週末駅弁
姫路駅「関西シウマイ弁当」
2022年5月20日 11:00
“シウマイ弁当”といえば、「崎陽軒」が横浜駅などで販売している有名な駅弁です。その崎陽軒と、姫路駅を中心に駅弁を販売する「まねき食品」がともにタッグを組み、2021年11月26日より姫路駅で販売をはじめたのがこの「関西シウマイ弁当」です。
コロナ禍で打撃を受けた駅弁業界の経済を活性化させるため、まねき食品が崎陽軒に“シウマイ弁当とコラボレーションさせてほしい”と打診したところ、その想いに共感した崎陽軒が承諾し「関西シウマイ弁当」が誕生したそうです。
弁当の大部分は、本家シウマイ弁当の基本が忠実に受け継がれています。例えば、容器には本家と同じ経木折の箱が使われていますし、ご飯は黒胡麻と小梅をトッピングした俵飯になっています。また、シウマイはしっかり5個盛り付けられていて、その横には豊富なおかずも並んでいます。
しかし、シウマイやおかずの一部は関西風の味付けにするなど手を加えることで、本家とは違う味わいを実現。掛け紙のデザインは、本家を踏襲しつつも、虎や姫路城をはじめとした名所のシルエットが描かれていて、関西らしさが伝わってきます。
主役のシウマイからは本家同様の香りが漂ってきますが、昆布だしと鰹節のうま味、刻みレンコンが加えられている点が、本家と大きく異なる部分です。実際に食べてみると、本家のシウマイよりもあっさりとしたやさしい味わいに感じます。刻みレンコンのシャキシャキとした食感も楽しく、本家とはまた違った美味しさとなっています。
ほかのおかずも関西らしい味付けです。鶏の唐揚げは「ヒガシマル」の泡口醤油とあご出汁で下味が付けられていて、本家よりあっさりとした味わい。玉子焼きは、出汁の風味が強く感じられる出汁巻玉子で、甘みは抑えられています。また、拍子木切りの筍物は「まねきのえきそば」で使われている出汁で煮ることで、関西人には懐かしく、ほっとする味わいになっています。本家の筍煮は角切りで、かなり濃い目の味付けになっているため酒の肴としても楽しめますが、こちらは純粋にご飯のお供や箸休めにもってこい、という印象です。
そのほかにも、鰆の幽庵焼やレンコン甘酢漬け、柴漬けなど、本家とは少々違ったラインアップのおかずが並びます。そして、おかずの中央には本家でおなじみの“あんず”ではなく、黒花豆煮が盛り付けられています。甘く炊き上げられ、ホクホクとした食感の黒花豆煮は、デザート的な楽しみ方も可能でしょう。
このように、「関西シウマイ弁当」は本家シウマイ弁当をリスペクトしつつ、関西風にアレンジすることで、新たな魅力が詰まった駅弁に仕上がっていると感じます。本家シウマイ弁当が好きな人でも十分に楽しめると思いますので、姫路を訪れることがあればぜひ、試してみてほしいです。
「関西シウマイ弁当」
価格: 960円
販売駅: JR姫路駅
購入場所: 姫路駅構内 まねき食品中央売店
購入日: 2022年4月11日