旅レポ

シドニーのアクティビティをめいっぱい楽しんできた

高さ141mのハーバーブリッジに上り、オペラハウスの内部を見学

シドニーのポートジャクソン湾にかかるハーバーブリッジ

 今回、Intelによるプレスツアーに参加してオーストラリア、シドニーを訪れたのは、Vivid Sidneyの取材が主な目的だったが、そのほかにもシドニーでいくつかのアクティビティに参加してきたので、ここではその様子を紹介していく。

シドニーのハーバーブリッジをてっぺんまで上る

 シドニーのポートジャクソン湾にかかる、長さ1149m、高さ141mの大きな橋、ハーバーブリッジ。上り下り合わせて全8車線の道路と、鉄道の上下線、そして歩道が整備されている橋で、シドニーの大動脈として日々地元の人に親しまれている存在だ。

 ハーバーブリッジが完成したのは1932年。それまで、船を使ってシドニー市街と対岸のノースシドニーを移動していたのが、クルマと路面電車、そして徒歩で行き来できるようになり、生活が一変するほどに便利になったという。

ハーバーブリッジは、8車線の道路と上下2路線の鉄道路線、そして歩道を備えるシドニーの大動脈となっている
シドニー市街とノースシドニーをつなぐ幹線道路で、常に多くの車が通行している
歩道を歩いて対岸まで行き来できる

 ハーバーブリッジは、鉄骨を組み合わせて作られたシングルアーチ橋だ。アーチの美しさはなかなかのもので、「パイロン」と呼ばれているアーチを支える4基の橋脚が石作りでできているなど、年代を感じさせる部分もあり、非常に味のある橋となっている。

 また、シドニーのシンボルでもあるオペラハウスのすぐそばということもあって、ハーバーブリッジからもオペラハウスがよく見えるし、オペラハウス越しにハーバーブリッジを眺める姿もまた素晴らしく、オペラハウスと共に観光名所として人気がある。

ハーバーブリッジはシングルアーチ構造で、長さ1149m、高さ141m
ハーバーブリッジの歩道からは、オペラハウスがよく見える
橋脚「パイロン」には展望台があり、200段の階段を上ってアクセス
パイロンの展望台からは、シドニー市街地はもちろん、遠くまで絶景を楽しめる
このように、オペラハウス越しに眺めるハーバーブリッジも趣がある

 このハーバーブリッジは、その姿を眺めたり、ハーバーブリッジの歩道を歩いて景色を楽しんだりするだけでなく、見逃せないアクティビティがある。それが「BridgeClimb」というもの。このアクティビティは、文字どおりハーバーブリッジのアーチ頂上まで上るツアーだ。

 高さ141mのハーバーブリッジをアーチ頂上まで上るのはかなり危険で、実際にトライする人は少ないんじゃないかと感じるかもしれないが、昼間にハーバーブリッジを眺めていると、たいてい誰かがアーチを上っているのが見えるほどで、かなり人気のツアーとなっているようだ。

 今回チャレンジしたのは、約3時間半をかけてアーチ頂上まで上るという最も標準的なプラン。料金は、日付や曜日、時間帯によって変わるが、大人が238~373オーストラリアドル(約1万9040円~2万9840円、1オーストラリアドル=80円換算)、子供(8~15歳、大人の付き添いが必要)が163~268オーストラリア(約1万3040円~2万1440円)。なかなかの金額だが、日本ではそうそう体験できないアクティビティなので、ちょっと贅沢する気持ちで参加するのもいいのではないだろうか。

 プランとしてはこのほかにも複数用意されている。詳しくは、「BridgeClimb」の公式サイトもチェックしてもらいたいが、時間の短いプランや夕刻に上るプランなども用意されているので、予算や時間の余裕に合わせて選択すればいいだろう。ただ、「BridgeClimb Sampler」というプランは、料金が安くなって大人が158~173オーストラリアドル(約1万2640円~1万3840円)、子供が128~143オーストラリアドル(約1万240円~1万1440円)となるが、これは頂上まで上らない。どうせ参加するなら、予算をケチらずに頂上まで上るプランを選択したいところだ。

ハーバーブリッジのアーチを頂上まで上るツアー「BridgeClimb」。橋の手前に事務所があり、ここから出発して橋を上る
受付カウンター。前日までに公式サイトで予約しておいて参加するのがお勧めだ
今回は、約3時間半をかけてアーチ頂上まで上る「BridgeClimb」という最も標準的なプランに参加した
待合室のディスプレイには、ツアーに参加した有名人の写真が表示されていた

 なお、ツアーに参加するにはいくつか条件がある。まず身体的な制限としては、年齢が8歳以上で、身長が120cm以上である必要がある。また、健康体である必要もあり、心臓に持病があったり、骨折していたり、妊娠24週目以降の妊婦などは参加不可能。このあたりも公式サイトに詳しく記載されているので、参加しようと思う場合には、あらかじめしっかり確認しておくといいだろう。そして、登頂時には、メガネやサングラスなどを除いて、一切携帯物を持たずに参加しなければならない。これは、橋の上からの落下物を防ぐためだが、スマートフォンやカメラなども一切持ち込めないのは少々残念。ただ、ツアーにはインストラクターが必ず付き添い、インストラクターが橋の上で1人ずつ写真を撮影してくれる。写真代もツアー代金に含まれているので、別途料金がかかる心配はない。

 さて、筆者は9時55分出発のツアーに参加した。ツアー参加者はまず、身体的な問題がないか確認があり、書類にサインしたあとに、別室へと移動して登頂に向けたいくつかの準備を行なうことになる。ここでは、持っている物や身に着けている物、ズボンのポケットの中の物など、すべてをロッカーに収納し、専用のユニフォームを着ることになる。眼鏡やサングラスは身に着けたままでいいが、橋の上から落ちないように落下防止用ストラップを着けてユニフォームのフックに固定。必要があれば、帽子や汗拭き用ハンカチも所定の物を持って行けるが、それらも落下防止用ストラップでユニフォームのフックに固定する。そのあと、腰に安全ベルトを装着するとともに、緊急用のパラシュート内蔵の袋を装着して準備は完了。

最初に身体的なチェックを行ない、書類にサインしたうえで参加することになる
参加者は、このようなユニフォームを装着してハーバーブリッジを上ることになる。そして、カメラやスマートフォンなど、荷物は一切持っていけない

 装備が完了したら、次は安全ベルトの扱い方と階段の上り下りの方法がレクチャーされる。安全ベルトは、橋に巡らされているワイヤーに通すが、ツアー出発地点から登頂後に出発地点に戻ってくるまで外れないようになっているので、安全ベルトがワイヤーにつながれた状態での移動や階段の上り下りを、まず最初に練習しておくというわけだ。ただ、実際にやってみると、特に難しいことはなく、基本的には移動していると身体について安全ベルトも移動するので、邪魔になることはほとんどなかった。

 30分ほどのレクチャーが終了したら、ついに橋への登頂が開始となる。まずは、陸地部分の橋桁の下部を橋脚まで移動し、橋脚部分で階段を上ってアーチへと移動。あとは、アーチをゆっくりと頂上まで上っていくことになる。

 筆者は、特に高所が苦手ではないので、最初からかなりわくわくしていたが、少しだけ、恐そうかも、という気持ちもあった。しかし、アーチ部分の登頂ルートはかなり幅の広い鉄骨の上にあり、足下が透けて下が見えることがないだけでなく、狭い足場を恐る恐る歩くという感覚もない。そのため、実際にアーチに到着しても、恐いという印象は受けずに、周りの景色も十分に楽しめた。また、登頂開始から出発地点に戻るまで、3時間ほど時間をかけてゆっくり登頂するため、体力的な心配もほぼ無用だろう。

 そして、頂上からの眺めは最高のひと言。オペラハウスはもちろん、シドニーの市街地や郊外まで見渡せ、かなり気持ちがいい。確かに料金はやや高いという気がしないでもないが、頂上からの眺めと気持ちよさは、十分にその価値があると感じた。高齢の参加者も問題なく登頂できているそうなので、高所が苦手でなければ、シドニーを訪れた際に臆せず参加してほしい。

安全ベルトの扱い方や階段の上り下りなどを練習したうえで登頂スタートとなる。まずは事務所からつながる出口より橋手前の橋桁下部に出て、橋脚付近まで移動する
橋脚に到達するまでは陸地部分を移動するため、それほど恐くない
橋桁部分で階段を上り、ハーバーブリッジのアーチ上部へと移動し、本格的な登頂が始まる
アーチ部分では、大きな鉄骨部分に用意された階段や歩道を歩くことになる。足下が透けておらず下が見えないので、思ったほど恐くない
このような感じで、集団でゆっくり時間をかけてアーチを上っていく。一気に上らないので、体力的にきついと感じることもなかった
最上部にはオーストラリア国旗が掲げられているが、この部分まで上ることになる
カメラは持って行けないが、同行するインストラクターが全員の写真を撮ってくれる
アーチ最上部で撮影。動画も撮ってもらえる
グループ全員で記念撮影
登頂後は、ゆっくりアーチを下り、事務所へと戻っていく
登頂後には、このような登頂認定証がもらえる
橋の上で撮影した写真や、オリジナルキャップも記念品としてもらえる

オペラハウスの公式ツアーで建物やホールの魅力に触れる

 シドニーの最大の見どころといえば、やはり世界遺産としても登録されているオペラハウスだろう。帆を張った船のような、独特のデザインを採用しているオペラハウスは、外からの眺めが最高だが、その建物の歴史や、中のホールにもさまざまな魅力が潜んでいる。

 その、オペラハウス内をガイド付きで案内してもらえる公式ツアーに参加してきた。このツアーでは、オペラハウスの建築までの歴史などが解説されるだけでなく、内部のコンサートホール、オペラシアターなどの劇場にも案内してもらえる。所要時間は30分ほどだ。

シドニー最大の見どころとなっている、オペラハウス
近くで見ても、その独特な形状と存在感に圧倒される
非常に独特な形状の実現には多くの苦労と時間が費やされ、当初の完成予想より10年遅い1973年に完成した

 ツアーでまず最初に案内されたのが、「Utzon Room」という場所。Utzonとは、オペラハウスの設計者、デンマークの建築家Jorn Utzonのこと。オペラハウスは、Utzonの設計ではあるが、内部に柱が一切ない独創的なデザインの建造物を実際に作り上げるのにはかなりの苦労が伴ったという。そして、再三の工期の延期や工費の増大などによって、完成を待たずしてUtzonは建築監督の座から追われてしまう。

 その後、当初の予定から10年遅れ、1973年にオペラハウスはようやく完成したが、当初のUtzonが考えていた内装デザインは大幅に変更されていた。そういったなか、Utzonの偉業を称えるべく、当初Utzonが予定していた内装デザインを採用した部屋が2004年に作られた。それがUtzon Roomだ。

 この部屋には、壁面に独特のデザインが施され、オペラハウスのほかの場所とは異なり、かなりポップな印象の部屋となっている。現在では、さまざまなレセプションを開催する部屋として活用されているという。

建造物はコンクリート製で、表面は白いタイルで覆われている
内部は柱がなく、天井だけで建造物が支えられる独特な構造。天井を見ると、全体を支えるように梁が縦横無尽に走る独特の形状が確認できる
オペラハウスは、デンマークの建築家Jorn Utzonが設計。オペラハウス内には、Utzonを称える部屋「Utzon Room」が2004年に設けられた
Utzon Roomでは、当初Utzonが計画していた内装デザインを採用している。比較的コンパクトなホールで、レセプションなどに活用されているという
ホール周囲を囲む階段。このあたりのデザインも、非常に独特なものとなっている

 続いてオペラハウス内のホールを案内された。オペラハウスには、オーケストラのコンサートなどが開催される「Concert Hall」や、オペラなどが開催される「Joan Sutherland Theatre」など、大小合わせて全部で6つのホールがある。

 Concert Hallはオペラハウス最大のホールで、音響効果を考慮し、内装が木で作られていることが大きな特徴だという。近年座席などは改修されたそうだが、その場合でもオリジナル同様に木を使った座席が受け継がれている。また、世界最大のパイプオルガンも設置されているが、このパイプオルガンは調音などに長い年月がかけられたそうで、オペラハウス完成から6年後にようやく設置が完了したという。

 これらホールだけでなく、オペラハウスの独特な建物の構造の詳細や、特徴的な場所も案内してもらえるので、外から眺めるだけとは異なるオペラハウスの魅力に触れられる点は大いに魅力と感じた。

 このオペラハウス公式ツアーは、日本語のツアーも用意され、ほぼ毎日開催されている。料金は大人25オーストラリアドル(約2000円)、子供18オーストラリアドル(約1440円)。詳しくは、オペラハウスのWebサイトに日本語ツアーの案内も用意されているので参照してもらいたい。

オーケストラのコンサートなどが開催される「Concert Hall」。音響効果を考慮して内装には木が利用され、奥には世界最大のパイプオルガンも設定されている(写真提供:Sydney Opera House)
こちらは、オペラなどを開催する「Joan Sutherland Theatre」。オペラハウス内には、大小合わせて6つのホールが用意されている(写真提供:Sydney Opera House)
Joan Sutherland Theatreの奥にある「Northern Foyers」。こちらでは、公演合間に飲み物を楽しんだり、レセプションが開催されることもある
Northern Foyersなど側面はガラス張りとなっており、ポートジャクソン湾などを一望できる
オペラハウス内のスタジオ「Intel Broadcast Studio」

 ところで、今回はオペラハウス内の放送スタジオ「Intel Broadcast Studio」も特別に案内してもらえた。Intel Broadcast Studioは、オペラハウスで開催されているコンサートやオペラなどのイベントを撮影、録音するとともに、外部にストリーミング放送するための拠点スタジオとなっている。中には、多数のモニターや大型のミキサーなど、放送に必要な機材が詰め込まれており、本格的なスタジオだということがひと目で分かる。

 撮影した映像や音声は、イベントの様子を収録した映像ソフトを製作する際に利用するのはもちろん、インターネット配信などにも利用されるとのことで、実際に、イベントの様子を4Kクオリティでライブストリーミングすることもあるそうだ。そして、4KライブストリーミングなどにXeon搭載サーバーが使われているという。スタジオ名からも分かるように、Intelの技術はこういった部分でも活用されている。

オペラハウスでの公演の様子を録画して映像作品に活用したり、ライブストリーミングもこちらから行なわれる
4KライブストリーミングにはXeonサーバーを利用しているという。このほか、マシンルームにはさまざまな機材が設置されていた

VRでビョークのパフォーマンスを楽しむ「Björk Digital」

 続いて向かったのが、シドニーの美術館「Carriageworks」だ。Carriageworksは、以前は鉄道の格納施設として利用されていた建造物だそうだが、現在は改装され、カフェを併設した美術館として活用されている。また、音楽イベントの会場としても活用されているそうだ。そのCarriageworksで、Vivid Sidney期間中に開催されていたのが、アイスランドのシンガーソングライター、ビョークのパフォーマンス映像を楽しめる「Björk Digital」だ。

シドニーの美術館「Carriageworks」。過去、鉄道の格納施設として使われていた建造物を改装して美術館として活用しているという
Carriageworks内部。鉄道の格納施設として使われていた頃の雰囲気が活かされている
以前使われていた施設がそのまま残されている部分も
テーブルも、いかにも美術館らしいデザインとなっている
中では音楽関連のイベントも開催されているという
カフェもあり、かなりお洒落な雰囲気となっている
Vivid Sidney開催期間中、Carriageworksではビョークのパフォーマンス映像を楽しめる「Björk Digital」を開催していた

 Björk Digitalは、最新のデジタル映像技術を活用し、アルバム「vulnicura」に収録されている楽曲のミュージックビデオを、VRヘッドセットを利用した実験的な映像作品として上映するというもの。ビョークといえば、前衛的な独特の世界観が大きな特徴となっているが、Björk Digitalで展開される映像作品も、非常に前衛的なものとなっていた。

 一部の作品映像はYoutubeで公開されているが、VRヘッドセットを利用し、360度視点を移動させながら鑑賞できるという点が、音楽作品として非常に斬新。VRヘッドセットを装着すると、目の前でビョークのパフォーマンスが展開され、その世界へと引きずり込まれてしまう。

 内容に関しては、言葉で表現するのが難しい。映像作品のため、こればかりは実際に見てもらうしかないが、実はわざわざシドニーまで足を運ぶ必要はない。実は、このBjörk Digitalは、6月29日から7月18日まで、「Björk Digital ―音楽のVR・18日間の実験」と題して、日本科学未来館で開催されることになっている。興味のある人、ビョークのファンは、ぜひとも足を運んで、ビョークの前衛的な世界に浸ってもらいたい。

Björk Digitalでは、VRなどの最新技術を活用し、5種類の実験的映像作品を楽しめる
内部ではこのようなVRヘッドセットを利用し、前衛的なビョークのミュージックビデオが楽しめる
björk:black lake
björk:stonemilker(360 degree virtual reality)

平澤寿康

うどん県生まれ。僚誌PC Watchなど、IT系の執筆を中心に活動。旅&乗りもの&おいしいもの好きで、特に旅先でおいしいものを食べるのに目がない。ただし、うどんにはかなりうるさい。