旅レポ
カツオソムリエが手掛ける絶品の藁焼きをいただく! JR四国の観光列車で高知を旅してみた
2022年12月8日 06:00
高知県民も食べに来るという藁焼きの鰹のたたきを堪能
JR四国が主催した高知県を旅するプレスツアーに参加してきた。2023年春放送予定のNHK連続テレビ小説「らんまん」のモデルとなった植物分類学者の牧野富太郎ゆかりの地を巡りながら、JR四国の観光列車「志国土佐 時代(トキ)の夜明けのものがたり 煌海の抄(きらめきのしょう)」に乗車する豪華旅だ。
東京からの参加だったので、空路で高知空港(高知龍馬空港)入りして、貸切バスでまず向かったのはカツオで有名な「久礼大正町市場」。JR四国の土佐久礼駅からは徒歩圏内だ。「高知県民がわざわざここにカツオを食べに来る」と言い、連日観光客も含めてとてもにぎわっている。
久礼大正町市場のある中土佐町・久礼は400年以上前から続く「カツオの一本釣り漁」の町で、現在にも脈々と受け継がれている。久礼のカツオ一本釣り沿岸船は、季節や漁場によりまちまちだが、夜に久礼の港を出発、夜明けとともに釣り始めるという。2時間釣っては2時間休憩ということもあれば、釣れるときには休まず釣り続けることも。そして夜に帰港。1本ずつ丁寧に手作業で水揚げされ、氷がよく効いたタンクに入れて鮮度を保ち、翌朝の競りにかけられる。
「久礼大正町市場」のカツオを扱う飲食店には、競りで鮮度を見きわめて、素早くさばいて身の風合いを見て、触って「弾力があるけど硬くない」理想の感触を判断するプロフェッショナルがいる。仕入れたカツオを常に冷やす、かつできるだけ短時間にさばいて客に届ける。久礼のカツオが美味しい理由がここにある。
さて、一行はカツオを知りつくしたカツオソムリエが作った絶品の藁焼きのカツオのたたきをいただきに「田中鮮魚店」へ。ここではカツオの藁焼き体験も行なった。藁独特の香ばしさのある炎で二度ほど外側を焼いた。そしていよいよ実食。
カツオの刺身とたたきの2種類を堪能。「藁入れ8年、焼き3年」といわれるそうだが、久礼ではカツオの鮮度が重視されるため焼き過ぎは厳禁! 外は1~2mm程度に薄く焼き、なかは鮮度抜群の身をそのままキープするのが理想とされている。まさに焼き赤身の鮮やかなコントラストを視覚的にも楽しみつつ、舌鼓を打った。
そのほか、西村菓子店の「カツオもなか」や竹林呉服店の「かつ尾ヨージ」などいろいろなカツオ関連の商品も楽しむことができる。
日本の植物分類学の基礎を築いた牧野富太郎の故郷・佐川町を散策
土佐で有名な人物といえば、言わずと知れた幕末の志士・坂本龍馬だが、もう1人日本中に、いや世界にも誇れる人物がいた。「日本植物分類学の父」と呼ばれる植物分類学者の牧野富太郎だ。
佐川(さかわ)町は牧野富太郎生誕の地でもある。牧野富太郎ふるさと館は生誕の地に建っており、牧野富太郎の遺品や直筆の手紙などが展示されている。また、水がきれいなことから400余年の伝統ある酒造・司牡丹が有名で、試飲もできる「酒ギャラリーほてい」もぜひ立ち寄りたい。ほかに竹村家住宅や旧竹村呉服店、青山文庫や青源寺、名教館、佐川文庫庫舎など歴史を感じる味わい深い街並みは、散策にもってこいの場所だ。小高い山にある牧野公園から街並みを見下ろすと、JR四国の列車を見ることもできた。鉄道写真のスポットしてもよさそうだ。
さて、この日の宿泊はJR四国の高知駅から徒歩2分の場所に位置する「JRクレメントイン高知」へ。2020年11月28日にオープンしたきれいなホテルで、観光にもビジネスにも最適なロケーション。朝食には特に力を入れており、和食と洋食メニューの充実ぶりは要チェックだ。