星野リゾートがこっそり伝える食の裏側

新しい美味しさ!“ビール×漬物”を楽しむ「京町つけものビアベース」(OMO5京都三条 by 星野リゾート)

会場は京野菜のかたちをした提灯に彩られる

「星のや」「リゾナーレ」「界」「OMO(おも)」「BEB(ベブ)」と5つのサブブランドを中心に、国内外に施設を展開している星野リゾート。その知られざる食の魅力を深堀りしていく連載の第4回は、「OMO京都三条 by 星野リゾート」の夏イベント「京町つけものビアベース」を紹介する。

 期間中は館内の特設空間で、よく冷えたクラフトビールと京漬物が提供される。夕食前に一杯飲んで涼み、街へ出かける元気をチャージできるイベントだ。

OMO5京都三条 by 星野リゾート 総支配人 唐澤武彦さん

 夏にビールは定番だが、漬物との組み合わせは目新しい。企画の背景を、OMO5京都三条 by 星野リゾート 総支配人の唐澤武彦さんに聞いた。

――“ビール×漬物”という組み合わせが新しいですね。

 この夏は全国のOMOで、各地域の特色を出したビールイベントを開催することが決まりました。「京都三条らしさはなんだろう?」と考えたとき、酒蔵のクラフトビールと名物の京漬物の組み合わせに思い至ったんです。

 漬物は日本酒と合わせるのが定番ですが、そこをビールという別のお酒と組み合わせてみるのもおもしろいかなと。食には定番といわれる組み合わせがありますが、あえて少しずらすことで新たな美味しさが発見できることもあります。

黄桜とキンシ正宗のクラフトビールを提供

――日本酒の酒蔵がクラフトビールを造っているんですか?

 そうなんです。京都にブリュワリーは多くありますが、今回はあえて「黄桜」と「キンシ正宗」という伏見の酒蔵が造るクラフトビールに絞りました。ホテルのすぐ近くを流れる高瀬川は、酒どころの伏見へと流れており、立地的なつながりがある京都の酒文化を応援したいと考えたんです。

かつては伏見から全国へ日本酒が運搬された高瀬川

 お酒は水が命です。伏見周辺の伏流水は「伏水(ふしみず)」と呼ばれる名水があり、街中にも京都には名水が多くあるため、当然ビールも美味しくなります。2蔵ともクラフトビールを造るくらいですから、新しい挑戦にも意欲的。黄桜さんは日本種の酵母を使ったビール造りにもいち早く取り組んできました。キンシ正宗さんは、最近ボトルをとてもスタイリッシュなデザインに刷新しています。

――ビールと組み合わせた京漬物はお土産の定番でもありますね。

 そうですね。消費量も多いですし、老舗の漬物店から大手メーカーまで本当にたくさんのお店があります。京都のスーパーへ行くと、お漬物のコーナーとお茶のコーナーが広くて驚くかもしれません。

――実際、ビールと漬物の相性ってどうなんでしょう?

 ワインのマリアージュと違って、かっちり理論的に定義するのが難しいものの、漬物の塩味や酸味はビールにぴったりです。酒蔵が造るクラフトビールであれば、仕込み水も同じ。なかには日本酒用の酵母を使った商品もあり、相性はよいと思います。

 イベント提供する銘柄は、当ホテルのソムリエと試飲をしてセレクトしました。夕食前の一杯なので、アペリティフ(食前酒)感覚で軽やかに飲めるものを多めにし、もちろん漬物との相性も考慮しました。

 黄桜さんからは「LUCKY CAT」「京都麦酒 蔵のかほり」「京都麦酒 山田錦」、ほかに抹茶味の発泡酒やノンアルコールビールもそろえました。キンシ正宗さんからは「京都町屋麦酒 かおるす」「京都花街麦酒 まったり」「京都平安麦酒 くろおす」を選んでいます。漬物は3種の盛り合わせを日替わりで提供しますので、3通りのマリアージュをお試しいただけます。

Cap多彩な種類と長い歴史がある京漬物

――漬物のこだわりを教えてください。

 今回はホテルのご近所さんでもある「加藤順漬物店」の協力のもと、旬の素材を中心にした漬物をセレクトして提供します。

 夏なので旬の京野菜を使ったさっぱりした浅漬が中心。浅漬は漬ける時間が短いので、旬をそのまま味わえるのが魅力ですね。まずは白瓜の浅漬「浅うり」から提供をスタートしています。

 京都三大漬物のうち、聖護院かぶらを使う「千枚漬」は冬が旬なのでのぞきますが、京野菜を紫蘇で塩漬けにする「志ば漬」、かぶらの一種であるすぐきを乳酸菌発酵させた「すぐき漬」はイベントでもご提供します。

――唐澤さんの個人的なおすすめがあれば教えてください。

 黄桜さんの「京都麦酒 蔵のかほり」は、漬物全般とよく合います。日本酒用の酵母を使っているので日本酒の風味がふわりと香り、ビールと漬物の相性のよさを深く実感していただける一杯だと思います。

 少し通好みのマリアージュなら、キンシ正宗さんの「京都花街麦酒 まったり」と志ば漬の組み合わせもおすすめです。まろやかでコクのあるビールが志ば漬の個性をしっかり受け止めます。

 ただ、これらはあくまで一例。基本的にどの組み合わせも美味しいので、マリアージュにとらわれすぎず、気軽に楽しんでみてください。

――ご近所ガイド OMOレンジャー(※ご近所に足を運び情報を集め、おもてなしに活かすスタッフ)によるイベントもあるそうですね。

 毎晩18時30分19時から約20分、「京町つけものセレクション」と題し、京都の漬物にまつわる話や歴史などをレクチャーします。といっても堅苦しいものではなく、ビール片手に参加してもらえる気軽なものです。たとえば、「ぶぶ漬けを勧められたら、“早く帰ってほしいの合図”という通説は本当なのか」なんて話をすることも。

――それ、興味あります(笑)。

 あとは、食の嗜好や趣味からおすすめの漬物を紹介する診断チャートも用意します。美味しい漬物屋さんも紹介しますので、ぜひお土産選びの参考にしてください。

街歩きを満喫できる「OMO5京都三条 by 星野リゾート」

――最後に読者へメッセージをお願いします。

 OMOのコンセプトは「寝るだけでは終わらせない、旅のテンションをあげる都市ホテル」です。“酒蔵のクラフトビール×京漬物”という新しい美味しさとの出会いが、旅のテンションを上げる一つの要素になればうれしいです。

 また、ホテルとしてのコンセプトは「京町らんまん川歩き」です。京都三条は飲食店やバーが集中している美食エリア。このイベントでビールを楽しんだあとは、ぜひ街へ出かけてみてください。OMOレンジャーが美味しいお店のご案内もします。イベントをきっかけに街を丸ごと楽しみ、新たな発見や出会いを楽しんでいただけたらと思います。

OMO5京都三条 by 星野リゾート「京町つけものビアベース」

実施期間: 2022年6月1日~8月31日
実施時間: 18時~20時
実施箇所: OMO5京都三条 by 星野リゾート OMOベース
対象: 宿泊者、日帰り利用可能(宿泊者優先)、定員20名(テラス席含む)
料金: 1回800円 ※ビーツ・漬物のお変わりは別途有料
Webサイト: OMO5京都三条 by 星野リゾート