週末駅弁

郡山駅「海苔のりべん」

「海苔のりべん」

 東北の中核都市・郡山。新幹線も停車するJR郡山駅で販売されている「海苔のりべん」は、JR東日本が毎年開催している「駅弁味の陣」で2018年の駅弁大将軍(グランプリ)を受賞している駅弁です。

見た目はオーソドックスなのり弁そのもの

 のり弁といえば弁当のなかではとてもベーシックな存在で、贅沢な肉料理や海産物のお弁当を抑えての頂点にたったその味ですが、ズバリ納得。個人的にはビックリするくらいの美味しさでした。

 製造してる福豆屋が「子供のころ、忙しかった母が愛情を込めて作ってくれた海苔べんを駅弁にしたい、という想いで作った」と語るこのお弁当。まずは、ご飯が美味しい。製造時間が10時で、消費期限3時間前の21時に食べたにもかかわらず、とにかくご飯の食感も味もバッチリ。

 振りかけられているおかかも今かけたばかりのような食感で、ベタベタというか湿った感じはなぜかありません。2層にひかれた海苔も間に挟んである甘じょっぱい昆布佃煮も、バランスがよく文句の付け所なし。上に振ってあるゴマもよい感じに効いてます。

おかずも玉子焼きや焼鮭など日本のお弁当の定番づくし
ご飯は梅干しの乗ったのり弁そのもの。海苔との間におかかが振ってあります
海苔は2層になってます
昆布佃煮も入ってます

 おかずは、玉子焼き、焼鮭、煮物、かまぼこ、と名前だけ並べれば割とよくあるもの。ただし玉子焼きは駅弁には多い甘いタイプではなく、出汁の味のしっかりしたもの。もう和食です。鮭も塩加減、ボリュームともにマル。煮物の里芋のボリュームもごぼうの食感もよし。赤かぶ漬けですら箸休め的なものではなく、おかずの一品という感じ。

大きな玉子焼きはいわゆる出汁巻玉子で甘くありません
ボリュームのある焼鮭は塩加減もよい感じ
すごくちゃんとしたかまぼこ

 郡山は米どころとはいえ、ここまでオーソドックスなお弁当で唸らせてくれるのはうれしい誤算です。また、最近は多くの駅弁が複数の駅で販売されるケースが多いのですが、このお弁当は「東北本線 郡山駅」とパッケージに表記しちゃってる潔さもマル。グランプリ受賞作の実力を見せつけられました。

「海苔のりべん」

価格: 1000円
販売駅: JR東日本 郡山駅
購入場所: 郡山駅構内「NewDays ミニ8号店」(改札内)
購入日: 2021年7月22日