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京都鉄道博物館、開業記念式典を実施

グランドオープンは4月29日

2016年4月28日 開業式

2016年4月29日 グランドオープン

来賓によるテープカット

 JR西日本(西日本旅客鉄道)は4月28日、グランドオープンを翌日に控えた京都鉄道博物館において、開業記念式典を実施した。

 式典は500系新幹線、581系寝台特急、489系特急が並ぶ本館1階で行なわれ国土交通省、文化庁、近畿運輸局長をはじめ、博物館および財団関係者、JRおよび関西私鉄関係者など210名が来場。京都鉄道博物館への期待の高さがうかがえた。

いよいよグランドオープンを迎える京都鉄道博物館
式典は500系新幹線などが並ぶ本館1階で行なわれた

 式典の冒頭、主催者を代表して挨拶を行なったJR西日本 代表取締役社長 真鍋精志氏は「京都鉄道博物館は7年前に構想いたしまして、2年前に工事を開始し、本日スタートを切ることになりました」と前置き。昭和37年(1962年)に大阪に開館した交通科学博物館と、昭和47年(1972年)に鉄道100周年記念行事として開設した梅小路蒸気機関車館の2つを統合。「地域と歩む鉄道文化拠点」をコンセプトに地域の発展に寄与するとともに、展示に数々の工夫を凝らし「子供から大人まで楽しんで体験していただける博物館を目指している」とした。

 また「実際の東海道新幹線、東海道本線、山陰本線と3つの鉄道が動いているのを眺めながら、博物館で鉄道を楽しんでいただける」と博物館の立地のよさをアピール。「屋上のテラスからは京都の市内を眺められ、京都にお越しになった皆さま方に京都とともに楽しんでいただける場所になったのではないかと思っている」と鉄道ファンだけでなく、多くの観光客にとって魅力的なスポットだと説明した。「京都鉄道博物館が、国際文化観光都市であります京都にふさわしいものになりますように努力をしてまいりたいと思っている」と締めくくった。

 続いて、来賓として国土交通省 近畿運輸局長 天谷直昭氏が登壇。「この博物館では皆さまに40年あまりにわたって愛され、重要文化財、また近代化産業遺産にも指定されている当館の扇形車庫を後世に伝承することを目的に存続させたほか、蒸気機関車から新幹線まで日本の近代化をけん引してきた貴重な鉄道車両が数多く収蔵されております。さらに来館者の皆さまが乗車していただける園内運行のSLスチーム号や、運転士の仕事が実感できる運転シミュレーターなど、体験型学習施設も整備されており、まさに鉄道のすべてを知っていただける施設ではないかと考えております」と施設の概要を説明。

 また、こういった施設が京都にオープンすることで「観光の振興や地域経済の活性化に多くの効果がもたらされる」と期待を寄せるとともに、「この博物館が幅広い世代の人々に鉄道日本の歴史、技術、安全、文化を学んでいかれることを通じて、将来にわたり鉄道が愛され続けることに大いに貢献していただけるものと確信しております」と述べた。

西日本旅客鉄道 代表取締役社長 真鍋精志氏
国土交通省 近畿運輸局長 天谷直昭氏

 京都市長 門川大作氏は京都には港や飛行場がなく「百数十年にわたって鉄道が京都の町を、京都のモノづくりを支えてきました。鉄道が人とモノを運び心をつなぎ、文化を支え、そして発展してきました」と、京都は鉄道と強い結びつきがあると話し、鉄道博物館にふさわしい場所であるとした。また、この地域は必ずしも活性化された地域ではなかったが、一足先に完成した水族館に鉄道博物館が加わることによって、京都駅西部地域の発展に夢が広がっていくと話した。

 この日、京都鉄道博物館との姉妹提携継続の調印式を行なった、英国国立鉄道博物館 館長 ポール・カークマン氏は「英国国立鉄道博物館は京都鉄道博物館と姉妹提携を継続できますことを大変誇りに感じています」と述べた。この姉妹提携は同博物館にとっては初の海外とのパートナーシップだったが、海外では唯一となる新幹線の展示を実現するなど、多くの交流を得るとができたとした。また、京都鉄道博物館については旧梅小路蒸気機関車館の魅力をすべて守りながら、21世紀型の素晴らしい施設へと進化を遂げているとし、京都の魅力を高める新しい目玉になると話した。

京都市長 門川大作氏
英国国立鉄道博物館 館長 ポール・カークマン氏

 式典の最後に京都鉄道博物館の館長を務める三浦英之氏が登壇。グランドオープンを明日に控えスタッフ一同、身が引き締まる思いをしていると前置きした上で、「基本コンセプトである“地域と歩む鉄道文化拠点”の実現」と「地元京都の皆さま方に愛され親しまれる博物館」を目指して、「地元の学校ですとか周辺施設、地元の商店街、地元の企業と連携を深めて地域の活性化に貢献したいと考えている」と話した。

 その一方で、「ご来館されるお客さまに楽しんで頂くとともに感動とひらめきを持ち帰っていただき、新しい発見をしていただくという運営をしていきたい」「将来にわたって常に進化する博物館を目指して、新しいことにもチャレンジしていきたい」「英国国立鉄道博物館と一層の連携はもちろん、鉄道系の博物館、科学博物館、それから京都には多くの博物館がございますので、そうした施設との連携にも取り組んでいきたい」と、運営面での目標にも言及。最後に「ゴールデンウィークには非常に多くのお客さまが来られると思いますので、お客さまの安全を第一に運営に取り組んでいきたい」と締めくくった。

JR西日本のイメージキャラクター中条あやみさんや、京都出身の俳優 西村和彦氏がゲストとして招かれていた
京都鉄道博物館 館長 三浦英之氏と公式キャラクター「ウメテツ」
関係者によるフォトセッション

(安田 剛)