ボーカリスト琴音の音楽旅

初ロシアはおそロシア 後編! サンクトペテルブルクからモスクワへ

 幻想都市サンクトペテルブルクから、今回は無事に飛行機にも間に合い、首都モスクワに到着しました。今回のロシア旅行はサンクトペテルブルクがメインだったので、モスクワ滞在は帰国のトランジットを利用しての1泊だったので弾丸観光でした。ちなみに、日本からサンクトペテルブルクの直行便は夏季のみしかありません……。

ホテルの部屋からの雪景色

モスクワ1日目

 空港を出るとそこは雪の降る銀世界……。今回は4月初旬に訪れたのですが、雪が降り積もっていてレインブーツが大活躍でした。モスクワはサンクトペテルブルクよりも南東に位置しますが、モスクワの方が寒い! 同じ日でもサンクトペテルブルクは雪が積もっていなかったのですが、モスクワは雪景色が広がっていました。

 ホテルは、ヴラデキノ駅徒歩10分程の「マキシマザーリャホテル」に泊まりました。モスクワ中心部から少し離れており、街の雰囲気は住宅地といった感じでしょうか。

 このホテルのよかった点は、遅くまでやってるスーパーが近くにあったこと! 23時くらいに水を買おうとスーパーに行ったら、何やら店員さんと男性がもめている様子。男性はかなり酔っぱらっています。

 何が起きているのか、離れたところから見ていると。男性はお店がお酒を売ってくれないことに対して、店員さんに絡んでいるようでした。それもそのはず、ロシアでは法律で22時以降スーパーでのお酒の販売は禁止されています。飲食店やホテルのバーなどでは飲めますが、ホテルの部屋でお酒を飲みたい方は、22時までに買っておいた方がいいですね。

 一騒動ありましたが、ホテルのすぐ近くだったので無事に部屋に戻り、モスクワ初日が終了しました。

モスクワ2日目

地下鉄出口から見たクレムリン

 モスクワ2日目ですが、もう最終日……。この日の15時には、ホテルに空港までの送迎車がくる予定。ということは、そう! あまり時間がないのです。

 朝早めにホテルを出て、現在も政治活動の拠点でもあるクレムリンへ。モスクワの地下鉄も、サンクトペテルブルク同様どこまで行っても運賃が均一で分かりやすく、迷わずにクレムリン近くのボロヴィツカヤ駅に到着しました。

 赤い外壁が見えて、テンション上がってきます! 赤の城壁は迫力があり、現在も政府の重要機関があるということで、重厚感半端ないです。

 チケットを購入し、いざクレムリン内へ!

 入ってすぐは、お城っぽい雰囲気に興奮しました。印象的だったトロイツカヤ塔は、総主教や皇后などの入場に使われていたそうです。

チケット売り場近くの銅像
クレムリン城壁
トロイツカヤ塔

 クレムリンは大統領官邸などもある文化遺産で、内部を見れる場所は限られていますが、一般にも開放している大聖堂などを観光しました。

 まずは、ウスペンスキー大聖堂へ。サンクトペテルブルクで見た大聖堂よりも古くに建設されたということで、だいぶ年季が入っています。

 聖者の描かれた門は、聖者が描かれておりバックの背景がお星様なのが印象的でした。青の背景に、黄色の星がとても幻想的です。

 イワン大帝の鐘楼は鐘が24個あるそうですが、数えられず…こちらは、内部は見学できませんでした。

ウスペンスキー大聖堂の門
イワン大帝の鐘楼
アルハンゲリスキー大聖堂入り口

 アルハンゲリスキー大聖堂の入り口に描かれている絵も、長くロシアを見守っていたような歴史を感じさせます。この大聖堂には、歴代皇帝とそのご家族の棺が眠っています。その棺自体も、美しくて目を奪われます。

ブラゴヴェシェンスキー大聖堂

 次はブラゴヴェシェンスキー大聖堂へ。なんだか舌を噛みそうな名前の大聖堂です。

 階段付きの玄関から入場します。階段は大きく、クレムリン内でブラゴヴェシェンスキー大聖堂だと分かる目印になります。天井の絵や装飾も美しい!

 しかしこの日のモスクワも極寒。大聖堂に入る度に、暖かくて出たくなくなってしまいます。中に椅子がある大聖堂もありますが、やはり神聖な場所なので休憩するのもなんだか申し訳ない。クレムリン内は広いのですが、カフェなどはないので要注意です。トイレは外に公衆トイレがありました。

大砲の皇帝

 十二使徒教会の横にある大砲の皇帝は、1586年の鋳造当時は世界最大を誇っていました。こんな弾を当てられたらひとたまりもないですね。この弾は装飾用に置いてあるそうですが。大砲自体の装飾も、カッコイイです!

 重さ40tだそうですが、動かすだけでも大変そう。何人がかりで動かすのでしょう? しかし、この大砲は実際に使われたことはないのです。

鐘の皇帝

 こちらの鐘の皇帝は、重さ200kgの世界最大の鐘! 1737年のクレムリン火事で、一部が欠けてしまったそうです。

 この写真はその正面から。細かな装飾が、もはや芸術品ですね! 上の金ぴかの十字架もカッコイイ!

寒空の下のアルハンゲリスキー大聖堂

 クレムリン内部は、現在も政治活動が行なわれているので立ち入り禁止エリアも多々あります。私も、色々と散策していたらお巡りさんに止められたりしました。

 お巡りさんが立っているエリアは、立ち入り禁止エリアが多いようです。ご注意を!

 そして、もう1つの見所「武器庫」へ。

 ガイドブックの地図に載っている、クレムリン大会宮殿の脇を通ろうとしたら、ここでもお巡りさんに止められました! どうやら、私が入ったトロイツカヤ塔の入り口から一度出て、ボロヴィツカヤ塔の入り口からもう一度入り直すようです。

 出口を出て、左にテクテク。5~8分ほど歩くと、何やら行列のできている入り口が。この入り口は、最初に買ったチケットで入れました。

 ようやく武器庫に到着! こちらは再度、チケット購入が必要です。

 そして、残念なことに写真撮影NGでした。武器庫は入場時間が制限されているので要注意。

 写真がないので、文章で! しかし、筆舌に尽くし難いとは正にこのこと。武器庫と聞いていたので、先ほどの大砲などの兵器が置いてあるのかと思いきや。美しい馬車や衣装、王冠、宝石など絢爛豪華そのもの。

 有名な「ファベルジェの卵」も、こちらで見られます。豪華な調度品の数々に、自分がお姫様になったような気持ちになれます。女性には特にオススメです。この日は、隣のダイヤモンド庫がお休みだったので、武器庫を最後にクレムリンを後にしました。

 日本へのお土産を買おうと、クレムリン近くの地下スーパーへ。やはり雪国だからスーパーも地下にあるんでしょうか?

 ここでは、ピロシキを食べたいと思ったので、中身は分からないまま何個か揚げパンを購入。これがすごかった! 日本人の発想にはない、いや、実はあるのか? という代物でした。

 揚げパンの中の具は、なんと「クリームリゾット」! 焼きそばパン的な? お好み焼きでご飯食べる的な? しかし、食べてみると何の違和感もなく美味しかったです。お米の芯が残っていて、日本のお米とは違う食感でした。

 さらにお土産を求め、少し歩いてアルバート通りへ。アルバート通りは、日本で例えると原宿の竹下通りのような感じでしょうか。

 歩き疲れたのと、寒さで体が冷えきってしまったのでまずはカフェで休憩。ロシアのカフェチェーン、コーフェハウスに入りました。英語メニューもあり、オシャレな雰囲気に清潔感のある店内です。ケーキを食べようか迷い、我慢してラテスペシャルというものを注文。帰国後の体重が怖い。

 フワフワのミルクの下に、少し濃い目のラテが。かき混ぜてもよし、ストローで自分の好みの濃さで楽しめます。透明グラスですが、ホット。2層になっているのが、透明グラスなので見た目も可愛いです。

 コーフェハウスは、サンクトペテルブルクにもたくさんあり、観光客でも入りやすい雰囲気です。英語メニューがあるので心強いですね。キリル文字は、なかなか覚えられませんでした。

 結局、私が使ったロシア語は「スパシーバ」のみでした。

カフェ コーフェハウス
コーフェハウス メニュー
コーフェハウスの「ラテスペシャル」

 ちなみに、サンクトペテルブルクや、モスクワは観光地なので英語も結構通じました。もちろん英語圏の国ではないので、油断は禁物ですが。

 最後に、アルバート通りで買ったものを紹介したいと思います。

 チョコレート、緑の袋とリスのイラストが可愛くて買ってしまいました。味は、日本では考えられないくらい甘かったです。ナッツが入っていて、だからリスのイラストなのかと思いました。

 お菓子のお土産もいいけれど、女性は体型にも気を使っているもの。マトリョーシカの絵が描いてある爪やすりは、ロシアっぽくて可愛いと喜ばれました。

 旅の記念に、自分にもお土産を。今回、たくさんのロシア正教会を巡りその独特のエキゾチックな色使いに、すっかり魅せられてしまいました。一番小さなマトリョーシカに、キリストが描かれていてお気に入りです。

 マトリョーシカも、絵のうまさによって値段がピンからキリまであります。高価なものは大体ガラスケースに入っていて芸術品のような美しさですが、安価なものは店頭のカゴに入っていて、その違い見るのも楽しいです。

パッケージが可愛いチョコレート
可愛い絵柄の爪やすり
聖母マリアのマトリョーシカ

 空港では、出国審査の時にパスポートの顔写真と違う、と止められて20分。3人ほど検査官がきて、顔をジロジロ見られてなんとか通れました。

 パスポート写真はお化粧してたのですが、飛行機に乗るときはノーメイク。そんなに違うかな? トホホ……。ロシアは入国も出国も念入りにチェックされます。ビザも必要ですが、申請を個人でやると大変なので、旅行代理店に取ってもらう方がスムーズだと思います。

 こうして、無事に帰国しました。ロシアは、思っていたよりも治安がよく人々も優しかったです。そして、思っていたよりも寒かったです。ロシアの人たちが、ファーの帽子を被っているわけがよく分かりました。

 ロシア旅のきっかけにもなったシャンソンコンテストでも、ロシアン帽を被って歌いました。8月14日には内幸町ホールにて「シャンソンの夏 vol.3」というコンサートで「恋のロシアンカフェ」を歌います。詳細はブログにて!

琴音

シャンソン、JAZZなどをメインに歌うボーカリスト。28歳。たまにアルトサックスも吹きます。趣味・特技は、ライブなどで訪れた日本各地の美味しい食べ物を探すこと。思い立ってふらっと一人旅をすることもしばしば。ブログはhttp://ameblo.jp/singersax-kotone/