ボーカリスト琴音の音楽旅

初ロシアはおそロシア! サンクトペテルブルクに行ってきました

 はじめまして! シャンソンやジャズを中心に音楽活動を行なっている歌手の琴音です。これからライブ遠征やプライベートで訪れた国内外の街の様子をレポートしていきますので、どうぞよろしくお願いします。

 第1回目はロシアのサントベテルブルクに行ったときのお話です。先日、“次世代シャンソン歌手発掘コンテスト”というのを受けまして、私が選んだ曲はその昔パリにあったというロシア風のカフェを舞台にした「恋のロシアンカフェ」。そのイメージをさらに掴みたい! ということでロシアに行ってきてしまいました。

 女一人ロシア旅! まだまだ日本の真冬のような寒さのロシア。寒いのが大嫌いな私が果たして耐えられるだろうか……。百聞は一見に如かずということで、日本でいう京都のような歴史的建造物が多く残るサンクトペテルブルクと、首都モスクワの2本立てで行くことに決定。

 しかし、まずモスクワからサンクトペテルブルクへの飛行機に乗り遅れ!! 空港内を汗だくでダッシュするも虚しく、飛行機は飛び立ってしまいました……。困惑していたのですが、運よく次の便に乗ることができ、無事にサンクトペテルブルクに到着。

 到着はできたのですが、今度はスーツケースを受け取ることができずロストバゲージの手続きをしてホテルへ。この日は、石鹸でメイクを落とし、洗濯物を洗ってやり過ごしました。寒いロシアならではの、バスルームに洗濯物を乾かす暖かいパイプがあって大助かり。雪が降ったら靴下とかすぐに濡れちゃうもんね。

サンクトペテルブルク2日目

 翌朝、地下鉄とバスを乗り継いで「エカテリーナ宮殿」へ。

エカテリーナ宮殿

 サンクトペテルブルク、地下鉄めっちゃ綺麗で分かりやすい! でも、バスの景色がどんどん田舎の景色に………。内心、不安になりつつも無事到着。というところで、そこでも問題勃発!

 なんと私の滞在する3日間すべてエカテリーナ宮殿はお休み。内部を見ることなく、エカテリーナ宮殿をあとにしました……。ロストバゲージからの臨時休業。スーツケースの中に防寒具すべて入れちゃってたから、めちゃくちゃ寒いし……。海外で1人でなんだかついてないなぁ。

 気を取り直してお昼ご飯! ロシアといったら、ボルシチでしょおおおお!! 今回はふらっとお店に入ったので店名が分からず、看板もキリル文字で読めませんでした……。

 とにかく寒いので、温かいスープが身に染みます。さらに、何気なくパンがめちゃくちゃ美味しい。

本場ロシアのボルシチ

 暖まったところで、次は「エルミタージュ美術館」へ!

 ひえーーーーーー! 美しさに息を呑む、という言葉を初めて実感。本当に美しいものばかりで、ロマノフ王朝の素晴らしさに打ちのめされました。エカテリーナさん、こんな素晴らしい美術館を作ってくれてありがとう。ここまでちょっと凹んでいたんですが、ここに来て本当にロシアに来て良かったと思いました。

 そして、この日の夕食はホテルの近くのレストランへ適当に入ったらこれが大当たり! 代官山にでもありそうなオシャレカフェ。ほうれん草のラザニア、豆とエビのトマトソース、クランベリー風味のウォッカ、チェイサーとして生グレープフルーツジュースを頼みました。お味も大変美味しかったです。ロシアのご飯、美味しい!

 この日は酔っぱらってバタンキュー。ちなみに、この時点では、まだスーツケースは出てこず。

サンクトペテルブルク3日目

実際に見せた画像

 朝、歯ブラシを買いに薬局へ。し・か・し!! ロシアの薬局は、商品はすべてガラスケースの中。薬剤師さんに症状を相談して、薬を買うというシステム。薬剤師さん、英語話せなさそうな空気……。

 そこで私は閃いた!

 そう、写真をiPhoneで撮って薬剤師さんに見せるという方法! 薬剤師さん、ちょっとびっくりしてたけどなんとか買えました。皆さんロシアで薬局に行った際は気をつけてくださいね。

 買い物をしてホテルに戻ると、スーツケースが届いてました。防寒具を身にまとい、「血の上の救世主教会」へ。

 この日も、雪がジャンジャカ降っててめちゃくちゃ寒かったです。でも、人間って慣れるもんで、段々寒さも気にならなくなってきました。しかも教会内部は、暖房ガンガンで暖かい!

完全防寒の私
教会の天井
イコノスタシス

 どことなく、エキゾチックな色使いは他のヨーロッパの教会では見られないと思います。ロシア正教会の独特な美的感覚。天井はすべてモザイク画で、色合い、モザイク画の素晴らしさ。悲劇があった場所とは思えない美しさです。

 この日のランチは、ロシア料理といえばパート2。

ビーフストロガノフ

 ストロガノフさんという、貴族のおうちのコックさんが発案したとか。

 柔らかい牛肉の食感と、生クリームが絶妙! そしてここのお店もパンが美味!! ロシア、パン美味しいです。

 続いて、「イサーク大聖堂」へ。サンクトペテルブルクは、そんなに大きな街ではないので徒歩で移動できちゃいます! 寒いけど、防寒しっかりしてれば歩けます。

 こちらは、まず建物が巨大! よくもまぁこんなに大きな物を建てたな、と感心してしまいます。そのスケールの大きさに感動してしまうし、教会内部の絢爛豪華さも目が眩むよう。サンクトペテルブルクに来たら必見です! 有料で、サンクトペテルブルクの街を見渡す展望台に登れます。

 夜は、「エルミタージュ劇場」でバレエ鑑賞。ロシアの大体の劇場には英語サイトがあり、そこからチケットを購入できます。ロシアに着いてからだと、スタッフが英語を話せるか微妙なので事前購入がオススメです。

イサーク大聖堂の内部
エルミタージュ劇場

 こじんまりとした、ステージもコンパクトな劇場。オーケストラピットが近すぎて驚きました! 演目は、ロシアバレエの名場面を集めたオムニバスでした。さすがバレエの国。ダンサーのレベル高い! 超絶技巧もなんのその!

 圧巻の美しさと技術力! そしてダンサー可愛い! イケメン! オーケストラの演奏も迫力抜群! 盛り上げどころをよく分かっていて、バレエという総合芸術を思いっきり堪能しました。

 興奮冷めやらぬまま、夕食は前もってチェックしていたダンスショーのあるレストラン「サンクトペテルブルク」へ。血の上の救世主教会のすぐそばです。

 可愛らしいロシアの伝統衣装に身を包んだ、歌い手と踊り子さんたち。さすがバレエとサーカスの国。体の柔軟性半端ない!

 コサックダンスなど、ロシア音楽の歌ありダンスありのショーを見ながら「キエフ風カツレツ」をいただきました。 鶏肉の中に、バターのソースが入ったカツレツ。ナイフで割ると、溶けたバターのソースが肉汁と溢れ出します! 付け合わせのクランベリーのソースが甘酸っぱく、こってりしたカツレツと好相性でした。

ロシア音楽の歌とダンスのショーが見られる「サンクトペテルブルク」
キエフ風カツレツ

 そして、サンクトペテルブルク最後の夜は続く! このお店のすぐ隣にJAZZバーが!

 「Dom7」というお店で、この日は女性ヴォーカル入りのトリオ。店内は賑わっていて、静かに演奏を楽しむというよりはお酒を飲みながら賑やかに楽しむ雰囲気。演奏もラテンの曲を演奏していて、踊りだすお客さんも。

ロシアのJAZZバー「Dom7」
ライトアップされた血の上の救世主教会

 夜のサンクトペテルブルクは、こんな風に教会がライトアップされていてとても幻想的。幻想都市と言われるのも頷けます。夏期にはライトアップはないそうなので、ご注意を。24時間営業のカフェなども多く、教会がライトアップされているからか夜間でもそんなに物騒な感じはしませんでした。

 しかし油断は禁物です。泥酔する前にホテルへ。ロシアのエンターテインメントを堪能した夜でした。

サンクトペテルブルク4日目

 サンクトペテルブルク最終日の4日目は、15時にはホテルを出てモスクワへ発つ予定。それまで「ユンコフ宮殿」へ。

 大金持ちの貴族の宮殿というユンコフ宮殿。これが家? という豪華さ!

 これがロシアンブルーというのでしょうか? 得もいわれぬような色合いでした。ユンコフさん、音楽や舞台が相当好きだったのか、至る所にグランドピアノがあり、そしてなんと劇場まで!

ユンコフ宮殿の「青の部屋」
ユンコフ宮殿の劇場

 これが家ってすごすぎる!! 劇場があるならコンサートホールまで。この日は、たまたま男性アカペラグループのミニコンサートが無料であり、ちゃっかり聴いてきちゃいました。

 メンバーの方に、譜面を見せてもらうなどコミュニケーション。素晴らしい歌声で、CDまで購入。本当に、ロシアのクラシック音楽のレベルは高い! サンクトペテルブルク、最後にとてもよい歌を聴いて刺激を受けました!

男性アカペラグループと私

 次回はモスクワ編です! 今回のロシア旅のきっかけとなったコンテストで、なんと最優秀賞をいただきました。そして、7月8日にBunkamuraオーチャードホール「ヌーヴォー巴里祭」に出演します! 詳細はブログをご覧ください。

琴音

シャンソン、JAZZなどをメインに歌うボーカリスト。28歳。たまにアルトサックスも吹きます。趣味・特技は、ライブなどで訪れた日本各地の美味しい食べ物を探すこと。思い立ってふらっと一人旅をすることもしばしば。ブログはhttp://ameblo.jp/singersax-kotone/