JALふるさとアンバサダー/応援隊に聞く地域愛

国内初開催! JAL客室乗務員が伝える「知ることから始まるフードバリアフリー研修会」

JALふるさとアンバサダーに地域の取り組みを聞いた。回答者は京都支店JALふるさとアンバサダーの山本めぐ美さん

 全国各地に拠点を持つJALは、地域活性化の取り組みを継続的に実施してきており(現在は「JALふるさとプロジェクト」)、2020年8月には社内公募で選ばれた客室乗務員が現地に移住して、それぞれの地域での取り組みを推進する「JALふるさとアンバサダー」を発足しているほか、同12月には乗務しながら地域活性化に携わる「JALふるさと応援隊」を任命している。故郷や縁のある地域に対して、客室乗務員として培ってきた知見を活かした商品開発や地域課題の解決などを展開する狙いがある。

 今回お話を聞いたのは、島根県松江市で食のバリアフリーに携わるJALふるさとアンバサダーの山本めぐ美さん。

――取り組みについて教えてください。

 皆さま、こんにちは。JALふるさとアンバサダーとして京都支店に在籍しております山本です。今回は支社・支店の枠を越えたJALの地域事業の取り組みをご紹介いたします! 今回ご紹介する取り組みが実施されたのは、国宝松江城、島根県立美術館、八重垣神社(縁結びの大親神)、そして宍道湖(日本で7番目の大きさ)など、魅力あるスポットを有している「島根県松江市」です。宍道湖北側湖畔に位置する「松江しんじ湖温泉」関係者の皆さまへ「食のバリアフリー」をテーマに講演を実施させていただきました。

 最近ご旅行などで旅館やホテルを利用された方はいらっしゃいますでしょうか?

 宿泊先で提供されるお食事は旅の醍醐味ですよね! 近年、そのような宿泊施設を利用されるお客さまのなかにもアレルギー対応食を希望される方が増えてきているそうです。同様に、機内でもさまざまなご事情で機内特別食を事前オーダーされるお客さまが増加傾向にあります。JALでは「お子さま向けのお食事」「アレルギー対応食」「宗教にかかわるご要望のあるお客さまのお食事」「ベジタリアンミール」「健康に気を配られている方のお食事」と、すべての方々に空の旅をお楽しみいただけるような多岐にわたる機内特別食をご用意しております。

 お客さまの体調に関わる特別食も多いため、私たちJALの客室乗務員は各種特別食を確実に提供するため、チームワーク、コミュニケーションに工夫を重ねながら正確に提供できるよう努めております。

 そこで今回、松江しんじ湖温泉旅館協議会の皆さまへ、JALが取り揃える機内特別食の種類、誤った提供を未然に防止するための機内での工夫を詳しくお伝えしてまいりました。グループ会社である「ジャルロイヤルケータリング株式会社」にも協力いただき、機内食の製造過程、管理、搭載についてもご紹介いたしました。

――この取り組みにはどのように関わっているのでしょうか。

今回の取り組みに関するニュースリリース

 発端は「旅館でもアレルギー対応食を希望する方が増えている」「間違いのないよう提供するためにはどのようにすればよいのか」と、松江しんじ湖温泉旅館協議会関係者の方からご相談を受けたことがきっかけでした。

 JALではまったく前例のない講演内容であったものの、地域課題の解決につなげるべく、社内のあらゆる関係部署と連携・確認を進めながら、講演内容をゼロから作り上げていきました。機内でのノウハウの洗い出し、機内専門用語を使用しない分かりやすい説明と実体験に基づくエピソードを中心に投影資料の作成も進めました。

 講演当日は、会場を提供いただいた旅館「なにわ一水」関係者はもちろん、松江しんじ湖温泉旅館協議会に加盟している旅館・ホテルの若女将、調理担当者の方など多くの皆さまにご参加いただきました。講演に加えて、機内で活用しているツールのご紹介、さらには、機内で提供しているいくつかの機内特別食(28品目アレルゲン対応食・低グルテン食・イスラム教対応食)をご用意。実際に召し上がっていただく試食会の時間も設け、トータル3時間にもおよぶ盛りだくさんの講演となりました。

当日の研修会の様子。松江しんじ湖温泉旅館協議会関係者、加盟旅館・ホテル関係者、マスコミ関係者など多くの方々にご参加いただきました
会場「なにわ一水」からのレイクビュー(宍道湖)

――今後の展開・展望について教えてください。

 講演後のアンケートでは「料理提供マニュアル作成の参考になった」「JALの対応の意識の高さが伝わってきて素晴らしいと感じた」「今後ますます需要が増えるであろうアレルギーやインバウンド対応に向けて研修内容を活かしていきたい」「メニューの考案から製造、機内への搭載など流れがよく分かった。いかにお客さま全員に満足してもらえるのかよく考えており感心した」とうれしいコメントを多数頂戴いたしました。

 機内(空の上)、旅館・ホテル(地上)という空間特性の違いからでき得る対応・ご提供できる食品やアイテムには多少の差異があるかもしれません。しかしながら、お迎えするすべてのお客さまに快適にお過ごしいただきたいという気持ちはきっと同じです。

 私たちJALの客室乗務員は、ご利用になるすべてのお客さまに機内で安心してお食事を楽しんでいただけるよう、引き続き基本手順を遵守しながら機内食を提供してまいります。

 今後はさらに地域で連携して、課題に関する対応策やテーマ別のノウハウの共有などを積極的に展開していきたいと考えております。もし、この記事をご覧になっている全国の宿泊施設関係者の皆さまのなかで、弊社の取り組みにご興味のある方がいらっしゃいましたら、いつでもお問い合わせをお待ちしております!

島根県指定有形文化財・松江市歴史的風致形成建造物「興雲閣」
松江神社にて
国宝松江城と桜。今年4月の訪問時に撮影
なにわ一水の客室(提供:なにわ一水)

――旅行者に向けてメッセージをお願いします。

 冒頭でも触れましたが、JALでは多岐にわたる機内特別食をご用意しております。もしお食事に関する不安から飛行機での海外旅行をためらっている方がいらっしゃいましたら、一度JALのWebサイトをご覧くださいませ。

 今回ご紹介した島根県には「出雲縁結び空港」があり、JALグループは東京(羽田)・大阪(伊丹)・福岡・隠岐に就航しています。10月も後半にさしかかり、いよいよ温泉が恋しい季節になってまいりました。美肌の湯とも言われている松江しんじ湖温泉へゆったり温泉旅行はいかがでしょうか。「いい湯・いい味・いい眺め」が待っております! 皆さまのお越しを心からお待ちしております。

空室・料金チェック