ボーカリスト琴音の音楽旅

ニューヨークの最新エンタテイメントを体験! アートに音楽にはっちゃけまくりのアラサー女子旅

今回は音楽やアートに触れるニューヨークひとり旅

 私の初めての海外旅行は、22歳のときのニューヨークひとり旅。今も1人でどこへでも行ってしまいますが、それは最初のひとり旅のNYが楽しかったからかもしれません。

 ブロードウェイミュージカルはもちろん、ジャズの本場であり、ダンスやアートでも世界の最先端を誇るNY。今回は、アルゼンチン・ブエノスアイレスから日本に帰る途中にNYに5日間滞在しました。ブエノスアイレスのホルヘ・ニューベリー空港から、ブラジル・サンパウロのグアルーリョス国際空港を経て、ニューヨークのジョン・F・ケネディ国際空港に到着。

 宿泊先は「HI New York City Hostel」。ホテルが高いNYで、ひとり旅でホテルはもったいないのでホステルに初宿泊。こちらはネットでの評価が非常に高く、ホテルよりも安価に泊まれるのでこちらに決めました。

 バス、トイレ、ベッドルーム、キッチンは共同です。すごくオシャレな内装で、快適に過ごすことができました。この旅では参加できませんでしたが、週末はバー巡りや観光のツアーなどもホステルが主催しているので、ひとり旅でも楽しく過ごせそうです。

 今回は、友人の日本人ジャスボーカリスト「ひかり」も偶然近所に滞在していて、滞在中は毎日会って行動をともにしていました。到着日はホステルに荷物を置き、早速ひかりとホイットニー美術館でアンディ・ウォーホルの企画展へ。さすが本国アメリカ、ウォーホルのこんな大型作品は見たことがないものばかり。趣味の合うひかりと、毎回同じ作品の前で立ち止まるのがおもしろかったです。

HI New York City Hostelのカフェ
キッチンにはNYらしいペイントが!
調理器具、食器などすべて揃っています
ビリヤード台まで
空間すべてがアンディ・ウォーホルの世界!
グッズも充実していました
日本では見たことのない大きいサイズの作品

 ホイットニー美術館から、近くのチェルシーマーケットへ向かいました。たくさんの飲食店の入っているこちらは、夜は多くのニューヨーカーでごった返しています。私たちは、ビールとワインで乾杯。久しぶりの再会と、NYで会えたことで話に花が咲きました。

 そして、道中気になっていた大型のスターバックスコーヒーへ。ここは「Starbucks Reserve Roastery New York(スターバックス リザーブ ロースタリー ニューヨーク)」。高級路線の店舗で、日本でも2月にオープンして話題になりましたね。バーカウンターもあってお酒も楽しめます。コーヒーの焙煎も店内でしていて、その機械を見ていると近未来のロボットのよう。夜遅い時間だというのに、ケーキとコーヒーでこの日を締めくくりました。

チェルシーマーケット内。さまざまなお店が屋内で楽しめる
「Starbucks Reserve Roastery New York(スターバックス リザーブ ロースタリー ニューヨーク)」は、スタバ界のラスボス感強め。グッズやアパレル販売も

 今回の滞在で、みんなにオススメされていたブロードウェイ作品は「Sleep no more」という作品を見に行きました。公式サイトから事前にチケットを購入して会場へ。撮影禁止でしたが、シェイクスピアの「マクベス」を題材にして演者を観客が追い掛けながらパフォーマンスを鑑賞するという珍しいスタイル。

 廃ホテルを改装したという会場は、地上6階、地下1階まであり、そのすべての部屋の内装がかわいすぎて、ここに住みたい! イメージは、東京ディズニーランドのホーンテッドマンション。演者さんを走って追いかけるために、階段の上り下りなども多いので、入口のクロークで荷物と上着を預けるように言われます。

 3月下旬のNYはまだ寒かったので、室内でもストールを持ち込もうとしたら「暑くなるから、置いていったほうがいいわよ」とスタッフさんに言われました。あとになって、言うことをきいてよかったと実感。うっすら汗をかくほど動き回りました。

 少しホラーっぽいダークファンタジーな世界観で、約3時間ものすごく楽しめました。しかし、暗い中を歩き回るのでお年寄りや足の不自由な方、セリフや歌は一切ないので目の不自由な方はあまり楽しめないかもしれません。しかし、逆に英語が分からなくても楽しめるのは外国人観光客にはとてもよいと思います。

「Sleep no more」のキャスト表。マクベスのストーリーを知っていたら、サブキャストを追いかけるのも楽しいですよ

 もう1つ、今回の滞在で見たブロードウェイ作品は「Gary:A Sequel To Titus Andronicus」という、3月5日から始まった舞台です。シェイクスピアの初期作品「タイタス・アンドロニカス」の続編、という意味のタイトル。

 シェイクスピア作品でも1、2を争う残虐なストーリー、広告も血だらけのホラーテイストでした。劇場入口でのお酒の販売も赤い飲み物だけ。「どうしてもこのデザインのプラカップが欲しかったのですがお酒は飲みたくない」と伝えたら、クランベリージュースのソーダ割りにしてくれました。美味しい赤い血のようなジュースを飲みながら、客席で開演を待ちます。

「どんな血みどろの惨劇があるのかしら?」と思っていましたが、怖いのが苦手でも、英語が分からなくても楽しめる内容でした。歌や音楽はなく、芝居とほんの少しのダンスのみ。有名ミュージカルは見尽くした、という方はトライしてみては?

「Gary:A Sequel To Titus Andronicus」のキャスト表。
ホラー作品を彷彿させるプレイビル

 そして、やはりNYといえばJazz! 今回はホステルの近くに「SMOKE」というJazz clubがあり、何度か遊びに行きました。ライブはAlexis Coleさんいう女性ボーカルを聞き、ほかの日は深夜セッションを聞きに行きました。学生さんなどが多い印象でしたが、セッションホストによって集まる人も変わるようです。

「SMOKE」入口
ピアノ引き語りで歌うAlexis Coleさん
食事も美味しい。独創的なレタスサラダ

 Jazzライブだけではなく、NYのPOPSシーンはどうなんだろうということで、「The Bitter End」というライブハウスも訪問。かのレディ・ガガもOpen mic(お客さんが歌える日)にチャレンジしていたとか。この日は対バン形式で何組かのバンドが出演していました。どのバンドもクオリティ高めで、とても楽しかったです。

「The Bitter End」入口
カントリーテイストのNikki Fernandez,素晴らしかった!

 そして、夜遊びといえばクラブ! 今回はひかりと事前に調べていた「1 OAK」というクラブへ。私たちの入った時間は月曜の23時半で、特に入場料は取られませんでした。混んでいるときは行列になるそうなので、早めに行くのがポイントかも。かかっている音楽や雰囲気はThe America! という感じで、日本のクラブとそこまで差はありませんでしたが、こちらはお客さんがみんなかわいい&イケメン。VIP席でシャンパンを入れて飲んでいる男の子たちと、それを囲むモデル美女たち。これが「リアルSEX AND THE CITY!」と興奮しながらガンガン踊るひかりが、踊りながら美女たちと仲良くなっていました。海外ドラマの世界を実体験できました。

1 OAK入口。近隣にハシゴできそうなお店はないので、遊びに行くときはたっぷり滞在した方がよいかも。カクテル1杯が20ドル(約2200円、1ドル=約110円)ほど

 そして、今回の滞在でどうしても行きたかった念願のMoMa、ニューヨーク近代美術館へ。モダンアート好きな私ですが、こちらの美術館は特に名作ばかりで作品のエネルギーに倒れそうになりました。一つ一つの作品が、その作家の名作といわれるような作品ばかりで、一気にこれだけの作品見られるのは素晴らしいですね。

ルね・マルグリット「恋人たち」
フェイス・リングゴールド「American peoples series#20:die」
南米ぽいなぁ、と思ったらアルゼンチン人画家の作品でした。アントニオ・ベルニ「New Chicago Athletic Club」
ミュージアムショップもかわいかった

 そして私のライフワークのCrossFitジムにも行ってきました。今回は5番街近くの「SOLACE」にお邪魔しました。美人コーチが丁寧に指導してくれ、設備も充実していました。

CrossFitジム「SOLACE」
オシャレな館内
床がフカフカでいくらでも逆立ちできそう。日本では珍しいトレーニング機器もありました

 音楽にアートにと満喫して「女子としてはお買い物も楽しみたい!」ところですが、ニューヨーク州は110ドル未満の衣類、靴は免税なものの、それ以上は税金がかかります。アメリカブランドは、価格が日本より安いこともあるようですが、免税できないなら高額商品を買うのは今回はやめようと思いました。

 というわけで、今回はブルックリンでの古着巡りに精を出すことに! 友人のひかりがブルックリンに長期滞在していたことがあるので、オススメの古着屋さんに連れて行ってもらいました。今回はウイリアムズバーグエリアへ。とにかく趣味の合うひかりとの買い物は、キャーキャー言いながらとても楽しい時間でした。有名ブランド品でも、お安く買えることもあるのでブルックリンの古着屋さん巡りはお宝発掘の宝庫です!

ブルックリンのアンティークショップ「Junk」はなんでもあり
「Baffalo Exchange」ブランド古着も安価に!
「MONK」個性的なアイテム多し
「Beacon's closet」のどでかい店内。見応えあり過ぎて時間が足りない!

 10年ぶりのNYは、舞台に音楽にアートに、相変わらずとても刺激的な街でした。そして、以前訪れたときよりも日本人も多く住んでいるように感じました。約2か月半に渡り色んなものを吸収した旅でしたが、インプットした分どんなアウトプットになるのか。あらためて、自分の芸や人生と向かい合う旅になりました。今回の旅で感じたことを、自分の表現に活かしたいと思います。

琴音

シャンソン、JAZZなどをメインに歌うボーカリスト。たまにアルトサックスも吹きます。1986年10月10日生まれ。趣味・特技は、ライブなどで訪れた日本各地の美味しい食べ物を探すこと。思い立ってふらっと一人旅をすることもしばしば。ブログはhttp://ameblo.jp/singersax-kotone/