ハワイ現地発

【ハワイ現地発】たった10日間でカフェやナイトクラブ、アパレル、スーパーが続々オープンしたハワイの今

 なんだか慌ただしかった10月を振り返ると、それもそのはず。気付けばこの10日間だけでも、ワイキキやアラモアナ、カカアコで、レストランやバー、カフェのグランドオープン三昧。それぞれが個性に富んでいるので、飲食店を中心に紹介してみたい。

今、カカアコで最も新しい店「DEAN&DELUCA カカアコ・コウラ店」

オープニングは関係者のほか、政界や芸能人、地元テレビ局をはじめとするメディアやインフルエンサーらが訪れ、盛大に行なわれた
ハワイ式ブレッシングが行なわれ、オーナーがマイレレイをほどいて店の入り口を開けてグランドオープンとなった

 10月24日にオープンし、現時点ではハワイで一番新しいであろうカフェがこちら。ワイキキには毎朝ハイビスカストートを求めて行列ができるロイヤル・ハワイアン・センター店とリッツ・カールトン・レジデンス・ワイキキビーチ店があり、それに続く3店舗目がカカアコの新たなコンドミニアム「コウラ」の1階に登場した。

 ワイキキとはコンセプトがまったく違って、住民の暮らしに寄り添う店づくりを意識しているという。オーナーいわく、実はこの店舗を開くまで3年間(契約書にサインしたのはなんと5年前)もかかったというのも、のんびりハワイあるあるなのだが、とにかく無事にオープンを迎えた。

本場を思わせるクロワッサンなど、ハワイでは数少ない本格的なヨーロッパのパンが並ぶ
ハードブレッドはシェフ自慢の自家製酵母と挽きたてのオーガニック小麦粉で作っている

 パリのエッフェル塔やシャンゼリゼ通りで使われていたという希少な球形ガラスのランプが並ぶ一方で、ハワイアンキルトを思わせるカスタムタイルがさりげなく使われていて、ヨーロッパとハワイがクロスオーバーしたエレガントでありつつカジュアルさも兼ね備えた空気感に包まれている。

フランスで修業したパティシエによるモンブランやピスタチオラズベリーなど
ハワイの食材も取り入れたタパスやピンチョス(小皿料理)が彩鮮やかに並ぶ

 この店舗の限定品がとても多く、秀逸だったのがフランスから取り寄せるエシレ村産の発酵バター「エシレバター」をたっぷり使ったクロワッサン(4.95ドル)。表面はパリパリで中はしっとり、芳醇なバターの香りを楽しめて、ハワイではなかなか出会えない味わいだった。自家製酵母と挽きたてのオーガニック小麦粉で作るハードブレッド、タパスやピンチョスのデリコーナーも充実しているので、購入して帰って夜のププ(ハワイ語でつまみ)にするのもいいだろう。

ハワイのクロワッサンは表面も中もしっとりした「パン」が多いなか、このクロワッサンのクオリティは素晴らしかった
ハワイの同店では、安定の味わいのコーヒーのほか、実は福岡の八女茶による冷たい煎茶が大人気となっている

 人気のロゴグッズもカアコ・コウラ店限定があり、例えば、大きめのポーチサイズのラフィアバッグは11月3日まで毎日数量限定で定価(40ドル)の半額で販売されている。売り切れ次第販売終了なので、行列ができると思う。カラフルなマグカップや愛犬用のトリートもこの店舗しか買えない限定品。
※後日確認したところ、初日から大行列でラフィアバッグを購入できた人は朝5時半から並んだという。

オリジナルコーヒー、エスプレッソカップ、シャンパングラス、キャンドルなどのオリジナルグッズ
カカアコ・コウラ店限定のミルクマグ(18ドル)は色みとデザインがレトロな雰囲気を持つハイセンスなアイテム

ワイキキのホテルにあるカジュアルなダイニング「フェイバリット・サン」

クヒオ通り沿いに入り口があるので気軽に入れる雰囲気
セレモニー後のため人が多過ぎるが、こちらが店内の様子

 10月23日にオープンしたのが、ワイキキのホテル、ローマーワイキキ1階の「フェイバリット・サン」。緑あふれるフォートデルッシーパークの前に位置するこのホテルは、かつてリーズナブルに泊まれて重宝されていた「アンバサダーホテル」。大改装を経て今年春に「ローマーワイキキ・アット・アンバサダー」としてリニューアルオープンした。

 1階に登場した「フェイバリット・サン」は、いい意味でファミレス感覚のイメージ。クヒオ通り沿いに入り口があるので、通りから直接店に入ることができる。

このカウンターでコーヒーをオーダーできる
陽気なスタッフの笑顔がハワイらしい

 7時から22時までオープンしていて、朝食からランチ、バーまで、用途に合わせて使えるのも便利。朝はアサイボウル(12ドル)やヨーグルト(12ドル)、デニッシュ(4ドル)、クロワッサン(6ドル)などが揃い、ケールサラダ(17ドル)やピザ(21ドル~)は1日中オーダーできる。

アメリカでおなじみの長いロールパンに具を挟んだホーギー
メニューはピザやデニッシュなどアメリカンフード

 バーカウンターもあってカクテルも豊富なので、一杯だけサッと飲みに行ってみようと考えている。ホテルにありながら敷居が高くない、ありそうでないダイナーだと思う。

バーカウンターもありカクテルも豊富に揃う
カルーアミルクみたいなカクテルだが強いので要注意!

アラモアナセンターの隠れ家が大変化を遂げた「イヴ・アラモアナ」

アラモアナセンターのメイシーズ側の駐車場のなかに入り口がある
なかに入って振り向いたときに見えるのはこんな光景

 たしか12年くらい前だと記憶しているが、アラモアナセンターの駐車場内にひっそりと入り口があった隠れ家「ヴィンテージケーブ」。会員制の高級レストランで、各界の著名人がワインと食事を楽しんでいた。

 そっと閉店してから数年が経ち、10月18日に「イヴ・アラモアナ」となってオープンした。入り口を入ると、ディズニーのホーンテッドマンションさながら(ちょっと違う?)の別世界があり、重厚感のある空間にエレベーターが待っている。エレベーターを降りると……。

エレベーターを降りるとお出迎え
そのまま進むとDJとダンスフロアが出現

 その先に広がっていたのは、DJとダンスフロアのVIPエリアだった。あの高級レストランが、ホノルルのナイトライフシーンを彩るまったく違ったスポットになっていた。ヨーロッパ調のラグジュアリーとラスベガスのミクソロジーカルチャーにハワイのアートを融合させたという。

メインルームから一歩奥の部屋にあるバーカウンター

 長い壁にはハワイの著名アーティストのカメア・ハダールが描いた寝そべる「イヴ」の壮大な壁画が飾られていた。この部屋から、別の部屋がつながっていて、どの空間も「イブを」テーマにしたアートに囲まれていた。バーカウンターつきの個室もあり、イブから連想するリンゴを使ったカクテルなどがメニューにあった。

リンゴとクランベリーとシナモンが入ったカクテル、フォービドゥンアップル(18ドル)
「ヴィンテージケーブ」だった頃と同じシャンデリア(イタリアで特注)を発見

 入店は23歳以上限定で、オープンするのは金・土曜の21時から2時のみ。ただし、イベントスペースとして利用する場合は毎日受け付けているといい、少人数向けの個室から最大400名までOK(イベントの際は年齢制限はない)。結婚式、ブランチ、ランチ、ディナーのほか、カクテルパーティなどのイベントもできるので、青い空と椰子の木のイメージとは違ったハワイの別の顔というシチュエーションで記念日を迎えるのも貴重な思い出になるかもしれない。

高級なボトルのコレクションも「ヴィンテージケーブ」の名残
宝石のように輝いていたヘネシー

老舗アロハシャツブランドもあのディスカウントストアも!

ロイヤルハワイアンセンター1階にオープンした「カハラ」

 10月16日には、1936年創業のハワイを代表する老舗アロハ・ウェア・ブランド「カハラ」が、ロイヤル・ハワイアン・センターのA館1階にフラグシップストアをオープンした。このすぐ近くのビーチにあった小さなスタンドでココナツミルクやパイナップルジュースと一緒に衣料品を販売したのが「カハラ」のスタートだったという。以来、ハワイに根付いてきたこのブランドは、デュークカハナモクをはじめ、「マツモトシェイブアイス」やプレートランチ店「ヘレナズハワイアンフード」などローカル店とコラボレーションしたデザインが魅力。

手彫りの木版をつかったデザインという
マツモトシェイブアイスのデザイン

 マツモトシェイブアイスとのコラボ・アロハには店の前の行列も描かれているなど、細かいところまで表現されているので、そのデザインをじっくり見ているだけで楽しい。

 このほか、10月22日にはワイキキのインターナショナル・マーケット・プレイス内に、ディスカウントスーパーマーケット「ターゲット」がオープンした。2フロアあって、広々した店内はアパレルや日用品、食品など豊富な品揃えなので、ワイキキで手軽にお得なお土産が買えるようになった。

 ハワイは年末に向けてまだまだ変化と進化が続きそうだ。

大澤陽子

ハワイで発行している生活情報誌「ライトハウスハワイ」編集長。日本ではラジオアナウンサー、ライターとエディターとして活動。2012年にハワイへ移住。新聞やハワイのガイド本などの編集に携わる。ハワイのビーチとビールをこよなく愛している。