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JAL、就航60周年を迎えた福岡~那覇線の記念セレモニーを福岡空港で実施

国際線から国内線へ、近代史に足跡を残す路線

2016年9月13日 実施

 JAL(日本航空)は、2016年9月13日に福岡~那覇線が就航60周年を迎えたことを記念したセレモニーを、JTA53便(福岡9時25分発~那覇11時05分着)の出発ゲートで実施した。

 JALによる福岡~那覇線は、1956年9月13日、当時米国統治下にあった沖縄と福岡を結ぶ「国際線」として、プロペラ4発機のDC-4型機を用いて週2便で運航を開始。これは戦後、JALがノースウエスト機材での運航から自主運航に切り替えた1952年10月25日から約4年後のこと。1954年11月25日に開設した福岡~羽田線、1955年11月18日に開設した福岡~伊丹線に次ぐ3番目の路線として開設された。ちなみに福岡空港は、1956年9月に木造の官民合同ターミナルビルが完成。そのタイミングでの那覇線開設でもある。

 1972年の沖縄返還後は「国内線」として運航。現在は、JALと沖縄企業が合弁で1967年に設立した南西航空(SWAL)を前身とする、JTA(日本トランスオーシャン航空)が1日6往復を運航。機材はジェット機のボーイング 737-400型機または737-800型機になっている。

1956年の福岡~那覇線で使用されていたDC-4型機
1956年当時の福岡~那覇線の時刻表
日本航空株式会社 九州・山口地区支配人 溝之上正充氏

 セレモニーで挨拶したJAL 九州・山口地区支配人の溝之上正充氏は「今からちょうど60年前の1956年、昭和31年の9月13日、福岡としては羽田、伊丹に次いで3番目の路線として、福岡~沖縄線が開設された。当時の沖縄はまだ返還前だったので国際線。パスポートが必要な時代だった。就航当時はDC-4型機で、福岡から沖縄まで約3時間をかけて運航していた。1日ではなく、週に2便。お客さまは年間約3000名と聞いている。当時、まだ今のように割引運賃が多彩ではない頃で、往復割引で3万3800円。当時の大学卒の初任給を調べると5600円。だいたい6倍になるので、今の値段でシンプルに計算すると、日本とヨーロッパをビジネスクラスで往復するような感覚」と当時の福岡~那覇線を説明。

 現在の同路線については「ボーイング 737型機を使用して1日6便。お客さまは年間44万人を数える、大きな路線に成長している。観光はもちろん、多くのビジネスのお客さまに選んでいただいている路線。2001年に路線の一部、2010年には路線のすべてを現在の日本トランスオーシャン航空に移管している。それもあって、那覇から丸川社長、そして今日乗務する予定の漆下CAにも福岡出身ということで来てもらっている」と紹介した。

 さらに、「JTAは来年、創業50周年を迎える歴史ある会社。ご利用いただくボーイング 737-800型機は、今年の2月以降に導入したピカピカの新造機。エコノミークラスは座席の間隔が広くて本革シート。LED照明もご好評いただいている。クラスJには沖縄伝統工芸の紅型のデザインを取り入れているので、そちらにも着目してほしい」と、乗客に呼びかけた。

 最後に、「人間でいうと還暦を迎えたこの那覇~福岡線だが、福岡、沖縄のビジネスのお客さまに選ばれ、沖縄の魅力を我々も十分に情報発信して観光の多くのお客さまにも愛される路線にしていきたい」とさらなる発展に意欲を示した。

ミス沖縄・スカイブルーの奥濱安奈さん

 続いて、2016 ミス沖縄・スカイブルーの奥濱安奈さんが沖縄の“今のお勧め”と“これからのお勧め”を紹介。「この時期になっても夏まっただなかの沖縄では、太陽の光が燦々と降り注いでいます。日本唯一の亜熱帯気候の島、沖縄では、10月中旬まで海水浴を楽しめます。エメラルドグリーンに輝く海や、真っ白な砂浜、色鮮やかなサンゴやかわいらしい熱帯魚たち。そんな美しい沖縄の海でのダイビングやシュノーケリングなどのマリンスポーツでは、想像を超える楽しみが待っています。また、紫外線の量は7月、8月のピーク時よりぐんと落ち着き、平均気温は25℃前後と、外での散策も楽しめる季節になります」と、この時期にも温暖な沖縄の魅力を語った。

 加えて、「この時期のお勧めは沖縄を代表する首里城での散策です。私の今回のお勧めは秋の祭典『中秋の宴』。人間国宝による古典芸能など秋の沖縄を存分に楽しんでいただけます。そんな首里城でのお祭りや、パワフルなエイサーステージなど、この時期、沖縄では県内各地で盛大なお祭りを毎週末のように楽しんでいただけます。この時期にしか味わえない秋の沖縄を、皆さま、ぜひ満喫してください」と紹介した。

 セレモニーではその後、ミス沖縄・スカイブルーの奥濱さんから溝之上支配人への花束贈呈やフォトセッションが行なわれ閉式。搭乗が開始されると、乗客へは記念品を配布した。

 記念品は、福岡~那覇線60周年の記念ロゴとJAL九州地区スタッフからのメッセージが書かれたポストカードや、JTAの「ジンベエジェット」のクリアファイル、沖縄の観光情報パンフレットなど。

ミス沖縄・スカイブルーの奥濱安奈さんから、JAL 九州・山口地区支配人の溝之上正充氏へ花束を贈呈
セレモニーには、日本トランスオーシャン航空株式会社 代表取締役社長 丸川潔氏(右から3番目)や、福岡出身の日本トランスオーシャン航空 漆下由貴CA(右から2番目)、沖縄観光PR大使の花笠マハエちゃんも参加
搭乗客にはセレモニー列席者から記念品が配布された
記念品はジンベエジェットのクリアファイルやポストカード、沖縄観光情報パンフレットなど
ポストカードはレンチキュラーになっており、角度によってジンベエジェットとジンベエザメの絵柄が現われるもの

 この日のJTA53便は、ボーイング 737-800型機の登録記号「JA02RK」の機体。駐機場から滑走路へ向かう同機は、記念の横断幕や地上スタッフに手を振って見送られながら那覇空港へ向けて旅立った。

 なお、この福岡~那覇線の60周年を記念した「福岡~沖縄(那覇)線就航60周年記念キャンペーン」が、9月13日に開始された。福岡空港または北九州空港を発着するJAL運航の全路線を対象に、JMB(JALマイレージバンク)会員がマイル積算対象運賃で2回搭乗するごとに、福岡~那覇線の往復航空券や、JALプライベートリゾートオクマのペア宿泊券などが当たるもの。キャンペーン対象の搭乗日は9月13日~12月21日。詳しくはキャンペーン専用Webサイトを参照してほしい。

福岡~那覇線就航60周年を記念したキャンペーンも開始
福岡空港10番スポットに駐機するJTAのボーイング 737-800型機(登録記号:JA02RK)
プッシュバックが始まると手を振って見送り
プッシュバックが終わり、トーイングカーの切り離しなどが行なわれ出発準備が完了
滑走路へ向かう同機をスタッフが手を振って見送った