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NTTドコモやANAなど、LTEを用いた地対空通信による機内インターネットサービス高速化の国内実験
最大27Mbpsでのインターネット通信に成功
2017年8月8日 18:51
- 2017年8月8日 発表
NTTドコモ、ENRI(海上・港湾・航空技術研究所 電子航法研究所)、ANA(全日本空輸)、パナソニック、ジャムコは8月8日、LTE技術を活用した地対空通信方式による航空機内Wi-Fiサービスの高速化実証実験に成功したことを発表した。
NTTドコモがVHF帯TD-LTEの地対空通信方式の無線通信システムを宮城県に構築し、併せて岩手県、宮城県、福島県上空での実験局免許を取得。ENRIが所有する実験用航空機「よつば号」に、パナソニックが開発した航空機用端末装置を搭載し、ANAが作成した立体的な検証ルートに基づき、ジャムコがよつば号を運航した。
実験は7月13日から8月1日にわたって行なわれ、実験基地局から高度最大2万8500フィート(約8700m)、半径最大93kmの上空エリアカバーを確認。航空機の巡航速度が230ノット(430km/h)の状態において、受信時最大27Mbpsの速度で地上と通信を確立した。この通信速度により、機内Wi-Fiサービスにおける利用シーンを想定したインターネット通信、メールやメッセージの送受信のほか、ライブ映像の視聴、電子雑誌の閲覧などのリッチコンテンツも地上と同様に機内で利用できることを確認したという。
現在商用化されている多くの機内インターネット接続は、航空機と地上との通信に衛星通信方式を使用しているが、地対空通信方式は航空機側装置を小型化できるメリットがあるとし、NTTドコモはさらにパートナー企業との連携を促進し、航空通信分野において技術向上に貢献、快適な通信サービスの利用を可能にしていくとしている。