【イベントレポート】

【APEX2016】Zodiac、システムダウンから乗客を解放する機内エンタテイメントシステム「RAVE Centric」

2016年10月24日~27日(現地時間)開催

Zodiac Aerospaceのブース。同社のIFE関連製品のブランド「Rave」のキャラクターが大きく描かれている

 航空機シートなど機内設備の大手サプライヤーであるZodiac Aerospaceは、シンガポールのマリーナ・ベイ・サンズ・エキスポ&コンベンションセンターで開催されている「APEX EXPO 2016」で、独自コンセプトの機内エンタテイメントシステム(IFE:In-Flight Entertainment)を中心に展示した。

 すでに200機以上の航空機に採用されているという「RAVE Centric」は、各座席ごとに独立したシステムを持つ機内エンタテイメントシステム。ざっくり言えば、タブレットが各座席に取り付けられていると思うと分かりやすいだろう。

Raveのロゴ

 このシステムのポイントは、サーバーダウンで機内でエンタテイメントシステムが動作しないという状況を避けられること。また、システムは簡単な工具を用いることで脱着が可能なので、トラブルが発生した場合でもCA(客室乗務員)がすぐにバックアップと交換することで飛行中でもすぐに復旧できる。

 各システムには1TBのストレージを備えており、コンテンツなどはローカルにおいて置ける。また、それぞれのシステムは独立しているものの、機内のサーバーから制御が可能。例えば、機内安全ビデオを再生する場合には、機内サーバーから各システムへ配信して、それを強制的に表示するといったことができる。

 ディスプレイサイズは10.1インチ、11インチ、13インチ、15インチ、18インチを提供。現時点ではエアバス現行機との適合証明を受けている。ボーイングからの証明についても取り組みを進めており、まもなく利用できるようなる見込みとのことだった。

 また、同社ではIFEなどの機内システムのポートフォリオ強化を進めており、Kaバンドを使った機内インターネットシステムについてもエアバスからの適合証明を受けており、こちらについてもボーイングとの取り組みを進める。

各シートモニターそれぞれに機内エンタテイメントシステムに必要な機能を備えている「Rave Centric」
取り付け部は特許ということで撮影が許されなかったが、各座席に取り付けている端末はこのようなもの。ちょっと大きいタブレットという雰囲気で、フライト中でも簡単に脱着してシステムトラブル時に容易にバックアップ機と交換できる