リゾート(IR)やマカオ半島の世界遺産などをお伝えしてきたが、まだまだ伝えられていない風景がある。

 今回は、これまでに触れることができていないマカオの観光スポットをまとめて紹介する。前回までの記事以上に、“マカオにはいろいろな方向性のビジター産業があるんだな”と感じていただけるのではないかと思う。

洋風建築が立ち並ぶ「ラザロ地区」

 マカオ半島内にある「聖ラザロ教会」付近の街並みは、石畳と西洋風建築が並ぶ、まるでヨーロッパのような一角となっている。これまでの洋風建築は、白や緑、ピンクなどを使ったポップな色合いの建物も混在していたが、ラザロ地区は黄色というか、クリーム色に近い建物が並んでいる。今回のツアーでは夜に訪れたが、街灯に照らされて、そのクリーム色の洋風建築の味わいが増しているように思えた。

 さらに、これまでに紹介してきた洋風建築物は、中国風の建物も入り交じった空間に建っているところが多かったのだが、この地区はわりと広いエリアの街並み全体が洋風に統一されている点で、今回の視察ツアーのなかでも異彩を放っており、印象に残っている。

中国人が通うカトリック教会だったという歴史的背景を持つ「聖ラザロ教会」
ヤシの木なども植えられている、落ち着いたおしゃれな街並み
石畳の装飾も注目したいポイント
クリーム色の洋風建物が並ぶ。夜の街並みは街灯に照らされ濃厚な雰囲気になっているが、昼間の顔もまた別の味わいがありそうだ

233mからのバンジージャンプやスカイウォークXが名物の「マカオタワー」

 マカオのアトラクションでもっとも有名なのは「マカオタワー」の各種アクティビティメニューではないだろうか。

 マカオタワーは338mと、東京タワーよりやや高く、233mのところに展望台を設けている。この展望台周囲の柵のない床面を1周できる「スカイウォークX」や、世界最高を謳う「バンジージャンプ」をできるのだ。さらに、ここから塔最上部の338m地点まで登るアトラクションも用意され、怖いもの見たさにチャレンジする人も多いようだ。バンジージャンプはチャレンジした著名人の写真が飾られており、日本人もジャニーズタレントやAKB48のメンバー、有名俳優などがチャレンジした写真が飾られていた。

 ちなみに料金だが、ツアーに参加した4月時点ではスカイウォークXが848パタカ(約1万3000円、1パタカは15~16円ほど)、バンジージャンプが3148パタカ(約5万円)となっていたが、原稿を執筆している8月の時点におけるマカオタワーのWebサイトの料金表では、スカイウォークXが788パタカ(約1万2000円)、バンジージャンプが3088パタカ(約4万9000円)と、若干値下がりしている。ただ、ここ数年で急激に値上がりしたそうで(よくいえば)料金改定は柔軟に行なわれている様子。チャレンジしようと思っている人は、訪問前にWebサイトで料金チェックをしておいた方がよさそうだ。

 もっとも、こうしたアトラクションに挑戦する気がないとしても、展望台からの眺めはよく、マカオを360度展望できる最高の場所といえるだろう。展望台への入場料金は大人135パタカ(約2100円)。

地上から見上げたマカオタワー
いろいろなタワーが壁に描かれた比較図……と思いきや、よく見ると高さはテキトー
マカオタワーの高さを楽しむ(?)、さまざまなアトラクションを用意
楽しそう
さまざまな大きなのハーネスが用意されていた
「スカイウォークX」は記念写真によさそうなこともあってか人気のようだった
床面の一部はシースルーとなっている
落ちる人
バンジージャンプの先にあるエアクッションには「The World's Highest Bungy 233m」の文字
マカオタワーの展望台はマカオを360度眺められるのも魅力
マカオタワーから眺めたマカオ半島。奥に見える山は中国の本土内。おおむね左側に見える橋のあたりが境界線に近く、マカオ半島の小ささが分かるだろう
カジノホテルなどが並ぶ地域。左側の大きな蓮のビルが「グランド・リスボア」。右下の弧を描いているビルが「ウィン・マカオ」だ
マカオ半島とタイパを結ぶ最も西側の橋「西湾大橋」。毎年12月の第1日曜日に開催される「マカオマラソン」では、この上を走れるらしい
西湾大橋を渡ったマカオ半島側のジャンクション
同じくマカオ半島とタイパを結んでいる「嘉楽庇総督大橋」(手前)と「友誼大橋」(奥)

夜の散歩も楽しめる、昔ながらのマカオを味わえる街「タイパ・ビレッジ」

 マカオを構成する地区の1つ「タイパ」は、元々は島だった地域。今回の視察ツアーでは、夜にタイパ南部の「タイパ・ビレッジ」を訪れた。文字どおり“ぶらぶら”した散歩のような視察だったのだが、目に映るものは“洋”の雰囲気でありながら、あまり華やかではなく、日常の空気に包まれていたのが印象に残っている。

 今回は、夕食後に住宅街を抜けるようにして歩き、丘の上に立つ教会などを見て回った。日本を含めてどの国であっても暗い夜道の一人歩きを勧める気はないが、この地域は街灯も明るく、22時過ぎの訪問にも関わらず営業中のお店も多かった。街灯もこの地区の情景に一花添えており、のんびりと夜歩きを楽しむのにも魅力的な場所だ。

タイパ・ビレッジの風景。建物は洋風だが、狭く入り組んだ小路や古い建物も目立ち、古くからの街並みであることを感じさせる
マカオの街灯はどこにあるものもデザインがおしゃれ
ちょっと珍しい(マカオで珍しいかは分からないが)4色のサインポール
この古い街並みの隙間から、コタイの建物が顔を覗かせる。そのギャップも興味深い
ところどころに広場がある。夜のためか人影は少なかったが、昼には地域の人々の憩いの場となっているのだろう
「官也街」と呼ばれる商店街。22時過ぎに訪れたが飲食店を中心に営業しているお店が多かった。ローカルフードを味わいながらの夜歩きもよいだろう
タイパ・ビレッジの古い街並みをあとにして階段を登り、教会などが並ぶ「嘉路士米耶馬路」へ
石畳の坂道
多目的ホールとして使われている「カルモホール」。淡いエメラルドグリーンの建物が目を引く
静閑で小高い丘の上に立っている「カルモ教会」。マカオでも古い教会の1つで、建設当時はタイパにある唯一の教会だったという
カルモ教会から見下ろした場所には「タイパ・ハウス・ミュージアム」がある。マカオが繁栄した時代に建てられた歴史的価値のある住宅を博物館として保存している
この付近は石畳が続き、階段も独創性を感じる印象的なものだった
古くからの街並みを残すタイパから、現代マカオの象徴的地域であるコタイを望む

ザビエルの名を冠した教会が建つ静かな漁村「コロアン」

 同じく、マカオを構成するもう1つの地区が「コロアン」だ。タイパと同じく、もともとは島だった地域で、マカオ半島からもっとも離れた場所にある。

 コロアンの西南端部にあるコロアン村は漁村で、日本にキリスト教を伝えたフランシスコ・ザビエルの名前を冠した、その名も「聖フランシスコ・ザビエル教会」が建てられているほか、古廟もあり、住宅街ありと、タイパ以上に“日常のマカオ”を感じられる。

 そして目の前を流れる水路の先は中国本土。見た目はただの対岸だが、そこに“見えない壁”がある感覚は、隣国までの距離がある島国の日本では味わいにくい感覚だ。

 ところで、一連のマカオ視察ツアーの記事では、これまで食事の写真をほとんど掲載していない。前々回にも少し触れたが、最終回に“グルメ編”としてまとめてお伝えするつもりで、あえて掲載していなかったのだが、コロアンを語るうえで、触れないわけにはいかないお店がある。それが「ロード・ストウズ・ベーカリー」だ。

「ロード・ストウズ・ベーカリー」のエッグタルト

 マカオスイーツの定番といえば「エッグタルト」。ケーキやパンを扱っているお店には、かなりの割合でエッグタルトも並んでいる。このエッグタルトを生み出したといわれているのがイギリス人のアンドリュー・W・ストウさん。日本でも「アンドリューのエッグタルト」としてチェーン展開しており、その名前は(おそらく)日本でも知れ渡っている(と思う)。そのアンドリューさんがマカオで開いていたのがロード・ストウズ・ベーカリーで、そのお店が今もコロアンにあるのだ。

 見た目は焼き色がハッキリと付いているが、食べてみると中はふわふわで卵の風味が口の中に広がる。そして土台になっているパイはさくさくの食感。マカオ滞在中にいくつかのエッグタルトを食してみたが、ロード・ストウズ・ベーカリーのエッグタルトは特に卵の風味が強く、甘さが抑えられており、甘いものが苦手な人にもぜひチャレンジしてほしい味だ。

有名な「ロード・ストウズ・ベーカリー」の本店は、やや古びた雰囲気の小さなお店だ
オーブンで焼き上がったばかりのエッグタルト。手際よくアルミの型が外されていく。なお、アンドリューさんは故人であり、写真の方ではない
エッグタルトが6個入っているお持ち帰り用の箱
焼き色が濃いが、中の卵はふわふわ
エッグタルトばかりが取り上げられるが、「ベーカリー」なので、さまざまなパンが販売されている

 このロード・ストウズ・ベーカリーは、「アントニオ・ラマルホ・エアネス大統領広場」というラウンドアバウトに面した場所にある。この広場前にバス停があるので、公共交通機関を利用する場合は、ここがコロアン散策の起点になる。

 そこから歩みを進めると、すぐに八百屋さんなどが並ぶ小路があり、そこを抜けると住宅街。普通の場所と言ってしまえば普通の場所だが、カラフルな洋館風の建物から古びたアパートまで、さまざまな住宅が建ち並んでおり、生活感のあるその土地の空気を存分に味わうことができる。

 そして、ぶらぶらと南へ向かって住宅地を歩いていると、古廟が見えてくる。1つ目が「観音古廟」、もう1つが「天后古廟」だ。そして、コロアン南西端近くまで歩くと「譚公廟」が見えてくる。いずれも中国風の装飾が施された古廟で、建物自体はさすがに古いが、綺麗に維持されており、コロアンの人々が長きにわたって崇拝してきた文化を感じることができる場所だ。

多くに人にとってコロアン散策の起点になるであろう「アントニオ・ラマルホ・エアネス大統領広場」
切手の自動販売機が搭載されたポスト。ポストのように世界中にあるオブジェクトのデザインの違いは外国へ旅に来たことを実感できる
アントニオ・ラマルホ・エアネス大統領広場の付近は野菜や魚などの生鮮食品を売るお店が多い。地元の人にとっての台所なのだろう
コロアンの住宅街をブラブラと歩く。どことなくローカル感漂う住宅から洋風建築まで、雑多な建物が入り組む様子にマカオの地域性を感じられる
「観音古廟」。廟内の鮮やかな色使いが印象に残る
「天后古廟」。コロアン最古の廟とのことだが、手入れは行き届いており古さを感じさせない美しい内装
「譚公廟」。コロアンの南西端イコール、マカオの南西端に近い場所にある

 続いては、譚公廟で折り返して水路沿いの道を歩いた。対岸は中国本土ということで、違う制度の土地が向かいあっていることになるが、そうした緊張感はまったくない。ベンチもあってくつろげるほか、地元の人が水路沿いの塀に座って談笑している姿を見ることもできた。

 歩道は石畳となっており、ところどころに星や太陽といった天体をモチーフにしたデザインも施されている。この水路沿いには洋風建築の図書館もあり、おだやかな空気が流れる散歩道といった風情の場所だ。

対岸は中国本土となる水路沿いの「十月初五馬路」。きれいに整備されており、のんびりと散歩を楽しめる場所だ
歩道の石畳には、時折このような天体のデザインも
道路沿いに建つ洋風建築の「図書館」も、この雰囲気に一花添えている

 この道を歩いていると、(特に日本人には)コロアン随一の観光スポットといえる「聖フランシスコ・ザビエル教会」にたどり着く。前回お伝えした「マカオ歴史市街地区」のカトリック教会と同じバロック建築ではあるが、20世紀と比較的最近建てられたこともあってか、外装、内装ともに、ちょっとファンシーな色使いが印象的だ。マカオ半島内のカトリック教会と、この聖フランシスコ・ザビエル教会のどちらか一方を見ただけでは違いは分からず、両方を見ることでマカオ文化を味わう旅の楽しさは増すと思う。

 ちなみに、聖フランシスコ・ザビエル教会と名付けられている以上、当然、日本にキリスト教を伝えたザビエルに縁のある教会であるわけだが、建立直後にはこの教会にザビエルの腕の遺骨が納められていたという。ただし前回もお伝えしたように、現在はマカオ半島にある「聖ヨセフ修道院」に移管されている。

「聖フランシスコ・ザビエル教会」

島国・ニッポンでは味わえない徒歩での国境通過

凱旋門のようなスタイルの、1871年に建てられたマカオと中国本土の入出境ゲート

 さて、このほかにマカオでぜひ実行してみたかったのが、中国本土との国境通過だ。レポートの1回目でも触れたが、制度が違うだけで中華人民共和国と同じ国なので、国境という表現が適切かどうかは判断が難しいが、入出境管理が行なわれていることから便宜上、国境と表現する。ちなみにマカオでは、この入出境ゲートは「關閘」(クワンツァ)と表現されているほか、英語ではボーダーゲート(直訳すれば国境)と言う。

 そうした表現はともかく、島国である日本では、国境を越えるためには船や飛行機に乗る必要があり、歩いて国境を通過することができない。歩いて国境を越えるというのは、それだけで気持ちが高まる。

 日本に馴染みの深い国では、アメリカはカナダやメキシコへの国境通過が可能で、記者も以前にメキシコのティファナまでは渡ったことがあるのだが、特にアメリカからの出国はほぼスルーで国を越えた感動がいまいち沸き上がってこなかったし、ヨーロッパはEUのおかげで主要国間の往来が自由にできて面白くない(注:個人の感想です)。あとは東南アジアが本格的な国境越えを体験できそうな身近な土地として挙げられるが、あいにく記者は東南アジアで地上移動による国境越えの経験がないため、詳しくは分からない。

 ということで、徒歩移動による国境越えを体験すべく、マカオ半島北端の「關閘」へと向かったわけだ。この日は、視察ツアーの団体行動がセナド広場付近で解散となったので、路線バスに乗って移動。關閘には地下にバスターミナルがあり、複数の路線が乗り入れているほか、カジノホテルのシャトルバスもあるので、いずれかのバスを利用するのがよいだろう。便利かつ安上がりなだけでなく、目的地(=バス停の名前)も分かりやすいので、マカオのバスを体験する最初の路線にもお勧めだ。

 当然、国防上の最重要拠点である国境施設内は撮影禁止だ。マカオ側から進むと、出国、免税店エリア、入国の順にエリアを通過する。免税店エリアがしっかり設けられているのが面白いところで、往復の際にここで買い物をするのもよいだろう。

 そして、中国側へ抜けると、そこは珠海市。目の前の広場や隣接する珠海駅が、マカオとはまったく異なる規模感で、違う国に来た感覚に襲われた。この中国本土側の規模感には圧倒される。逆に、マカオ、とりわけマカオ半島には居心地のよさを感じていたのだが、道や建物が込み入っているところなどには、異国情緒とともに、どこか親しみも感じていたのかも知れない。一時的とはいえ国境をまたいだことで、マカオという街を見つめ直すきっかけにもなった素晴らしい体験だった。

關閘の地下には路線バスのターミナルが整備されており、各方面へのバスを利用できる
關閘前の広場
多くの人がマカオから中国へ向けて歩みを進めている
国境を越え、中国の珠海市へ。施設を出た瞬間に広がる光景がいきなり異世界
国境施設前の地下にはショッピングモールがある
こちらは施設近くのセブンイレブン。南国のリゾート地っぽい雰囲気だが、紛れもなく中国本土
国境施設の正面道路を渡った先や、ショッピングモールの地下にバスターミナルがあり、近距離から長距離までさまざまなバスが運行されている
国境施設に隣接して建てられている珠海駅。広州南駅とを結ぶ路線が運行されており、こちらも多数の人が利用していた

 ところで、ほんの数時間とはいえ中国本土へ渡ったことで、パスポートには中国の入出境スタンプが押された。日本へ帰国する際、羽田空港の税関職員にこの点を追求され、「ただ行ってみたかっただけなんですぅ」と説明はしたものの、この軽いノリが逆に怪しまれたのか、結局、その場ですべて荷解きする羽目になった……ということも、後日談として記しておきたい。

再びマカオへ入境して散歩。商店のほかに両替ショップなどもあり、まさに人が集まる“国境の町”の雰囲気
關閘から10~15分ほど歩いたところにある「三角花園」。緑の多い公園で、地元のおじさん達が大勢集まって、将棋のようなゲームに興じていた

マカオ半島の4つ星ホテル「ハーバービュー・ホテル・マカオ」に宿泊

「ハーバービュー・ホテル・マカオ」

 さて、今回のツアーでは、旅程の前半はコタイ地区の「フォーシーズンズ・ホテル・マカオ・コタイストリップ」、後半はマカオ半島の「ハーバービュー・ホテル・マカオ」に宿泊した。本稿の締めとして、このホテルを紹介しておきたい。

 ハーバービュー・ホテル・マカオは、2015年2月にオープンしたばかりの新しいホテルだ。マカオ半島南東のフィッシャーマンズワーフの敷地内に建っているのだが、この立地が素晴らしい。

 フィッシャーマンズワーフを地図で見ると、マカオの中心街から外れているように見えると思うが、マカオへのアクセスとして主流のフェリーターミナルからすぐの距離というのは1つの利点だし、何より目の前に「サンズ・マカオ」があることが素晴らしいことなのだ。サンズ・マカオはマカオの主要地点へ無料のシャトルバスを運行しており、これを活用して中心部へ容易に移動できる。サンズ・マカオという主要ホテルの目の前には当然、路線バスのバス停もある。

 また、周囲は学校やオフィスビルが多く、海沿いということもあって、朝晩は落ち着いた雰囲気の地域であることも、ホテルという施設の立地としてはメリットに挙げてよいだろう。海側の部屋であれば、上る朝日とともに目覚めることもできる。

ハーバービュー・ホテル・マカオ。これは裏側(フィッシャーマンズワーフ側)からの様子
海側の部屋からは朝日を望むこともできる。目の前の橋はマカオ半島とタイパを結ぶ友誼大橋
2階吹き抜け構造で、広々とした開放感のあるエントランスロビー。正面がフロント

 さらに、ハーバービュー・ホテル・マカオは4つ星ホテルということもあって利用しやすい料金に設定されているのも魅力だ。2015年8月に調べたところ1ベッドのスタンダードルームが1230パタカ(1万9000円~2万円)から。ちなみに、記者が今回泊まったのはスーペリアルームで、これは海側の部屋。スタンダートルームは陸向きの部屋という違いがあり、料金はスーペリアルームが100パタカ(1500~1600円)ほど高く設定されている。このほか、同ホテルの最上級となる2ベッドルームのスイートが4000パタカ(6万20000~6万3000円)前後となっている。

 新しいホテルということもあって室内設備は十分で、全室に無線LAN(Wi-Fi)を完備するほか、有線LANによるインターネットにも対応。さらにデスク脇の各コンセントにUSBポート(5V/2A)を併設しているほか、備え付けのTVに映像を映し出すためのHDMI端子もコンセントの近くに用意されている。

 バスルームは昨今流行っているベッドルームから屋外までを展望できるシースルーになっているほか、シャワーの水量なども問題なし。華やかさを求める人はカジノホテルなどを選んだ方が満足できるだろうが、宿泊施設としてのクオリティの高さとコストパフォーマンスを重視してホテルを選びたい人にはお勧めしたいホテルだ。

スーペリアルーム
海側のスーペリアルーム。写真はツインルームだが、キングサイズの1ベッドルームもある
ベッドルームとバスルームはシースルー
デスクはそれほど大きくないが実用十分なサイズ
チェスト上のスペースは十分
デスクサイドのコンセントには5V/2A出力のUSBポートを装備。HDMI入力や有線インターネットのコネクタも用意されている
バスルーム。バスタブもある
シャワーブース
アメニティはロクシタン(L'OCCITANE)を採用していた
バスタオルとフェイスタオルは2組。このほかに、ウォッシュタオルが洗面台脇に2個備わっている
クローゼットの中にはガウンやスリッパを用意。セキュリティボックスもここにある
コーヒー、紅茶、水などは無料で提供されている
2ベッドルームスイート
2ベッドルームスイートのリビングルーム
2ベッドルームスイートは、キングベッドルームとツインベッドルームの2部屋を備える。こちらはキングベッドルーム
こちらがツインベッドルーム
洗面台を2つ備える同じ設備を持ったバスルームを2部屋備えている
1ベッドルームスイート
1ベッドルームスイートのリビング。2ベッドルームスイートほどの広さではないが落ち着ける部屋だ。作業机もここに置かれている
ベッドルーム。見学したのはキングサイズのシングルベッドルームだったが、ツインの部屋も用意できるという
バスルームはスーペリアルームに近い設備。ベッドルームとはシースルーになっている。このほかにお手洗いをもう1カ所備えている

デラックスルーム(庭付き)

デラックスルームの庭付き。リビングルームと1ベッドルームに加えて、テラスへ出ることができる
リビングルームも広々としており、名前はデラックスルームだが、部屋のファシリティも料金も、1ベッドスイートより上位となる
テラスはオーシャンビューでないのが惜しいが、かなり広い。ベッドルーム、リビングルームの両方から出入りできる
バスルームはお手洗いも専用のブースが設けられており、この点でもスイートより上の印象

プールやレストランなどの館内設備

ホテルの2階に設けられたプールやフィットネス施設
プール施設内の休憩コーナーやバー
プールはスイミングプールと複数のジャグジーを設置。プールサイドにデッキチェアも置かれる
同じく2階にある「プラハ・レストラン」
プラハ・レストランと併設されている「プラハ・バー」

編集部:多和田新也