ニュース

関空直結のエアロプラザに1泊6200円からのコンパクトホテル「ファーストキャビン関西空港」

3月30日開業。男女別ゾーンそれぞれに大浴場

2017年3月30日 開業

ファーストキャビン関西空港が3月30日に開業。28日に報道関係者向けの内覧会を実施した

 ファーストキャビンは3月30日、関西国際空港に直結するエアロプラザ3階に「ファーストキャビン関西空港」を開業する。それに先立つ3月28日、報道関係者向けの内覧会を実施した。

 ファーストキャビンは、飛行機のファーストクラスをイメージした「コンパクト&ラグジュアリー」をコンセプトとする、いわゆるカプセルホテルの形態のコンパクトな宿泊所となるが、“ラグジュアリー”が示すように品質の高いサービスを提供することを特徴とする。例えば、ホテルの支配人は高級ホテルのようにタキシードを着用し、レセプションでは当日予約をしている宿泊客の国籍の国旗を立てて迎える。また、リピーター客に対しては支配人からのウェルカムカードも用意するという。

 このファーストキャビン関西空港は、ファーストキャビンとして10店舗目、空港エリア内店舗としては「羽田空港」に次いで2店舗目、関西圏では「御堂筋難波」「京都烏丸」に次いで3番目の店舗となる。関空第1ターミナルに直結するエアロプラザの3階、ホテル日航関西空港も入っている建物の一角にオープンする。開業前ということでファーストキャビンの名前はテープで隠されていたが、エアロプラザの館内マップなども開業に向けて準備が進められていた。

 このエアロプラザは第1ターミナルに隣接しているので、第1ターミナル発着の航空便を利用する人にはもちろん便利な立地だが、第1/第2ターミナルの連絡バスもエアロプラザの脇に停留所があるので、第2ターミナルから第1ターミナルへ行く場合にもエアロプラザを通る必要がある、その意味では、エアロプラザ内は第2ターミナル発着の航空便を利用する人にとっても便利な立地といえるだろう。

エアロプラザはJR西日本/南海電鉄の関西空港駅を挟んで関空第1ターミナルの反対側にある建物。館内マップではまだテープで隠されていたが3階の突き当たりに位置する
ファーストキャビン関西空港の入り口
ファーストキャビン関西空港のレセプション
デザインコンセプトは「和」。行燈や格子のオブジェなど「押しつけがましくないぐらいの“和”」(同社の来海社長)の雰囲気にまとめている
予約者の国籍に合わせて国旗を用意してゲストを迎える
レセプションエリアにはグランドピアノもあり“ラグジュアリー”感を高めている。「FIRST CABIN」のロゴが入った壁は竹林のような透かし模様が入っている
レセプション脇にあるラウンジ。こちらは男女関係ないフリーエリア
2種類の椅子。左側がテーブル、右側がカウンター席で使われている
カウンター、テーブルともに、椅子1脚に対して1口のコンセントを備えている
ラウンジの奥には清涼飲料水とアルコールの自動販売機と喫煙所
レセプションには関空の発着案内をリアルタイムに表示するディスプレイも備えている

 客室は上下1段のいわゆる“キャビンタイプ”で、男性用が94キャビン、女性用が59キャビンの計153キャビン。男性と女性はゾーンが完全に分かれており、カードキーをかざさないとそれぞれのエリアには入れないようになっている。男性ゾーンは3階と2階に分かれており、階段で行き来する。女性ゾーンは3階のみに収まっている。

 男性、女性それぞれのゾーンも「ファーストクラス」「ビジネスクラス」と2クラスのキャビンに分かれており、男性用ファーストクラスキャビンが9キャビン。女性用ファーストクラスキャビンが12キャビン、残りがビジネスクラスキャビンとなる。

 ファーストクラスキャビンは4.4m2で、120cm幅のセミダブルベッドを装備。キャビン内に靴のまま入ることができるほか、サイドテーブル、ベッド下に広めの鍵付きセーフティボックスを備えるといった特徴がある。

 ビジネスクラスキャビンは2.5m2で、100cm幅のベッドを装備。ビジネスバッグ程度のサイズを収納できるセーフティボックスを備えるほかは、キャビン全体がベッドになっている、カプセルホテルらしい作りだ。

 ただ、両キャビンともに高さが2.1mあるので、キャビン内での閉塞感はそれほどないほか、32インチの液晶テレビ、Wi-Fi(無線LAN)インターネット、枕元のAC電源など設備は必要十分。テレビはイヤフォンのみで音を聞けるようになっている。ちなみにエアコンは温度が一元管理されており、各キャビンの風量のみ調整が可能。必要に応じて追加のシーツを無料で借りられる。

 ちなみに、各キャビンの扉には鍵はない。荷物は各キャビンのセーフティボックスのほか、各ゾーンにいくつかのオープンなスーツケース置き場がある。荷物チェーンの貸し出しサービスがあるほか、レセプションでもクロークサービスを行なっている。

 宿泊料金はファーストクラスが7200円、ビジネスクラスが6200円。チェックインは19時、チェックアウトは10時。2時間からのショートステイにも応じており、この料金はファーストクラスは1時間あたり1000円、ビジネスクラスは1時間あたり900円となっている。

ビジネスクラスのキャビン
ベッドは100cm幅。脇に幅20cm程度のカウンターがある
カウンターの入り口寄りの部分にセーフティボックスがある
ビジネスクラス、ファーストクラスともに32インチのテレビを装備。音声はイヤフォンでのみ聞ける
AC電源を2口装備。ダイヤルはライトの光量調整とエアコンの風量調整
ハンガー
ビジネスクラスキャビンが並ぶ廊下。ビジネスクラスは扉を上下に開閉する
ファーストクラスキャビン
ファーストクラスキャビンは120cm幅のセミダブルベッドを備えるうえに空いたスペースがあり、サイドテーブルも置かれている
ファーストクラスキャビンは横に開く扉
ファーストクラスキャビンが並ぶ廊下
ベッドサイドのスペースには土足で上がれる
ベッド下にセーフティボックスを装備。飛行機の機内に持ち込めるサイズ程度は入りそうで、短期滞在で一般的に持ち歩くであろう荷物量に対しては十分な大きさがある
ファーストクラスキャビンは枕もセミダブルサイズのものを追加で備えている
ハンガー
鏡があるのもファーストクラスキャビンの特徴
ベッドサイドにAC電源2口とデジタル時計、光量調整とエアコン風量調整ツマミ
サイドテーブルの脇にもAC電源を1口装備。こちらにも光量調整でき、2つのライトを独立して光量調整できる
パジャマとバスタオル、フェイスタオル、ウォッシュタオル(ハンドタオル)、歯ブラシが標準で付く
パジャマは男性用がネイビーブルー調のものにグレーのロゴマークをあしらったもの。女性用がチャコールブラウン調のものにピンクのロゴマークがあしらったものと違いがある
ところどころに備えているスーツケースなどを置くためのスペース。荷物チェーンの貸し出しもしている
無料で貸し出しているものを置いているスペースも各エリアに1~2カ所ずつあり、加湿器、除菌消臭剤、追加の毛布、ズボンプレッサーが置かれていた

 男女ゾーンそれぞれに大浴場を備えるのも特徴。キャビン数が多いので男性用の浴場の方が広く、カランスペースの数も多い。それぞれがパーティションで仕切られており、シャワーが隣の人にかからないようにしている。また、特に外国人を中心に“裸の付き合い”が苦手な人がいるなどの理由で、シャワー室も男性3ブース、女性2ブース備えている。

 パウダールームも男性と女性では装備が異なっており、女性ブースには資生堂の化粧水や乳液、メイク落とし、洗顔料を備えていたり、ヘアアイロンを備えていたりする。一方の男性ブースにはひげ剃りやシェービングウォッシュ&ローションなどを備えている。また、シャンプー、リンスといったトイレタリーも男女で異なるものを用意している。

 バスエリアには男女ともにコインランドリーも備えており、洗濯300円、乾燥30分あたり100円で利用できる。

男性ゾーン。入り口は非接触IC型のカードキーで開ける
大浴場へ向かうエリアにパウダールーム
ドライヤーは1席に1個ずつ備わっている
男性向けパウダールームにはひげ剃りやシェービングウォッシュ&ローションなどを用意
中長期のステイにも便利なコインランドリー
シャワールームも3ブース用意
シャワールームは扉のなかに脱衣スペースがある
トイレタリーは大浴場と同じものを一通り揃える
男性用の大浴場
大浴場の脱衣所
カランは8ブース。パーティションで区切られている
シャンプー、コンディショナー、ボディジェル、シェービングウォッシュ
トイレもアートが飾られるなど和の雰囲気を醸し出す。個室はTOTOのウォシュレットを採用している
女性ゾーンもカードキーを使って入るが、レセプションから客室入り口までがL字になっており、外から客室が一切見えない構造になっている
女性用のパウダールーム。客室数に応じて、ここの座席数も男性用より少ない
資生堂の化粧水や乳液などを備えている
一部座席のみではあるがヘアアイロンも用意。通常のドライヤーは全席に備わっている
右側の2ブースがシャワールーム、左側の2ブースがトイレ
シャワールームの構造は脱衣所がある点も含めて男性用と同じ
トイレタリーは男性用とは異なる。洗顔料やメイク落としも備えている
コインランドリー
女性用の大浴場
女性用大浴場の脱衣所
女性用大浴場のカランは4ブース
男性用とは異なるトイレタリーを備えている
女性ゾーンの奥には窓があり、カーテンの裏側にまわると関空の第2滑走路を望むことができる(写真はカーテンを開けて撮っているが通常は閉められている)
ファーストキャビン関西空港

所在地:大阪府泉佐野市泉州空港北1(エアロプラザ3階)
開業日:2017年3月30日
客室数:153室(男性94室、女性59室)
料金:
 ファーストクラス:宿泊7200円、ショートステイ1000円(1時間あたり)
 ビジネスクラス:宿泊6200円、ショートステイ900円(1時間当たり)
 ※ショートステイは2時間から利用可
利用時間:チェックイン19時、チェックアウト10時(19時~10時は宿泊利用優先、10時~12時は大浴場使用不可)
Webサイト:ファーストキャビン関西空港
TEL:072-456-5526

株式会社ファーストキャビン 代表取締役社長 来海忠男氏

 ファーストキャビン関西空港の開業に際して、代表取締役社長の来海忠男氏は「関空エリア内で開業できることは、すごく喜ばしいことであるとともに、関空は日本を代表する空港として成長力は一番。日本の観光産業、関空の成長に寄与できれば」と豊富を述べ、「この建物はホテル日航関西空港があり、法的カテゴリとしてはホテルになるので、出店しやすい場所を関空に配慮してもらったことが(開業)実現の一番の要因」と、関西エアポートとの協力関係も強調した。

 ファーストキャビンは事業開始から9年目の2017年、4月11日に「ファーストキャビン長崎」、4月17日に「ファーストキャビン京橋(東京)」を開業予定で、2月7日に開業した「日本橋よこやま町(東京)」と合わせて、すでに4店舗が開業または開業予定となっている。今後も、阪神電鉄所有の不動産を利活用した店舗を西梅田に出店することや、嵐電(京福電鉄)「嵐山駅ビル」への出店、JR西日本との合弁会社設立など、矢継ぎ早に店舗の新規開業や新事業の展開を発表している。

 来海氏は「フランチャイズ、運営のみをファーストキャビンが担う、オーナーが投資したものに対して賃料を払って運営する、自ら投資して運営し賃料を払うといった事業パターンがあり、(出店場所としては)古いビル、新築のビル、大規模商業施設に出店するといったパターンがある。2015年まではこれらのパターンを順番に実施してきたが、結果的に90%以上の稼働率を維持し、年々単価も上がっている。こうしたことで結果を出し、(オーナーや経営者に)利益を還元できていることが信頼につながり、さまざまなところからお声掛けいただいている」と説明。先述の阪神や嵐電のほかにも、不動産所有の多い鉄道会社などから出店の声をもらっているという。

 こうした背景として、不景気によってオフィスビルに空きがあることも理由に挙げる。古いオフィスビルをホテルに転換するのは法的な制約から投資額も大きくなるが、設計事務所を母体とする同社のノウハウを活かせば、簡易宿泊施設に転換して利活用することができるとする。現状、都市部を中心にホテル不足が叫ばれる現状もあり、高品質、低コストなホテルを開業する手法としてアピールしている。また、リゾートの不動産活用も検討されており、リゾート地でのファーストキャビン開業も2018年には実現したいとした。

 こうした既存不動産の利活用を中心に、2018年以降は年間最低10店舗を開業、2022年に国内外合わせて100店舗の開業を目指す。海外展開についても、日本と同じように不動産価格が高く、利活用されていない不動産が多い大都市を狙うとしている。例えば、欧米の大都市であるパリやニューヨークなどは日本以上に古い建物が多く、一方で必ずしもそれらがすべて有効利用されているとはいえず、日本同様のファーストキャビンによる利活用が考えられるとしている。

 ちなみに、同じ空港内店舗となる羽田空港の稼働率は「109%」で、これはショートステイの売り上げを1泊単価に割り戻して加えた結果。関空の店舗についても95%の早期達成を目標に掲げ、「最近のファーストキャビン新店舗はリピーターの方で最初の予約が埋まってきており、初期から(稼働率が)高め」と話した。

 一方で、定価でのみ提供している羽田空港とは異なり、関空の店舗については、存在や知名度向上のために季節や時間帯などでの価格施策を行なう可能性もあるとした。