ハワイ現地発

【ハワイ現地発】ATVに乗ってノースショアの絶景を満喫&ハワイに貢献

 旅行者はもちろん、ハワイに暮らしていても、ノースショアへのドライブは旅気分に浸れてワクワクする。今回はそんなウキウキなドライブをして、ATVに乗ってノースショアの絶景を満喫するアクティビティを紹介したい。

 目指すは、ハレイワの海岸線にある67エーカーの広大な土地。(お約束の)東京ドームの数に換算すると6個分弱くらいだろう。以前はここで乗馬を楽しめたのだが、今はATVツアーになった。ATVとは、バギーのバイク版のようなもので、四駆だと教えてくれた。

広い平野のなかにポツンと受付(チェックイン)小屋がある。この向かいにトイレがあるが、非常に清潔だった
ここでヘルメットを借りて、運転ガイドのビデオを見る
ATVを運転する際のルールが記載されている

 最初にビデオでATVの運転の説明を見る。日本語の字幕付きもあるので、リクエストしよう。オーナーのアダムさんは日系5世で、少しだけ日本語を話してくれた。ヘルメットを借りてATVに乗り込む。

一番大きなサイズ。重量感と安定感がある

 ATVに大中小のサイズがあり、一番小さいサイズは10歳以上が運転可能。助手席に乗るのは8歳以上でなくてはならない。

ハワイ在来種のなかから好きな植物を選んでピックアップする

 このツアーが興味深いのは、ATVを運転して海岸線を走ったり、山を見たりしながら、バナナやパパイヤの木のなかを走り抜け、ハワイの自然の素晴らしさを体感できること。それに加えて、ハワイの自然を守る活動もできること。

 実はこの土地の持続可能な取り組みがこのツアーの大事なコンセプトになっている。海岸線の侵食を防ぐために、ハワイ在来種の植物を植える経験が含まれていて、ATVに乗る前に好きな植物を選んでからスタートとなる。

黄色く小さな花を咲かせるイリマを植えた

 スタートしてすぐに、海岸線にATVを停めて、すでに掘ってある穴に植物を植えた。この土地には大量の廃棄物が山積みになっていたそうで、それらを撤去し、今はハワイの植物を植えて持続的に土地を守る取り組みをしているという。

植物を植えたら、海岸線をまっすぐに走る
後ろを振り向くと山々が連なっていた

 どこまでも青い空、青い海、濃いグリーンのなかをゆっくりと進んでいくことの心地よさと言ったら……! 要所要所で、ATVを停めてアダムさんが説明をしてくれるので、そのときに写真を撮ることもできる。

ハワイらしい赤土の地面の上を走り抜ける
途中、草や木が生い茂る道もあった
パパイヤの木もすくすくと育っていた
バナナの木々のすぐ横も通り抜けた

 ATVの操作はシンプルで、前後にスタッフの人たちが走ってくれるので、エンジンがかからないなど何かあればすぐに助けてくれる。

 途中、いたるところに動物たちがいて(彼らはオハナ=家族と呼んでいた)、のびのびと暮らしている牛や馬、豚、山羊や羊たちを間近で見られたのも興味深かった。豚の大きさには驚いた……。彼らがよけいな外来種の雑草を食べてくれるのだそう。

愛敬のある豚たち
山羊や羊も多かった
スタッフに懐いていた(我々が触ることはできない)
急なカーブはスピードを落としてゆっくり!

 神聖な場所とされてきたカイアカ湾や藁拭きの小屋でもATVから降りて、アダムさんが古代ハワイアンの歴史について解説してくれた。

神聖な場所とされてきたカイアカ湾
ハワイの歴史に欠かせないカヌーが置かれた藁拭きの小屋

 あっという間の45分間。爽快に走り抜けてきた大自然のなかで、アクティビティと同時に、ハワイの歴史と未来に想いをはせる、充実した時間となった。スタッフの人たちが底抜けに明るくて、その触れあいも含めてハワイの魅力を体感できた。料金は125ドル。

ワヒアワのロイヤルパームドライブ

 さて帰り道、ちょっとワヒアワの街を経由してみてはいかが? この街の住宅街には知る人ぞ知る「ロイヤルパームドライブ」という、ロイヤルパームが威風堂々を並んでいる坂道がある。

 お腹が空いたら、以前紹介した「マウイ・マイクス」もこの街にあるのでぜひ。

大澤陽子

ハワイで発行している生活情報誌「ライトハウスハワイ」編集長。日本ではラジオアナウンサー、ライターとエディターとして活動。2012年にハワイへ移住。新聞やハワイのガイド本などの編集に携わる。ハワイのビーチとビールをこよなく愛している。