ボーカリスト琴音の音楽旅

草加せんべい食べ歩き&寒い日に最高の「爆風ロウリュ」! 冬のぶらり草加女子旅

オレオバナナサンドが美味しい!

 草加といえば「おせんべい」が思い浮かぶ街ですよね。温泉、サウナ好きの友人から、「草加によいサウナがある」という情報が入りました。温泉好きでもあるけれど、サウナ好きでもある私たち。小旅行も兼ねて、「湯乃泉 草加健康センター」を目指して12月の寒い日に出かけてきました。

 この日は気温4℃と、かなり寒かったです。なので、街歩きはほどほどにしようと話していたのですが、草加駅周辺はいろいろと見どころがあり、しっかり散策してきました。

 まずは草加駅前交番にて、おせんべい屋さんの多いエリアを聞いてみました。すると、さすがおせんべいの街、「草加せんべいマップ」なるものが存在し、これをいただいて、まずは駅前一番通りに向かいました。

 まず発見したのが「フルーツパーラー808」。何やら人だかりができていていて、その奥に光り輝く黄金のようなフルーツサンドたちが。その美しく並ぶ姿は、まるでハレムの美女たちのよう。なんともインスタ映えしそうなフルーツサンドがズラリと並んでいます。どれも美味しそうだったのですが、フルーツパーラー808はバナナジュースも推しているということで、オレオバナナサンドを購入しました。

 たっぷりの生クリームに、大きめにカットされたバナナが口からこぼれ出そう。ちゃんとナプキンを同封してくれていたので事なきを得ました。お店のInstagramを見ると、確かに食べやすさはどこかに置いていかれたかも知れませんが、食いしん坊としてはフルーツが大きい方がうれしいです。

これが「草加せんべいマップ」
サイズ感がうれしい美しいフルーツサンド
ボリュームたっぷりなオレオバナナサンド

 少し散策していると草加市立歴史民族資料館が。中には入りませんでしたが、外観がレトロでカッコいい。旧日光街道のおせん茶屋公園付近で「草加せんべいマップ」を広げていたら、「あんたら何か探してるの?」と知らないおじさんに声をかけられました。そこですかさず友人が「この辺りでオススメのおせんべい屋さんありますか?」と尋ねると、「僕は高瀬さんておせんべい屋さんが好きだよ」と。マップを見ると、「高瀬煎餅店」もしっかり載っていました。

 しかしおじさんのトークは続き「この街はね、宝くじ3億円当たった人が3人も出たの。このすぐ近くの神明神社をお参りした人ばかりだよ。あんたらも、お参りして今日中に宝くじ買うといいよ。おじさんも1000万当たったんだから」と。どこまで本当か嘘か分からないおじさんの話でしたが、せっかくなので高瀬煎餅店と神明神社に行くことにしました。

草加市立歴史民族資料館
旧日光街道の往事を思わせるおせん茶屋公園

 まずは高瀬煎餅店に。老舗の雰囲気たっぷりの味のある店構えです。おせんべいを焼いている姿がしっかり見えました。美しい手さばきでパッパッとおせんべいをひっくり返す技術はまるで芸術。12月に入ると、お歳暮やお年賀の予約でとても忙しいそうです。こちらでは4枚入りのごませんべいを購入して、持ち帰りにしました。

草加の高瀬煎餅店
手作業でおせんべいを焼いている姿
高瀬煎餅店のおせんべい、香ばしくて美味しかったです

 神明神社に到着して、宝くじが当たるようにしっかりとお参りをしました。そのすぐそばに草加宿 神明庵という休憩所があったので、寒過ぎたので中へ。無料の温かいお茶をいただき中を見渡すと、草加のお土産も販売しています。1階は観光案内所も兼ねていて、2階はギャラリーになっています。草加は「松尾芭蕉も歩いた街」ということで、芭蕉の肖像画も飾られていました。古い町屋建築で、タイムスリップしたかのような錯覚に陥ります。

宝くじが当たる(?)という神明神社
草加宿 神明庵
レトロさがかわいい時計
和モダンな内装
古道具好きには堪らない品々
手作りの和の雑貨
2階にも椅子あり
天井が低いので、昔の日本人の身長を想像できます

 そのあとは、すぐ近くにあるおせんべいのバラ売りもしている「堀井商店」へ。「満月」という塩味のおせんべいを購入し、湯乃泉 草加健康センターに向かうためにバス停へ向かいました。

バスを待っている間に完食。絶妙な食感と塩加減

 東武バスに乗って、北谷2丁目で下車。バス停からすぐ目の前が湯乃泉 草加健康センターです。草加駅との間で無料送迎バスもあります。中に入ってみると、何やら懐かしい雰囲気。

入口付近。吹き抜けで開放感のあるフロント
1階の食事処ではステージがあり、歌謡ショーなどさまざまな催しが行なわれています

 2階には大量のマンガもあり、ゲームコーナー、カラオケなど設備が充実していて、1日のんびり過ごせそうです。まずはお風呂で軽く温まりました。

幅広い品揃えのマンガ
麻雀室。喫煙可
懐かしいゲームが揃うゲームコーナー

 お風呂も、効仙薬湯という生薬たっぷりのお風呂、スーパージェットバス、高濃度炭酸泉、気泡が出てくる泡風呂、電気マッサージ風呂、露天風呂はなんと草津の湯を楽しめるという贅沢さ。サウナと水風呂は露天風呂の横にあるので、サウナから出たらすぐに外気に当たれます。これが冬だと特に気持ちいい。

さまざまなお風呂が楽しめます(写真提供:湯乃泉 草加健康センター)
まさかの温泉も楽しめる豪華ぶり(写真提供:湯乃泉 草加健康センター)

 冷えた体を暖めたあとは、2階の食事処へ。メニューは1階、2階共通です。食事もどれも本格的で、辛党の私でも辛いと感じた「スンドゥブチゲ」は絶品でした。

お座敷、テーブル席どちらもあります
和洋折衷、たくさんのメニューがあります
握り寿司まである守備範囲の広さ
寒ブリのお刺身
辛さだけではなく旨味もしっかり「スンドゥブチゲ」

 食事をすませて、19時から始まるという「爆風ロウリュ」に備えます。サウナの本場、フィンランドの言葉で「蒸気」を意味するロウリュ。現地ではサウナストーンに水をかけて蒸気を発生させますが、日本ではサウナヒーターにアロマ水などをかけて発生させた蒸気をスタッフがあおいで、その蒸気に当たることを「ロウリュ」と呼ぶことが多いです。

 高温のサウナの中でさらに熱波を浴びる蒸気浴「ロウリュ」。意外と実施してる入浴施設は少なく、このように全裸で入れて、そのまま水風呂に直行できるところはさらに限られます(大浴場とは別室で、着衣で男女ともに受けられるところが多いです)。

 しかもこの湯乃泉 草加健康センターは「爆風」と付いており、唯一無二、湯乃泉グループのみという謳い文句。一体どんなものなのか、期待に胸が膨らみます。19時を目前に、爆風ロウリュを待つ女たちが各々のスタイルでサウナに入室していきます。

 サウナハットを被る者、タオルで頭を覆う者、私は濡れタオルで頭から鼻と口までしっかり覆う目だけ出すスタイル。その姿、まるで戦場におもむく戦士のよう。皆、これからの激しい熱波と己との戦いに覚悟を決めた者ばかり。いざ、戦場へ。

 中に入り、上段にポジションを陣取り、本日のロウリュスタッフさんが入室。その手に持つのは、日本の一般的なロウリュで用いられるタオルではなくブロワー。え? ブロワーって庭とか、農家さん、工事現場でよく見るやつ? どちらにしろサウナで見かけるものではないような……。

 という戸惑いをよそに、スタッフさんはサウナヒーターにアロマ水を掛けて、ブロワーでサウナ内に風を送り出しました。熱すぎて「焼け石に水」……意味は違うけど、そんな関係ないことが頭によぎるくらい熱い。暑いのではなく「熱い」。今まで感じてきたロウリュの比ではなく「熱い」。これが唯一無二の爆風ロウリュ。

 唯一無二の名のとおり、戦場に熱波が吹き荒ぶ素晴らしいロウリュです。まさかブロワーで風を当てるだなんて、誰が思い付いたのか素晴らし過ぎる発想です。本場フィンランド人も、この爆風ロウリュを体験したら本国に持ち帰るのではないでしょうか。しかし、熱波が当たっている間は凄まじく熱いので、1回目は面食らってしまい、途中で戦線離脱してしまいました。

 我が友人はその熱波が吹き荒れる中、まだ第一線で耐えていました。一足先に外に出ると、冷たい外気がめちゃくちゃ気持ちいい。少し休んで水風呂でさらにととのう〜っ。真冬の寒い中、外で水風呂に入るだなんて狂気の沙汰と思うかもしれませんが。狂気じみた熱波を浴びたあとなので、最高に気持ちいいのです。しかも、こちらはすぐに外気に当たれるサウナ。熱波を浴びて、全裸で冷たい外気に当たる爽快感。たまりません。

泡が出てくるタイプの水風呂(写真提供:湯乃泉 草加健康センター)
広々としてテレビもあるサウナ。「爆風ロウリュ」以外に「セルフロウリュ」など、さまざまなロウリュを楽しめます(写真提供:湯乃泉 草加健康センター)

 その後、少し慣れて上段より少し温度の低い下段で2回、3回と爆風ロウリュを楽しみました。めちゃくちゃ熱いのですが、その後の爽快感が通常のロウリュよりも高く、やみつきになります。サウナ室自体かなり広く、サウナマットも1回ずつ何回も使えるのでとてもよかったです。

 ここがサウナーのなかで話題になるのもうなづけました。爆風ロウリュは、今まで体験してきたロウリュの概念を覆す画期的な新しいスタイルのロウリュです。熱過ぎて面食らいますが、慣れてきたらその熱さに耐えた者だけが味わえる極楽浄土を体験できます。

 が、体感には個人差があるので無理は禁物。自分の体調と相談しながら楽しむのがサウナのポイント。「サウナは暑いだけでしょ」と思っている方。水風呂に浸かってととのうまでが、サウナなのです。その「ととのう」感覚は極楽浄土を垣間見ると言っても過言ではないでしょう。

粘膜部分がピリピリするほど生薬が効いている効仙薬湯
健康センターオリジナルの健康ドリンクは、オロナミンCとカルピスを割ったもの

 この湯乃泉 草加健康センターのサウナは素晴らしいサウナでした。サウナ好きな方はぜひ、1度足を運んでみてほしいスポットです。お風呂上がりは軽くお食事処で水分補給をして、草加駅に向かいました。送迎バスのタイミングが合わなかったのでタクシーを使いましたが、迎車料金入れて草加駅まで1500円ほどでした。草加駅は、多くの路線が乗り入れていて都内からのアクセスもよかったです。

 美味しいおせんべいと、素晴らしいサウナの旅。そして、不思議なおじさんとの出会いで訪ねた神明神社。初めての草加でしたが、満喫することができました。もちろん、この日のうちにインターネットで宝くじを購入しました。神明さまのご利益を享受できるか、楽しみに来年を迎えたいと思います。

湯乃泉 草加健康センター

所在地: 埼玉県草加市北谷2-23-23
営業時間: 24時間営業(入浴時間は朝10時~翌朝8時)
定休日: なし(年中無休)
TEL: 048-941-2619
Webサイト: 湯乃泉 草加健康センター

琴音

シャンソン、JAZZなどをメインに歌うボーカリスト。たまにアルトサックスも吹きます。1986年10月10日生まれ。趣味・特技は、ライブなどで訪れた日本各地の美味しい食べ物を探すこと。思い立ってふらっと一人旅をすることもしばしば。ブログはhttp://ameblo.jp/singersax-kotone/