週末駅弁

東京駅「パリ・リヨン弁当」

フランス国鉄パリ・リヨン駅の駅弁販売を記念した駅弁

「パリ・リヨン弁当」
弁当名「パリ・リヨン弁当」
価格1650円
販売駅JR東日本 東京駅
購入場所JR東日本 東京駅構内売店「駅弁屋 祭」
購入日2016年4月12日

 JR東日本グループの日本レストランエンタプライズは、2016年3月1日から4月末までの2カ月間限定でフランス国鉄のパリ・リヨン駅に駅弁販売店をオープン。リヨン駅にて5種類の駅弁を販売しています。

 フランス国鉄の駅に駅弁販売店がオープンするのは初めてとのことですが、それを記念して、パリ・リヨン駅で販売されている駅弁とほぼ同じものを、東京駅と新宿駅の駅弁販売店でも期間限定で販売しています。今回は、東京駅構内の駅弁販売店「駅弁屋 祭」で期間限定販売されている、「パリ・リヨン弁当」を購入しました。

 パリ・リヨン弁当は、フランスのご当地食材「シャロレー牛」を使った弁当です。フタを開けると、4つのエリアに分けられている点が特徴となっています。これは、フランス料理に倣って、「前菜」「主菜」「主食」「デザート」の4種類を表現しているそうです。それぞれ、紙製の器を使ってエリアを分けていますが、それぞれ和食器を模した模様を施している点も特徴と感じます。

パリ・リヨン弁当の中身は4つのエリアに分けられていて、それぞれ「前菜」「主菜」「主食」「デザート」となっています
パッケージの裏にはメニューが記され4つのエリアの説明があり、フランス語でも書かれています
前菜エリア。蛸とわかめのマリネ、蒲鉾、卵焼き、豆腐田楽、山菜漬、人参の煮物。全体的にあっさりとした味付け

 まず前菜エリアですが、ここには蛸とわかめのマリネ、蒲鉾、卵焼き、豆腐田楽、山菜漬、人参の煮物があしらわれています。蛸とわかめのマリネは、酢の物に近い味わいですが、あっさりとした印象です。また、卵焼きは甘みが少なく、豆腐田楽はやや薄味の味付けとなっていました。フランス人好みの味付けに調整しているようですが、全体的にさっぱりいただけると感じました。とは言っても、日本料理の味わいが失われていることはありませんでした。

 次に主菜エリア。こちらは、フランスのご当地食材、シャロレー牛を使ったすき焼きとなっています。弁当は冷めていますので、お肉はやや硬いという印象ではありましたが、牛肉の味わいを直球で楽しめます。また、糸こんにゃくやゴボウ、茄子などがすき焼き風の味付けで煮込まれています。こちらもやや薄味の印象でしたが、しつこさを感じることのない、すき焼きらしい甘辛さで、おいしくいただけます。上にはパプリカやインゲンも添えられていて、色合いも鮮やかです。

主菜エリアは、シャロレー牛を使ったすき焼き。甘辛いすき焼き風の味付けはほっとする味わい
シャロレー牛は、冷めていてやや硬い印象でしたが、牛肉の味わいはしっかりしていて、かなり美味しいです
主食のご飯には、ふりかけがかけられています。横にはきゅうりの漬け物も添えられていて、まさに弁当といった雰囲気

 主食はご飯です。フランスではご飯を主食として食べることは少ないと思いますが、日本人的にはやっぱりご飯がないとお弁当を食べている感じがしないので、これはうれしいところです。ご飯にはふりかけがかけられていますが、これはフランス人の好みを想定してのものでしょう。個人的には、ふりかけがなくてもいいですが、主食にも味があった方が、フランス人には受けがいいのかもしれません。

 デザートはカステラです。プレーンのカステラと、抹茶味のカステラの2種類ですが、どちらもきめが細かくて、甘さもちょうどよく、かなり美味しいと感じました。このカステラなら、フランス人もかなり喜びそうな印象です。

デザートのカステラ。プレーンと抹茶味の2種類ですが、どちらもきめが細かく、かなり美味しいです

 フランス料理を意識して、フランス人好みの構成となっている駅弁ですが、駅弁としてきちんと完成されているという印象を強く受けました。味付けは全体的にあっさりしているという印象ではありますが、十分に満足できるものと言えます。

 ただ、ボリュームはやや軽めですので、がっつり食べたいという人にとっては、物足りなさを感じるかもしれません。また、1650円という駅弁としてはやや高い価格設定も、気になる部分ではあります。とはいっても、パリまで行かず、パリで販売されている駅弁とほぼ同じものが食べられますので、これまでにない駅弁を食べたいという人なら、十分に興味をそそられるはずです。ちなみにリヨン駅の「BENTO PARIS-LYON」は15ユーロです。

 なお、パリ・リヨン弁当は日本でも4月末までの期間限定販売となっていますので、食べてみたい人は早めの購入をお勧めします。また、新宿駅では「駅弁屋 頂」で購入できます。