荒木麻美のパリ生活
フランスでも大注目中、農薬と化学肥料不使用の家庭菜園
2022年6月18日 08:00
農薬や化学肥料に依存しないで作物を作っている・したい人がまわりに増えています。という私も興味津々の一人で、まずはパーマカルチャー、永続可能な農業にフォーカスしたサロン「Permae」に行ってきました。
3月に開催された本サロンは、今年で2回目だそう。家庭菜園に必要なグッズ、書籍、苗、種などを販売していたほか、本格的に農業を学ぶ学校や短期講習会の案内もありました。
家庭菜園、農業に関するアトリエも開催されており、来場者はおのおの熱心に各ブースやアトリエで質問していました。
私の一番の目当ては種だったのですが、売っていたのはほぼすべてが自家採種をできる固定種。私も未来の家庭菜園のために、いくつか買ってみました。
サロンを訪ねたあとすぐ、実際にできるだけ自然に沿った形で家庭菜園をしている友人たちの家にも訪問させてもらいました。
1軒目はパリ市内から東に電車で30分くらいのところに住んでいる、日仏カップルのお宅です。
彼らのとてもおもしろいところは、ティラピアという淡水魚を使った「アクアポニックス農法」をしているところ。話しを聞くのと見るのとでは大違いで、実際に見学をして心底驚きました!
自宅1階には水槽がずらーっと並んでおり、ティラピアがたくさん、こんにちは! この魚の世話は、魚を愛してやまないご主人が心を込めて世話をしています。そしてこの水槽の水が畑の肥料として使われています。畑でろ過された水はまた水槽に戻り、完璧な循環型ですね。ちなみに魚は肥料として飼っているだけではなく、食べられるそう。味はタイに似ているそうです。
私が訪問したときは苗が育ち始めたときで、家のなかも外も苗でいっぱい! 畑の持ち主は「家が苗で占領されているの!」と笑っていました。
次に見せてもらったのはパリの東に隣接する町に住む、これまた日仏カップルの家です。こちらの庭は1000m2ととにかく広い! 近所の猫ちゃんたちがやってきてはくつろぎ、飼っている鶏が自由に散歩しています。
こちらではお隣に住む日仏カップルと共同で、今年から畑をはじめました。お隣に住むフランス人のご主人に話を聞いてみると「毎日デスクワークで、土を触っているととても癒されるんだ」とのこと。分かります!
私が訪ねたときは「せっかく育った苗がナメクジやカタツムリに食べられてしまって……」ということで、柵などを作っているところでした。
フランスの家庭菜園は、巨大なナメクジやカタツムリが最大の天敵のよう。参加している、フランスで畑作りに取り組むSNSコミュニティの話題を見てみても、どうしたら薬を使わずに撃退できるか、という話を熱くしています。
私は現在、プランターで細々と野菜やハーブを育てているくらいですが、来年には引っ越し先のテラスに小さな家庭菜園を持つ予定です。今は種を集めつつ、あちこちで楽しく家庭菜園について勉強をしているところです。私は有機肥料も使わない自然農法に興味があるのですが、実践できる日が今から楽しみです!