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プラス410円でゆったり座って快適出勤! 通勤時間を有効に使える京成モーニングライナーはビジネスパーソンの強い味方

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プラス410円で朝の混雑を避けて、仕事や情報収集など通勤時間を有意義に過ごせるモーニングライナーに乗ってみた

 東京都心に勤務するビジネスパーソンにとって、混雑する毎朝の電車通勤がストレスの人も多いのではないだろうか。

 ダイヤ改正や新車両導入など鉄道会社の努力もあり、近年は通勤ラッシュの混雑状況も緩和傾向ではあるが、それでも全員が座ってゆったり通勤というわけにもいかず、満員の車内で長時間立ったままというのは仕事前にかなり体力を消耗し、右手にカバン、左手は吊革で新聞やスマホを見ることも困難という状況もまだまだあり得る。

 なんとか座れないものかとホームで電車を1~2本見送り、チャンスを待つ人もいるかもしれないが、寒い/暑いホームで列に並ぶのもなかなかストレスとなり、待ち時間がもったいない。そして同じ狙いでホームに滞留する人が増えれば、それだけホームの混雑にもつながる。

 そういったなか、近年注目を集めているのが有料座席指定列車だ。乗車するには運賃以外に別途料金が必要とはなるが、座席指定で確実に着席できるため、ゆったりと通勤でき、車内での時間を有意義に過ごせる点が大きな魅力となっている。そこで今回は、京成電鉄が運行している有料座席指定列車「モーニングライナー」を実際に利用しながら、その魅力を紹介したいと思う。

ダイヤ改正や新車両導入など鉄道会社の努力もあり、近年は通勤ラッシュの混雑状況も緩和傾向ではあるが、それでも日々のストレスの一つではある

モーニングライナーなら必ず着席できる

 まずはじめに、京成電鉄が運行しているモーニングライナーがどういった列車なのか確認しよう。モーニングライナーは、成田空港駅または京成成田駅から京成上野駅までを、京成本線経由で運行している有料座席指定列車だ。平日と土休日で運行ダイヤに違いはあるが、京成成田駅を5時台と6時台に出発する2本と、成田空港駅を7時台と8時台に出発する2本の、合計4本を毎日運行している。

 停車駅は、成田空港駅、空港第2ビル駅、京成成田駅、京成佐倉駅、八千代台駅、京成船橋駅、青砥駅、日暮里駅、京成上野駅の全9駅(京成成田駅始発の電車は、成田空港駅と空港第2ビル駅には停車しない)。成田空港駅から京成上野駅までの到達時間は、最短1時間12分だ。

モーニングライナーは、成田空港駅または京成成田駅から京成上野駅間を、京成本線経由で結ぶ有料座席指定列車だ
京成成田駅を5時台と6時台に出発する2本と、成田空港駅を7時台と8時台に出発する2本の、合計4本を毎日運行

 モーニングライナーに乗車するには、通常の乗車券以外に、モーニングライナー券(特急券)が必要となる。乗車券以外に、定期乗車券や回数券を利用する場合でも、モーニングライナー券を購入すれば乗車可能。モーニングライナー券の料金は、乗車駅、下車駅に関係なく一律410円(小児は210円)だ。

モーニングライナーの乗車に必要なモーニングライナー券は、410円の一律料金だ

 このモーニングライナー券は座席指定券も兼ねている。つまり、モーニングライナーは全席指定で、確実に着席できるのだ。通勤時間帯の一般の電車でも、始発駅から乗車するというのであれば着席できる可能性も高まるが、途中駅からの乗車では着席できることは希で、ほとんどの場合は立ったままの移動となる。しかし、モーニングライナーであれば、途中駅から乗車する場合でも確実に着席できる。これから仕事に向かうビジネスパーソンにとって、これは大きな魅力となるはずだ。

モーニングライナーは全席座席指定。確実に着席して通勤できる

 また、1か月間毎日モーニングライナーに乗車できる、定期券のようなチケット「モーニングPASS」も販売されている。乗車するモーニングライナーの列車と座席をあらかじめ指定して販売しており、料金は8000円(大人料金のみ)。京成成田駅、八千代台駅、京成船橋駅の定期券発売所と、京成佐倉駅窓口で、毎月25日から月末の期間に翌月分を販売している。価格は8000円とやや高価に感じるかもしれないが、1か月間に20回以上モーニングライナーに乗車するなら、モーニングPASSの利用がお得となる。加えて、モーニングPASSは無記名チケットのため、購入者以外も利用できる。例えば、曜日によって家族で使い分けたり、平日は親、休日は子供が使う、といったことも可能だ。

1か月間毎日モーニングライナーに乗車できる「モーニングPASS」。1枚8000円なので、期間中20回以上乗車するならこちらがお得だ

「スカイライナー インターネット予約サービス」ならポイントも貯まる!

 モーニングライナー券を購入するには、いくつかの方法がある。まず、通常の購入方法となるのが、停車駅に設置されているライナー券売機で購入するというものだ。

 購入時には、乗車したい列車を指定するとともに、座席表を見ながら座りたい座席を指定できる。駅によって異なるが、出発時刻が近づくと、空いている席が自動的に割り当てられる仕組みになる。

 とはいえ、出勤当日の朝、乗車直前に券売機でモーニングライナー券を購入するのは慌ただしいし、時間がなくてモーニングライナー券を買えず乗車できなかったということもあるだろう。そんなときに活用したいのが、モーニングライナー前売券だ。モーニングライナー前売券は、京成上野駅の前売券発売カウンター、日暮里駅の乗り換えきっぷ売場、空港第2ビル駅と成田空港駅のスカイライナーカウンター、JTB、日本旅行、近畿日本ツーリストにおいて、乗車日1か月前から販売している。翌日以降でモーニングライナーを使いたいという場合には、これらの販売場所でモーニングライナー前売券を購入すればいいだろう。

モーニングライナー券は、停車駅のライナー券売機で購入する。京成成田駅では改札外のライナー券売機で購入できる
こちらは京成船橋駅のライナー券売機。改札内コンコースに設置されている
購入できる対象のモーニングライナーが表示されている
モーニングライナー券購入手順
ライナー券売機で乗車人数を選択する
窓側や通路側といった指定もできる
座席は、号車や座席を直接指定することも可能だ
最後に、人数分の料金を支払えば購入完了
購入したモーニングライナー前売券を提示して乗車する

 ただ、これらの販売所でのモーニングライナー前売券を購入するよりも、もっとお勧めしたい方法がある。それが、PCやスマートフォンを利用して、モーニングライナーやイブニングライナー、スカイライナーのライナー券を購入できる「スカイライナー インターネット予約サービス」だ。

 購入時には、ライナー券売機で購入するときと同じように、座席表を見ながら好きな車両や座席を指定でき、当日朝にモーニングライナーに乗車したいと思った場合でも、家を出て駅に着くまでの間にスマートフォンでモーニングライナー券を購入できるため、時間を有効に活用できるという意味でも非常に便利だ。

 そして、乗車時には駅の改札などでスマートフォンに「ネットライナー券」画面を表示して見せるだけだ。このように、インターネット予約サービスの利用は非常に利便性に優れるため、モーニングライナーを利用するならチケットレスサービスの利用を強くお勧めしたい。ちなみに当日分だけでなく、翌日以降のモーニングライナー券を、乗車1か月前から予約・購入することが可能だ。

PCやスマートフォンでモーニングライナー券を予約・購入できる「スカイライナー インターネット予約サービス」
インターネット予約サービスを利用すれば、いつでもどこでもモーニングライナー券を予約・購入できる。時間の少ない朝でも非常に便利だ
よく利用する区間をお気に入り区間として登録しておけば、より簡単に購入できる
インターネット予約サービスでの購入手順
インターネット予約サービスにログインして、乗車日、乗車駅、降車駅、乗車時間帯を指定
表示される列車一覧から乗車したいモーニングライナーを選択する
選択した列車の情報を確認して、問題なければ「Webで購入(チケットレスサービス)」を選択
乗車人数を入力して、座席を自分で選びたい場合には、画面下の「座席表から席を選ぶ」を選択
号車と座席表から座席を選択する
号車と座席の選択が終了したら、確認して「この内容で購入」を選択
一覧から支払い方法を選択して決済を行なう
最終的に内容を確認して、パスワードを入力すれば決済が行なわれ購入作業完了となる
乗車時には、スマートフォンの画面に「ネットライナー券」を表示させて見せればよい

 インターネット予約サービスでは、決済にクレジットカードを使うのもよいが、ID決済サービスの利用がお勧めだ。

 利用できるID決済サービスは「リクルートかんたん支払い」「楽天ペイ」「Yahoo!ウォレット」の3種類。ID決済サービスなら、各サービスに登録されているクレジットカードなどで決済が行なわれるので、インターネット予約サービスに改めてクレジットカード情報を登録する必要がない。しかも、各ID決済サービスでの購入なら、それぞれが提供しているポイントプログラムのポイントも貯まり、ポイントでの購入も可能になるので、かなりお得だ。

インターネット予約サービスでの購入時にID決済サービスを利用すれば、それらのポイントも貯められるのでお得だ

混雑を横目に、スカイライナーと同じ3代目AE型電車にゆったり座って通勤

 モーニングライナーに使用されている車両は、スカイライナーと同じ3代目AE型電車だ。座席は、一般的な通勤電車のロングシートとは異なり、リクライニング可能なクロスシートを採用している。

 座席の横幅は47cmと広く、とてもゆったりしている。これなら、新聞を読む場合でもよほど大きく開かない限り隣の乗客の邪魔になることはなさそうだ。同様に、前後のシートピッチも105cmとかなり広く取られている。足を組んだり、前方に足を投げ出して座るのはもちろん、座席前方にカバンを置いても窮屈さを感じることなくゆったり座れるのもうれしい。

モーニングライナーにはスカイライナーで利用されている3代目AE型電車が使われている
座席はゆったりとしたクロスシート。座り心地もよく、快適に過ごせる
リクライニングが深いので、仮眠もしっかり取れる
シートピッチも広く、前に荷物を置いても楽々座れる
座席の幅が広いので、隣に乗客がいても楽々新聞が読める

 今回は、実際に京成成田駅から京成上野駅までモーニングライナーに乗車したが、やはり3代目AE型電車の座席はいつもの通勤列車と比べものにならないほどに快適だった。包み込まれるような座り心地のシートは、身体への負担が非常に少なく、とても楽だ。シートのリクライニングもかなり深いので、寝不足の場合には目的地まで寝て移動するのもよさそうだ。しかも、座席以上の乗客が乗ってくることがないため、混雑と無縁の車内でリラックスして通勤できる。

 座席には大型のテーブルも完備。食べ物や飲み物を買い込んで乗車し、車窓から見える途中駅や通過列車の混雑を横目に朝食を取りながら移動できるのも、一般の通勤列車にはない優位点だ。さらに、全座席にコンセントを完備しているので、ノートPCを広げて仕事の準備をしたり、スマートフォンの充電も可能。乗車時間をいろいろな用途に活用できるという点も、モーニングライナーを利用する大きな魅力と感じた。

実際に京成成田駅からモーニングライナーに乗車してみた
京成成田駅では、モーニングライナーは専用の3番乗り場から出発する
専用ホームが使われ、全席座席指定のため、ゆっくり乗車できるのもうれしい
取材日も朝の通勤ラッシュでホームは混雑していた
座席には大きなテーブルが用意されており、ノートPCを開いて作業も行なえる
全座席にコンセントがあるので、ノートPCの利用も安心。スマートフォンの充電も、もちろん可能だ
一般の通勤列車ではまず不可能な、朝食をとりながらの移動も可能だ
座席数以上の乗客が乗り込んで来ないので、車内は混雑と無縁。快適な環境で気持ちよく出勤できる

 このほかにも、3代目AE型電車にはいろいろな設備が整っている。例えば各車両には大型スーツケースを余裕で収納できる荷物置き場が用意されている。大きな荷物を持って出勤しなければならない場合でも、混雑の激しい通勤列車と違い、気兼ねなく乗車できる。また、大型の多機能トイレや洗面台も用意されているのもうれしい部分。さらに、飲み物の自動販売機やリフレッシュスペースも用意されているので、モーニングライナーに飛び乗ったあとに飲み物が欲しい場合でも安心だ。

 1時間少々で到着した京成上野駅には、いつものような満員電車で揉まれた倦怠感もなく、爽快にホームへと降り立つことができた。今日1日、ベストコンディションで仕事に臨めそうだと感じながら、勤務先へ足を運ぶのだった。

各車両に大型の荷物置き場を用意。大きな荷物を持って出勤しなければならない場合でも安心だ
多機能トイレがあるため、いざという時も安心
洗面台で身だしなみも整えられる
飲み物の自動販売機を備えるリフレッシュスペースも用意。喉が渇いても大丈夫だ
疲れもなく、爽快な気分で京成上野駅に到着。今日1日清々しく過ごせそうだ

410円なら積極的に利用したい、そう感じさせるだけの魅力は十分あり!

 このように、実際にモーニングライナーに乗車することで、快適な車内環境やゆったりとした座席で、体力や精神を消耗することなく通勤できるという魅力を十二分に実感できた。しかも、座席では新聞を読んだりノートPCを使ったり、朝食を食べたりと、普段の通勤列車ではまずできないことに利用できるという点も、大きな利点と感じた。筆者でなくとも、一度モーニングライナーに乗車すると、通勤時には毎日モーニングライナーを使いたいと思ってしまうはずだ。

 ただ、モーニングライナーは410円の料金がかかる有料の有料座席指定列車だ。通常の運賃以外にかかる料金なので、通勤手当で認められるはずもなく、基本的には自腹での購入となるだろう。そうなると、筆者のように少ない小遣いをやりくりしている身からすると、毎日の利用をためらってしまう。

 とはいえ、確実に着席できることによって体力を温存できるうえに、乗車中の時間も有効に活用できるという点は、410円という料金を十分に補ってくれるメリットと感じたのも事実だ。もし筆者が京成線沿線に住み、毎日都心へ通勤していたなら、毎日のコーヒー1杯をやめてでもモーニングライナーを使うようにしたかもしれない。それほどまでに魅力があると感じた。

 もちろん、昨日の疲れでぐったりしている、今日は朝から絶対に失敗できない会議や商談がある、今日は忙しいから体力を温存したいという場合に利用するだけでも、その魅力を十分に実感できるはずだ。そういう意味でも、まず1度モーニングライナーに乗車して、その魅力を体感してもらいたい。そして、快適な通勤から始まる、活力あふれるビジネスライフを満喫してもらいたい。