「RVパーク&CAMP 214KATSUURA」に行ってきた。写真のサイトのほか、近所に3つにサイト新設しているので、記事ではそちらも紹介する 車中泊ユーザーのための施設である「RVパーク」では、トイレや水道といった設備を完備するほか、多くがスペースごとに電源を備えている。
施設によっては車外へのテーブルやイス、タープなどの展開もできるし、車外で火を使う調理も可能。さらにたき火もできるなどキャンプ場のように利用できたりするが、就寝のためにテントを張る必要がないので準備や撤収がの手間が少ないし、持ち込む荷物も減らすことができるのだ。
そんなことから、テント泊ユーザーがクルマをテント代わりにするキャンプスタイルに移行する動きもあって、ひと口に車中泊と言っても内容は多様化しているのが現状だ。それに最近は熊やイノシシなどの野生動物との遭遇も増えているので、テントより安心できるという理由から車中泊を選ぶ人もいるようだ。
施設によってはオートキャンプ場のように利用することができるので、テント泊キャンパーがクルマをテント代わりにする利用法も増えている。鍵がかかる車内での就寝は安全性も高いので女性キャンパーにもお勧め。野生動物との遭遇が気になる人にも向いている さて、今回訪れたのは車外調理やたき火もできるRVパーク。千葉県の太平洋側、勝浦市にある「RVパーク&CAMP 214KATSUURA」(千葉県勝浦市守谷1516-1)だ。
東京方面からは東京湾アクアライン~アクア連絡道~圏央道と進み、市原舞鶴出口で国道297号線へ降りて「勝浦・大多喜」方面へ向かう。297号線をしばらく走り、県道82号線へ入ってさらに細い道へ分岐する。
214勝浦のある場所は以前、田畑だったのでカーナビ上では検索できないことが多いので、隣にある「SGT美術館」を目的地にするといい。ただ、SGT美術館入り口は214勝浦の入口と道1本離れているので、SGT美術館の手前で左へ曲がること。
圏央道を利用すると東京からも行きやすくなった勝浦。あまり混まないのでいわゆる穴場の1つ 214勝浦は裏道にあるので初めて行く場合は見つけにくいかもしれない。カーナビではSGT美術館を目的地にする。SGT美術館の手前にこの看板がある分岐があるので目印にする 214勝浦 代表の三木優さんは、もともと車中泊やキャンプを楽しんでいた方で、RVパークもあちこち利用していたというアウトドア派だ。そんな方が作った214勝浦は単なる移動の途中の車中泊ではなくて、キャンプ場にような楽しみ方ができたり、アウトドアレジャーの拠点として快適に利用できるような施設となっている。
料金は利用するサイトによって異なるので、サイトの紹介時に改めて記載するが、料金設定の基本は1グループ(1家族)4名。そこから1人増えるごとに500円追加。子供が多い場合は要相談となる。
施設には寝泊まりできるキャンピングトレーラーも1台置いてあって、こちらは1区画の単位ではなく、利用者ごとに3000円なので、4人でトレーラーに泊まると1万2000円。旅館やホテルと同じよう寝具も含んだ設定で、クルマ1台分の駐車込み。サイト内にあるバーベキューテーブルも利用できるのでかなりお得と言える。214勝浦はオートバイのツーリングや自転車サイクリングの宿泊地としての利用もOKなので、そうしたケースで活用するのもいいだろう。
RVパーク&CAMP 214KATSUURAの三木さんご夫婦。キャンピングカー乗りであり、あちこちのキャンプ場やRVパークを利用してきている。ご自身の旅の経験をもとにして、利用しやすいRVパークを作ったという パークの全景。基本的にどのサイトもスペースが広いので、大型のキャンピングカーであっても余裕で駐めることができるはず パークから入口方面を見た画。中央奥に見える建物がSGT美術館。歩いて行けるところなので見学していくのもいいと思う トレーラーは2名以上の利用のみ受け付け。就寝人数は4名。料金はひとり3000円、小学生は1500円。幼児は無料。1台分の駐車スペース付き トレーラーの車内。乗用車で来てここに泊まって、外房エリアを数日かけてまわるのもいい。リピーターが多いサイトだ 奥の常設ベッドの上にエアコンがある。寝具は利用の都度交換されるので清潔。車内のトイレやシャワーは利用できない シンクは利用できるが、備え付けのガスコンロは使えない。持ち込んだコンロは使用可能。コンロを置くための台が用意されている。下の扉のなかには冷蔵庫もある 第3サイトはトレーラーを置くスペースの都合、少し狭くなる。とはいえ元が広いのであまり気にならない。料金は3000円 第3サイトから第5サイトまでの民家側は犬をノーリードで遊ばせられるスペースが作られている。柵が低いので小型犬向き 第4サイト。料金は3000円。クルマの横に大きなテントも張れるスペースがある。サイトの奥行きも十分あるので大型キャンピングカーにも対応 角になる第5サイト。料金は3000円。サイトのサイズは第4サイトとほぼ同じ 道路側のサイト。ドッグラン付きで料金は3500円。ここもかなり広い 柵の高さはあまり高くないので大型犬の場合は飛び出ないよう注意。214勝浦ではドッグラン付きのサイトから予約が埋まる傾向とのこと 道路側、ドッグラン付きサイトの隣にあるサイト。変則的な形状だがここは縦に長く、乗用車でキャンピングトレーラーをひいたスタイルでも切り離さずに駐めることができそうだ もう1つ、隣に同程度のスペースを持つサイトがある。こちらも料金は3000円。パークでトイレに一番近いのがここ 214勝浦があるエリアはサーフィンのメッカで、外房、九十九里浜の端の一宮から鴨川までのラインをサーファーは波を求めて移動しているそうだ。そして勝浦はその中間あたりなのでベースキャンプとするにはちょうどいいそうだ(オーナーの三木さんもサーフィンをやる)。
そのため実際にサーファーの利用も多いというが、理由は立地だけではない。
214勝浦はシャワーや入浴の設備もあって、特にシャワーは海帰りに利用するのにぴったりな屋外シャワー(湯沸かしなし)と温水シャワー室もある。
また、家庭用ユニットバスを使うお風呂もあるので、海で目一杯遊んだあとにさっぱりできる環境が整っているところも利用者に好評とのこと。これからの季節は夜だけでなく朝にもシャワーを浴びたいという人も増えると思うが、その要望にも応えるものになっている。
屋外シャワー。海で遊んだあとにはうれしい。温水は出ない こちらは屋内にある温水シャワー室。24時間利用できる。料金は中学生以上が500円/1名、小学生以下が250円/1名 受け付け棟(右の建物)の横にあるのがお風呂とトイレ、水場がある棟 向かって右が男性用トイレ、手洗い、お風呂、左が女性用トイレ。そして左側の側面に炊事用の水道やシンクがある 男性用トイレ。土足での入室OK。きれいに清掃されているので気持ちよく使える 外には手洗いや歯磨きに使える洗面台が置いてある。洗面台にはAC100Vコンセントがあるのでドライヤーが使える。ドライヤーの貸出もある。 女性用トイレも土足での入室OK。男性用トイレとの間にお風呂を設けているのは、トイレ同士が薄い壁を隔てて横並びにならないように配慮したもの お風呂の利用時間は15時~21時。1名500円で時間予約制。利用時間は1時間。家族で1人が入り終わったら清掃したあと、新たにお湯張りをする。サイトが混んでいる場合は多くの人が利用できるようシャワーのみになることもある お風呂場は脱衣スペースから階段を上がったところにある。家庭用のユニットバスを使用。例えば家族で同じ時間に一緒に入ったとしてもお風呂の利用料金は1人ずつ必要。つまり2名で同時に利用する場合は1000円だ ゴミはゴム袋(100円)を購入すると引き取ってくれるが、当然、パーク利用時に出たゴミのみ。また、缶、ビン、ペットボトルは利用者が分別してゴミ箱に入れる。たき火の灰の捨て場もある 近くに飲み物の自販機はない。コンビニもクルマで行く距離なので、お酒が入ってしまったら買いに行くのはムリ。受付が開いていればビールやジュースの販売もあるが、夜間は受付が無人になるので事前に買って持ち込む方がいい 支払い方法は多様。携帯電話会社のポイントを利用する支払い方法も使えるので、貯まったポイントの使いみちがないという人にはありがたい オーナー宅の敷地内に新設した3つのサイト
214勝浦では最近、パークから徒歩で移動できる範囲の場所に新たに3つのサイトをオープンしている(サイト名はA~C)が、実はその場所はオーナー宅の敷地内。
もともとは林だったところを伐採してスペースを作っているので、道路から反対側は竹も混じる雑木林で静かな雰囲気。そしてオーナー宅の敷地内といってもお互いのプライバシーは守られている作りで、オーナー宅のデザインも周囲の風景にマッチするシンプルな別荘といった感じなので、キャンプ行為をしている側に建っていても違和感がない。
オーナー宅の敷地に隣接する新設のA~Cサイト。左にあるのがオーナー宅だが、アウトドア施設のような外観なので、たき火や外調理などのキャンプ行為をする横に経っていても違和感がないと感じた 右からAサイト、Bサイトという並び。それぞれのサイトは一辺がだいたい10mほどある。ドッグランサイトなので犬をノーリードで遊ばせていてもOK。柵も高めに作ってある Aサイト。パラソルがある奥は電波塔が建つ敷地なので人目がなく、後ろは雑木林。写真の手前部分がクルマを駐めるスペースなので、クルマで壁を作るとAサイトのプライベート感はかなり高くなる パラソル付きのテーブル、チェア。それにバーベキューができるテーブルも置いてある Bサイト。オーナー宅に隣接するがプライベート感は保たれている。ここを利用した女性ソロの方からはアウトドア感がありつつ、側にオーナー宅があるのは安心感があるので夜もリラックスして過ごせたというコメントをもらったそうだ Bサイトの林側。こちらは木々が残る部分まで入れる。これからの季節は涼しいスペースとして活用できそう。ハンモックやブランコがあった A、Bサイトとも電源付き。サイトが広いだけに電気製品を使う場所によっては延長コードを用意した方がいい オーナー宅を挟んで反対側にCサイトがある。サイト入口にトイレ棟(写真右)、浴室(写真左)がある Cサイトは入口から奥へ行くにつれて若干勾配がある。勾配が気にならない場所もあるが、気になる場所があるのも事実。駐めたい場所は人それぞれだと思うので、水平を出すためにタイヤと地面に間に挟む板があった方がいいかも Cサイトの横には農業用水を貯める大きめの池がある。そこそこ広く深さもありそうで、大きなコイが泳いでいるが見えた。危険なので池には近づかないこと まわりは竹林だが他人の土地なので立ち入りは厳禁。なお、千葉に熊はいないがシカ科の「キョン」は近所にいるようだ。キョンは人を襲うことはないが鳴き声は独特でかなり大きい。筆者の利用時、姿こそ見えなかったが鳴き声は聞こえた Cサイトももちろん電源付き。オーナー宅のデッキ部分にある トイレ棟。男女別で真ん中に手洗い場がある作り。日が落ちるとセンサーライトが作動するので夜間の利用に不自由はない 温水洗浄便座の男性用トイレ。女性用トイレも同じ作り 手洗い場。サイトの水道は井戸水なので飲料用ではないが、地域の方は飲料用として使っているらしい。ペットボトルの水はパークでも販売しているが事前に買っておくといい A~Cサイトのお風呂はジャグジー付き。こちらも予約制で1組ごとに清掃とお湯張りのし直しが行なわれるが、浴槽が大きい分お湯張りに時間がかかるので、1回の利用時間は40分となっている お風呂の利用は1人500円。例えば家族で一緒に入るときも1人ずつの料金は必要。浴槽にお湯を張らず、シャワーのみの利用もOK。その場合は1人300円 脱衣所。洗面台も設置しており、こちらもドライヤーは置いてある お風呂の横に洗い場がある。食器などを洗うシンクと洗面用シンクがある 今回、筆者はCサイトを利用させてもらった。縦長で横方向も余裕があるサイトなのでクルマをどう駐めるかに悩んだが、今回はテールゲートに純正アクセサリーの「テールゲートカーテン」を付けるスタイルだったので、イスを置いた際に、目の前が林になるような駐め方にした。
ちなみにCサイトは地面に傾斜がある部分もあるが、写真のような駐め方では就寝時も傾斜が気になることはなかった(頭は林側で少し低くなっていた)。
サイトの前の道はたまにクルマが通るのだけど音が気になることはなく、基本的に静かな環境である。また、勝浦は目の前の湾の水深が深いので海水温が低め。そのため海からの風が涼しく、真夏でも内陸のような気温になることもなく、夜も涼しい。
今回はそこそこ暑くなった梅雨の間の晴れの日に行ってきたのだが、夜は涼しかった。寝るときは窓を少し開けて換気ができるようしつつ、使用温度目安が15℃の封筒型シュラフのジッパーを開き、なかに入らず掛け布団のようにして寝ていたが、夜中に寒さを感じてシュラフを掛け直すこともあった。これからの季節の車中泊が夜をどう涼しく過ごすかが問題になるが、ここはその苦労をしなくてよさそうだ。
竹林を向くような位置取りをした。これだとオーナー宅側が背面になるので建物が気にならない ホンダ純正アクセサリーのテールゲートカーテン。開いたゲートにかぶせるだけなので展開も撤収も容易。カーテンは3面それぞれでロールアップできるので、日差しの向きに合わせて日よけを作ることができるのが便利 カーテンの端をクリップで挟んで広げている。こうすることでカーテンで覆うスペースを広く取れるし風通しもよくなる。それでいてしっかり日よけもできる なお、Cサイトは林や池があるのでヤブ蚊も多そうと思っていたが、血を吸うような蚊はそもそもあまりいないそうで、実際、今回の滞在では一度も蚊にさされずに済んだ(アウトドア向けの蚊取り線香は夕方から焚いていた)。ただ、小さい羽虫は夕方以降、多く飛んでいるのでドアやテールゲートを開けて駐めておく場合、車内に入らないよう防虫ネットは必須だろう。
照明が点くので夜間は虫が飛んでくる。ドアやテールゲートを開けておく場合は防虫ネットは必須。今回は血を吸う蚊は全然いなかったがこれはうれしい誤算 A~Cのサイトでは、夜間の外での会話やたき火に時間指定はない。とはいえ大声を出したり、大勢で騒ぐのはNG 満月に近い月が明るい夜だったが、晴れていたので星空も撮ってみた。 A~Cサイトは林に囲まれているのでサイト内で見上げても見える空は狭い。星空鑑賞がしたいなら前の道路まで出るか従来のサイトの方まで歩いて行く感じ 214勝浦からクルマで10分ほどで着く守谷海水浴場 守谷海水浴場のほかにも周辺に海水浴場は多い。また、釣りのスポットも多いので、海でのレジャーの拠点として214勝浦は便利といえるだろう Cサイトは縦長でクルマ2台駐められるので、グループでの利用にも向いている