車中泊の拠点 RVパークを訪ねる
整った設備とアウトドア過ぎない環境に安心を感じる、東京から近い避暑地・葉山のRVパーク
RVパークライト スターフォレストキャンプ葉山
2023年7月13日 06:00
RVパークを訪ねて、初回は房総半島にある「RVパーク七里川」へ行っているのだが、そのあとは三浦半島を飛び越えて伊豆半島の西側、沼津の大瀬崎にある「RVパーク 千鳥マリンサービス」を訪問した。
この企画に東京周辺の半島を順に回るという決まりがあるわけではないが、房総、伊豆と来たら、三浦半島にも行きたくなるので探してみると、気になったのが「RVパークライト スターフォレストキャンプ葉山」(神奈川県三浦郡葉山町上山口1431-1)。
少し前にも三浦半島のRVパークを検索したことがあったのだが、そのときは名前がなかったのだ。ということは新規に登録した施設で、RVパークのなかではまだ情報が少ないはず。ということで、今回はこちらに行ってみることにした。
スターフォレストキャンプ葉山はスターホームという建築会社の運営で、実は4年前の2019年にオープンしている。スターホームは会社の敷地が広く、その活用法を検討したとき提案されたのが「キャンピングカーが利用できるRVサイトを作ること」だった。
そこでまずは4台が利用できるサイトを作ったところ利用者が多かったので、本社の建屋から少し離れた場所にさらに4台用分のスペースを作り、現在は8台が利用できるようになっている。
しばらくすると利用者から「テント泊もできないか」という声が上がったので空いている敷地を整地してテント泊用のスペースも追加し、さらに地形を活かして急斜面にウッドデッキを作り、そこにもテントを張れるようにしている。そして2023年6月にRVパークへ加入したということだ。
料金は平日1泊1台につき5000円(5名まで)。土日祝は1泊1台につき5500円(5名まで)。ペット連れの場合は1匹につき500円。トレーラーで来ても牽引車を駐めるスペースがあり、その場合、別途1000円となる。レンタルオプションとしてはテーブル、チェア、たき火台などあるので、必要な場合は事前に予約をする。
チェックインはセルフで14時から。チェックアウトは11時まで。空いていれば当日予約も可能だ。なお、夜間は無人になるが、緊急連絡電話で対応、監視カメラ作動になる。
なお、スターホームは注文住宅も手掛ける建築のプロなので施設内の設備は自社で作っているのだが、普段からこだわりのある物件作りを手掛けているので、施設内の手作り系設備はひと手間、ひと工夫されていてシンプルだけどシャレているという印象だった。
さて、本題のRVパークだ。こちらの施設では建屋前の「RVサイトA」と小山を挟んだところにある「RVサイトB」があり、それぞれ4台分、合計8台が利用できるようになっているが、事前に場所の予約はできないので(一部大型車は除く)お目当てがある場合は早めにチェックインしておくこと。
RVサイトAはスターホーム本社駐車場と同じスペースにあるので、路面は舗装と鉄板で整地されていて、駐車スペースのサイズは約6×2.5m。そして各サイトにはウッドデッキが付帯している。
このウッドデッキのサイズをメジャーで測ってみると縦が約4.6m、横が約2.5mと広いのでテーブルやチェアを置くのはもちろん、テントを張る(ペグ打ちは不可のなので置く)ことも可能だろう。
なお、ウッドデッキの高さは約20cmあったので、N-VANをデッキぎりぎりに寄せて駐めるとステップとの段差が減って、スライドドアからの乗り込みが楽になった。
1~3番は横並びだが、4番は少し離れたところにあり、向きも違うのでこの施設ではもっとも見晴らしがよい場所だ。そのため筆者も最初は4番にしようと思ったのだが実は断念していた。その理由は駐車スペースの都合だった。
各RVサイトはリアから駐車スペースに入れるのだが、4番だけは後方がほかのサイトより少々狭いようで、テールゲートを開く際、後方にスペースが必要なバンタイプ(N-VANも)では隙間が足りずテールゲートを開けることができないのだ。
これがハッチバックやセダンなら問題ないが、筆者のN-VANではテールゲートを開けてなにかをすることが多く、それができないのは不便なので4番サイトの利用はあきらめることにしたというわけだ。
そんなことからバンタイプのクルマで4番サイトを利用したいときは、荷物の出し入れや乗り込みにテールゲートを使わないでいいような荷物の積み方をしていくこと勧める。
次にRVサイトBを紹介する。こちらはRVサイトAがある建屋から少し離れたところにあり、地面は締まった砂利敷きとなる。そのためこちらはクルマの横にテントやカーサイドタープを張ってキャンプスタイルで利用する人も多いという。
各スペースのサイズは縦が約6m、横が約5mと広いので、クルマの横に大きめのテントが張れそうだが、地面はしっかりしているので金属ペグでないと刺さらないと思うし、打ち込みもそれなりに大変そうなのでハンマーも必要だろう。
あと、こちらにはトイレやシャワーがないので利用するには建屋(RVサイトA)まで歩くことになるが、RVサイトAまで1分も掛からないので、アウトドア施設としてはよくある距離感だと思う。
きれいなトイレにシャワーなど、RVパークの設備を紹介
スターフォレストキャンプ葉山は建築会社が運営しているので、施設内の設備は自社で作っている。そして注文住宅やリフォームを手掛けるだけにデザインセンスもあるし、建材や設備類の知識もあるのでそれらを活かした使いやすくきれいな設備を整えている。
設備は全体的に清潔感あって使いやすかったが、なかでも筆者的によい印象だったのがシャワー室。こうした施設のシャワーでは脱衣スペースを含めてそそくさと使って出たいようなものもあったりするが、こちらのシャワー室は清潔感はあるし、脱衣所もしっかりしたドアがあって照明もあり、そして扉には鍵も掛かる。また、シャワーブース内にも照明があって換気扇もあるし、肝心のシャワーもお湯の温度はちゃんと上がるし、勢いもあるものだったので気持ちよく使うことができた。
ただ、近隣への配慮からかシャワーの使用が21時までとなっているので、夕食の時間(片付け含めて)など、日が落ちてからやることについては時間を考えて行動しないとタイムアウトになることもあるし、施設の利用者が多いときは「シャワーに行こう」と思う時間が重複するだろうから、待ち時間も発生しがち。それだけにシャワーを使うときは時間に余裕を持っておいた方がよいだろう。
ちなみに筆者も気がついたときは21時を過ぎていて夜のシャワーはあきらめ、朝に利用した。朝は7時から使えるようになっている。
以上が今回のRVパークライト スターフォレストキャンプ葉山のレポートだ。こちらは大自然のなかにある施設ではないので、そういうの期待していくとちょっと印象が違うだろうが、適度に人がいて適度に野山があるという絶妙なロケーションは、非日常感がありつつアウトドア過ぎないし、トイレやシャワーが落ち着いて使えるものであることも幅広い層に向いていると思う。
なお、施設の前の県道は生活道路なのでそれなりにクルマは通るが、筆者が利用した平日は、22時を過ぎるとクルマの通行はめっきり減り、そのあとは静かに過ごせた印象だ。
そんな施設ゆえに週末の予約は取りにくいそうだが、平日は余裕があるという。そしてこの環境を人が少ない状況で利用するはまた気持ちよいものなので(今回の取材がそう)、できれば平日に休みを取って利用してもらいたいと思ったりする。