JALふるさとアンバサダー/応援隊に聞く地域愛
共同商品開発「舞翔」から但馬の魅力をお届け
2026年5月11日 06:00
全国各地に拠点を持つJALは、地域活性化の取り組みを継続的に実施してきており(現在は「JALふるさとプロジェクト」)、2020年8月には社内公募で選ばれた客室乗務員が現地に移住して、それぞれの地域での取り組みを推進する「JALふるさとアンバサダー」を発足しているほか、同12月には乗務しながら地域活性化に携わる「JALふるさと応援隊」を任命している。故郷や縁のある地域に対して、客室乗務員として培ってきた知見を活かした商品開発や地域課題の解決などを展開する狙いがある。
今回お話を聞いたのは、西日本支社で日本酒の開発に携わるJALふるさとアンバサダーの石井千春さん。
――取り組みについて教えてください。
皆さま、こんにちは。JALふるさとアンバサダーの石井です。
兵庫県香美町にある昨年創業300周年を迎えた酒蔵 香住鶴をご存じでしょうか。
兵庫県は日本一の日本酒生産量を誇る「酒どころ」であり、そのなかでも但馬地域は、日本酒の四大杜氏に数えられる「但馬杜氏」の伝統技術と豊かな自然が育んだ名酒の宝庫です。厳しい冬の寒さと清冽な水、良質な米により地元に根ざした深いコクとキレのある地酒をお楽しみいただけます。
今回JJエリアセンター但馬(JAたじま、農協観光、JALで構成)での活動の一環として、香住鶴ご協力のもと、日本酒の原料となるお米「コウノトリ育むお米」を使用したお酒「生酛 純米吟醸 舞翔(まいしょう)」が誕生しました。
――この取り組みにはどのように関わっているのでしょうか。
アンバサダーとして田植えから稲刈り、仕込み作業、ラベルデザインなど約1年かけてすべての工程に携わらせていただきました。
まず、日本酒作りに使用するお米が必要です。
お米には「コウノトリ育むお米」を使用しており、5月に田植え、9月に稲刈りを実施しました。兵庫県の但馬地域はコウノトリが自然界で暮らしていけるように田んぼ内に除草剤を使用せず、無農薬栽培しています。そのため、稲の成長時には雑草も同じように成長し、稲刈りのときは苦労が多いと農家さんがおっしゃっており、実際にその光景を体験しました。
そのような自然界の共存が美味しいお米へと成長し消費者に届けられています。
日本酒の仕込みに際しては、玄米を精米するところから始まります。食用米は1度精米して終了ですが、日本酒では玄米の表面を削り(磨き)、残った白米の割合をパーセントで表わした数値を精米歩合といいます。数値が低いほど多く磨いたことを示し、雑味が減ってクリアで華やかな味わいになり、大吟醸(50%以下)や吟醸(60%以下)などの分類基準となります。
お米の中心に白く濁っている「心白」があるとよいとされています。
お酒は蒸されたお米に麹菌を振りかけて「こうじ」造りをします。お酒の原料は米・米こうじです。生酛造りの「舞翔」は小さいタンクで1か月間かけて酒母造りをし、約2週間目に酵母を添加します。酒母ができあがったら大きな仕込みタンクに移します。こうじ菌と酒母の力により糖化とアルコール発酵を同時に行ない、美味しい日本酒が生まれます。
麹菌を振り掛ける作業では「美味しいお酒になりますように」と願いを込めて作業を体験しました。
大きなタンクにお酒の原料を入れ、特に重い櫂棒(かいぼう)を使ってスタッフ全員が交代で作業にあたりました。腕にその感覚が今でも残るほど、非常に大変な仕込み作業でした。
タンク内で3~4週間熟成された液体を濾過し固形物として残ったものが酒粕です。濾過後、液体として残ったお酒の原液に火入れをし、1つのタンクから約3000本分の日本酒が瓶詰めされます。
――今後の展開・展望について教えてください。
ラベルには香住鶴と日本航空の「鶴」と但馬地域を象徴する「コウノトリ」がともに大空へと飛翔していく力強さをイメージしました。農家の担い手不足、お米価格の高騰など、さまざまな課題があるなか、地域と企業が深く結びつきJAたじま、農協観光、JALスタッフが一丸となり、「但馬の魅力を多くの方に知っていただきたい!」との気持ちが1つになって完成したお酒です。
――旅行者に向けてメッセージをお願いします。
但馬地域は但馬牛や松葉ガニの魚介類、関西最大級のピーマン産地でもあり「食の宝庫」で地産の食材とマッチした日本酒をお楽しみいただけるエリアとなっております。
シーズン問わず、さまざまな魅力を体験できる但馬地域。四季折々の景色に身を寄せながら、ぜひ日本酒「舞翔」をお楽しみください。
販売先:香住鶴売店、JAたじま直売所「たじまんま」

























