地元誌編集長の「ハワイ現地発」

【ハワイ現地発】ビッグアイランドの休日 Vol.3 旅の余韻を、持ち帰る

 インフレが激しいハワイでは、ついつい財布の紐も固くなりがち。でも、やっぱり旅先では、その土地ならではのものが欲しくなる。今回のハワイ島滞在で、私が「これは持ち帰りたい!」と本気で思ったものを紹介したい。

オリジナルのロゴアイテムは、帰宅後の楽しみに

 旅の始まりに滞在したマウナケア・ビーチ・ホテル。快適に過ごした時間や思い出を何か形にして持ち帰りたくて、ロゴ入りのアイテムが欲しいなぁと考えていた。

 コーヒーカップも素敵だし、エコバッグもあった。そんななかで、海に行ったりスポーツをしたりする自分にぴったりだったのが、スポーツウェアだった。

マウナケアリゾート内のゴルフウェアショップ。ホテルとは別の建物なので宿泊者以外も立ち寄りやすい

 ホテルの敷地内にある名門ゴルフコースやテニスコートに隣接するショップには、さまざまなウェアやタオルなどの小物が揃っていた。ゴルフ用のポロシャツ(120ドル)のほか、50%オフのセールで見つけた長袖Tシャツ(25ドル)などを購入。帰宅後、テニスやSUP(スタンドアップパドル)をするときに大活躍している。着るたびにビッグアイランドで過ごした時間を思い出し、日常のなかで、そんな小さな楽しみがあるのもいいなと感じている。

長袖も半袖もスポーツの際に欠かせないアイテムを半額(半袖16ドル/長袖25ドル)で購入
ハワアイアンキルトのように小さな柄の布地のゴルフシャツ(120ドル)とサンバイザー(35ドル)

旅先の香りを持ち帰って、いつでもリラックス

 カイルア・コナのメインストリートといえば、海岸沿いのアリイ・ドライブ。歴史建造物や飲食店、ショップが並ぶこの通りは、ぜひのんびりと散歩をしたい。昨年の旅を思い返すと、残念ながら閉店してしまった店もある一方、新しい店も増えていた。

カイルア・コナのアリイ・ドライブは歩いて30分あれば散策できる

 そんなアリイ・ドライブから小さな小径に入って出会ったのが、「APOTHECARY(アポセカリー)」。かつての調剤薬局や、ハーブなどを扱う店を指す言葉だという。

 店に入ると、ハーブの優しい香りに包まれた。植物を自ら栽培し、地元の農園とも協力しながら、スキンケアグッズなど、心と体を癒やすアイテムを作っているそう。保存料などの人工的な成分を使わず、自然由来の素材を活かした製品が並んでいた。

趣のある「APOTHECARY」の外観に引き寄せられた

 目に留まったのは、「soothes skin and lifts spirits(肌をいたわり、気分を上げる)」という言葉が添えられたフェイススプレー(20ドル)。ローズやオーシャンなど、いくつかの香りを試してみて、最もリラックスできそうなウッドを選んだ。サーファーだという、とても親切な店の男性が「僕も1日中、顔にひと吹きしているんだ。気持ちよくてリフレッシュできるよ!」と教えてくれた。その言葉どおり、日常に戻って仕事に走り回る今も、シュッとすると、心も体もすっと落ち着く。旅先で出会った香りが、忙しい毎日の小さなリセットボタンになった。

シュッとひと吹きでリフレッシュできるフェイススプレー(20ドル)

やっぱり欠かせない、ハワイ島のコーヒー

 計画的に旅をするのが苦手な私が、今回一つだけ決めていたこと。それは、ハワイ島のコーヒーを買って帰ることだった。ハワイ島といえば、コナコーヒー。そしてカウコーヒー。カウコーヒーは、ハワイ島南部のマウナロア山の斜面に広がる地域で栽培され、苦みが比較的穏やかで、柔らかな味わいが特徴とされる。そして、ブルーマウンテン、キリマンジャロと並ぶ世界三大コーヒーの一つとして知られるコナコーヒーは、豊かな香りとバランスのよい酸味が魅力だ。

 今回はコーヒー農園まで足を延ばせなかったので、地元のスーパーマーケットをのぞいてみることにした。ハワイ島のスーパーといえば、「KTAスーパーストアーズ」。たまたま通りかかったケアウホウ店に立ち寄ると、コナコーヒーベルト(産地)に近いこともあってか、コーヒー豆の品ぞろえが充実していた。しかも、ほかのスーパーと比べてもリーズナブルな印象。大手ブランドはもちろん、個人経営のコーヒー農園の豆まで、ずらりと並んでいる。

ハワイ島に8店舗ほどあるというKTAスーパーストアーズ。食品や日用品から土産物までを販売している

 散々悩んだ末に選んだのは、このケアウホウ周辺で家族経営をしている「アイランド・サン・コーヒー」の豆。チョコレートのようなニュアンスがあり、酸味は控えめだという(まだ飲んでいない……!)。100%コナコーヒー豆が227gで23ドルというのも、現地ならではのお得感。調べてみると、農園ではファームツアーも実施しているそう。次回はぜひ、農園にも足を運んでみたい。

「アイランド・サン・コーヒー」のミディアムローストの豆(23ドル)

ハワイらしいフレーバーの意外な一品、バルサミコ酢

 昔ながらの店が少しずつ姿を消していくなか、訪れてみたのが「アリイ・ガーデンズ・マーケットプレイス」。かつてのワイキキの「インターナショナル・マーケットプレイス」を思わせる雰囲気があり、小さな土産店が並んでいる。そこで見つけたのが、バルサミコ酢だった。

カイルア・コナから南へクルマで10分ほどの距離にある「アリイ・ガーデンズ・マーケットプレイス」
閉店している店もあったが、こぢんまりした土産物店などが敷地内に並んでいた

 驚いたのは、そのフレーバーの豊富さ。パイナップル、ココナツライム、スパイシーマンゴーなど、ハワイらしいフルーツを使ったものが並んでいた。試食させてもらうと、ほどよくトロピカルで、フルーツの風味と酸味のバランスが絶妙。「パンにつけても、肉料理に垂らしても、パスタの仕上げに使ってもすごく美味しいよ!」と店の人。

マカダミアナッツやお茶、ジャムなどのハワイ島土産がびっしり
バルサミコ酢のトロピカルフレーバーやチョコレートフレーバーも

 結局、リリコイ(パッションフルーツ)とマンダリンオレンジを購入した。サラダや鶏肉料理に使うと、いつものメニューがひと味違う仕上がりに。ちょっとした調味料なのに、食卓にハワイの風を運んでくれる。

飛行機の機内に持ち込める100mLサイズを勧めてくれたが、あっという間になくなってしまった

オアフ島までなら、フルーツもビールも!

 ハワイ島からオアフ島への移動は国内線。果物も、農産物の持ち出し・持ち込みに関する規定を確認したうえで、条件を満たせば持ち帰ることができる。私はいつもファーマーズマーケットで果物を買って帰るのがお決まり。オアフ島に滞在するなら、甘みたっぷりで比較的リーズナブルなハワイ島産のパパイヤやマンゴーを買って、ホテルのラナイ(バルコニー)で食べる、なんていうこともできる。

アリイ・ドライブにあるコナ・ファーマーズ・マーケットは水~日曜の7時~16時営業

 今回初めて訪れた「ビッグアイランド・ブリュハウス」のビールも、持ち帰り候補の一つ。オアフ島のスーパーマーケットでも販売されているが、置いてある種類は限られている。その点、ブルワリーでは選択肢が豊富。スーパーよりお得に買えるものもあった(といっても、6本で17ドル。ほかのビールと比べると少し高めだけれど)。

ハワイ島産のパパイヤやコナ産マンゴー、アップルバナナ、ロンガン(ライチに似ている)などが並ぶ
パパイヤは二つに切って、タネを取り除き、レモンをキュッと絞ってスプーンですくって食べよう

 旅先で気に入った味を、帰宅後も楽しめる。これもまた、旅の余韻の味わい方だ。

「ビッグアイランド・ブリュハウス」でお気に入りになったココナツクリームエール(6本17ドル)

ハワイの伝統を受け継ぐ、キムラ・ラウハラ・ショップ

 カイルア・コナの南方、ホルアロアにある「キムラ・ラウハラ・ショップ」は、1914年創業の老舗。乾燥させたハラの葉を編み上げる、ハワイの伝統工芸を受け継ぐ専門店で、現在は4代目が営んでいる。

日本語で「いらっしゃいませ!」と書かれた看板で出迎えてくれる「キムラ・ラウハラ・ショップ」

 店の入り口には、漢字で「木村」と書かれた看板。店内にもどこか日本的な雰囲気が漂っている。帽子やバッグ、カゴ、ブレスレットなど、商品はどれも手仕事で丁寧に作られたものばかり。一つずつ手作業で仕上げるため在庫には限りがあり、注文してから手に入るまで時間がかかることも多いそう。フラを習っている私の友人も、半年余り待ってようやく届いた帽子を大切に使っている。「丈夫で30年以上もつ」と話していた。

 ハワイの伝統工芸を、日系人が大切に守り、次の世代へと受け継いでいる。その歴史に触れられるのも、この店を訪れる魅力の一つ。そして、店の人と日本語でおしゃべりをする時間が、心に温かく残った。

日本の田舎を訪れたようなノスタルジックな気持ちにさせてくれる

渡した人がみんな喜ぶ、手作りクッキー

 昨年の旅日記でも紹介したけれど、ハワイ島の旅の最終日は、決まって「ミセス・バリーズ・コナ・クッキーズ」へ。カイルア・コナの街から空港へ向かう途中にあるので、最後のお土産を買うのにもちょうどいい。

 家族に伝わるレシピで、添加物を使わずに手作りされるクッキーは、やっぱり絶品。今回も12種類入りのアソート袋(16.25ドル)を購入し、友人たちにお土産として渡したところ、本当に喜んでくれた。カリッとした食感に、ふわっと広がるバターの香り。奇をてらわないシンプルな美味しさが、たまらない。止まらない……。

「ミセス・バリーズ・コナ・クッキーズ」。店の目の前にクルマを停めることができる
「1日1枚ずつ」と心に誓って小さなお皿を用意したけれど、ムダな努力に終わってしまった

 自分へのお土産に加えて、自分が気に入ったものを誰かに贈り、その人にも喜んでもらえる。そんな小さな幸せまで持ち帰れるのだから、旅のお土産選びはやめられない。

 最後は、目に焼き付けて持ち帰りたいカイルア・コナから望む夕景。

空の色が刻々と変わりゆくマジックアワー
太陽が沈んだあとならではの色みも眺めよう

 写真を見ると、ハワイ島での静かで穏やかな時間がよみがえり、次の旅に向けてまた日々頑張ろうと思える。やっぱり旅っていいね。

マウナケア・ビーチ・ホテルから眺めたサンセット
大澤陽子

ハワイで発行している生活情報誌「ライトハウスハワイ」編集長。日本ではラジオアナウンサー、ライターとエディターとして活動。2012年にハワイへ移住。新聞やハワイのガイド本などの編集に携わる。ハワイのビーチとビールをこよなく愛している。