SIMフリースマホで海外SIMを使おう!

オーストラリア「Optus」

2オーストラリアドルで1日500MBのLTE高速データ通信が可能

プロジェクションマッピングでライトアップされたシドニーのオペラハウス

 今回は、オーストラリア第2位の通信事業者「Optus」が発売しているプリペイドSIMを取り上げる。2016年6月上旬に、取材でシドニーを訪れた際に購入した。購入場所は、シドニー(キングスフォード・スミス)国際空港内にあるOptusカウンターだ。

 Optusのカウンターは、税関を抜けた先の到着ロビーにある。到着ロビーに出て右側を眺めると、黄色い看板を掲げたカウンターが見えるので、すぐに分かるはずだ。

シドニー国際空港到着ロビーにあるOptusカウンター。黄色い看板なのですぐ見つけられる

 カウンターでは、慣れた係員が手際よく説明と設定を行なってくれる。データ通信できるプリペイドSIMが欲しいと伝えると、滞在日数を聞かれ、最適なプランが提示される。今回は滞在日数が4日間で、基本的にデータ通信さえできればいいと伝えると、「DAILY PLUS」というプランが提示された。これは、2オーストラリアドル(約160円、1オーストラリアドル=80円換算)で1日あたり500MBのデータ通信が行なえるプリペイドプラン。データ通信だけでなく、オーストラリア国内の通話とSMS/MMSも無料、かつ無制限で利用できる。

 価格は、SIMパッケージの販売価格が2オーストラリアドル(約160円)で、そのほかに利用日数分の使用料が必要となる。今回は、4日分の料金と合わせて10オーストラリアドル(約800円)で購入した。なお、購入時にはパスポートの提示が必要なので、用意しておこう。対応するSIM形状は、1パッケージでSIM、microSIM、nanoSIMすべてに対応しているため、利用するスマートフォンを問わない。

 スマートフォンへのSIMの装着や初期設定は、利用するスマートフォンを店員に渡せばすべてやってくれる。念のため、渡す前に表示言語を英語に変更しておいたほうがいいだろう。データ通信が行なえるところまで確認してから戻してくれるので、とても楽だ。なお、オーストラリア国内の量販店などでも、プリペイドSIMのパッケージは購入可能なようだが、その場合には初期設定を自分で行なう必要がある。シドニーを訪れてOptusのプリペイドSIMを入手したい場合には、できればシドニー空港のカウンターで購入してしまうのがお勧めだ。

ほとんどの購入者が選択していると思われる、2オーストラリアドル(約160円)で1日あたり500MBのデータ通信が行なえるプラン「DAILY PLUS」をアピールする看板
OptusのプリペイドSIMカードのパッケージ。このパッケージは2オーストラリアドル(約160円)で販売されており、複数あるプリペイドプランから自由に選択できる
SIM形状は、1枚でSIM、microSIM、nanoSIMのすべてに対応
購入時にスマートフォンを渡せば、SIMの装着から設定、通信の確認まですべてやってくれる。ただし、渡す前に言語は英語に変更しておいた方がいい

 Optusが提供しているLTEの周波数帯域は、700MHz(Band28)、1800MHz(Band3)、2300MHz(Band40)、2600MHz(Band7)の4種類だが、今回利用したASUSのZenFone 2はBand3とBand28に対応しているため、問題なくLTEの電波を掴んだ。日本国内で販売されているSIMフリースマートフォンでは、ほとんどすべての製品がBand3に対応しているため、そのほかのSIMフリースマートフォンでも問題なくLTEにつながるはずだ。

 LTE接続時のデータ通信速度は、場所や時間帯で違いはあったが、おおむね上り、下りとも5~20Mbpsの範囲内に収まるといった状況だった。今回は、シドニー中心部にのみ滞在していたが、比較的高いビルが林立している中心街で、午前中の人が多い時間帯でも、上り、下りとも10Mbps前後の速度が出ており、SNSアプリの利用、Webページの表示、Google Mapsの参照なども十分に快適だった。ただ、ホテルの部屋や建物の内部などでは、やや速度が遅くなり、Webページの表示はやや待たされる印象もあった。また、クルマでトンネルを通過しているときは、データがほとんど通信されていない場面もあった。とはいえ、全体的には十分快適なデータ通信が行なえ、速度も含めて不満を感じることはほとんどなかった。

ビルが林立するシドニー中心街でも安定した速度が発揮され、Webアクセスなど十分に快適だった
シドニー中心街での速度計測の結果。これだけの速度なら不満はない
シドニー観光で外せない、オペラハウス。当日は月曜の午前中だったが、大勢の観光客が見学に訪れていた
オペラハウス前での速度計測の結果。こちらでは10Mbpsを大きく超える速度で、SNSへの写真投稿もスピーディに行なえた

 なお、オーストラリア第1位の通信事業者で、元国営企業だった「Telstra」に比べると、Optusは対応エリアがやや狭いという。今回はシドニー以外を訪れなかったため確認できなかったが、それでも観光で訪れる場所であれば、おそらく大きな問題はないものと思われる。もちろん、シドニーではまったく問題なく利用できた。

 カウンターでの購入時に面倒な設定の手間がかからないことと、なにより価格が安く、安定して高速なデータ通信が行なえるので、オーストラリアを訪れる際のデータ通信手段としてお勧めしたい。

シドニーで毎年5月~6月に開催される音楽の祭典「Vivid Sidney」の時期だったため、夜のオペラハウスはプロジェクションマッピングでライトアップされていた
オペラハウス周辺でもプロジェクションマッピングを駆使した映像ショーを開催
シドニー港周辺の建物も鮮やかにライトアップ。昼と夜との景色の違いに驚かされた
シドニー港にかかるハーバーブリッジも、夜は鮮やかにライトアップされていた
キャリア名Optus
購入価格SIMパッケージ2オーストラリアドル(約160円)、4日分の使用料8オーストラリアドル(約640円)
カードの種類SIM、microSIM、nanoSIM
対応周波数帯LTE:700MHz(Band28)/1800MHz(Band3)/2300MHz(Band40)/2600MHz(Band7)、3G:900MHz/2100MHz、2G:900MHz/1800MHz
APNyesinternet
滞在時期2016年6月上旬
使用デバイスASUS「ZenFone 2」
(平澤寿康)